新月の夜に約束しよう
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新しい食べ物や飲み物に挑戦するのは妻の方。 いつものビールを飲む私の横で、昨日も新しい第3のビールを試していた。 一口目で敗退決定。 妥当な結果だろう。 家族揃ってくたびれ気味なので、子供の時間にまとめて就寝した。 もちろん、日本−パラグアイ戦のためだ。 稲光に照らされながらも、私達はすぐに眠りに落ちた。 雷鳴が怖いと言って、自分の部屋から出てきた娘も一緒。 文字通り川の字で寝るのは、ずいぶん久しぶりのこと。 だが、娘の部屋より親の寝室の方が雷見物に適している環境ではあった。
固唾を飲んで画面に釘付け。 膠着したまま、最初の90分が過ぎようとしていた。 「延長かな?」 「延長だろうね」 妻と私の手元には飲めない第3のビールではなく、水出しの烏龍茶のグラスがあった。 ↑投票ボタンです
彼女なりの激励なのだろうが、どうやらプリペイド方式らしい。
PKの果てに敗戦。 雨の音を背景に、私達は画面に向かって静かに拍手をした。 また四年後、と人は言うがそうではない。 明日のそのまた明日のその先に四年後があるのだ。 全ては連続。全ては留まることのない一つの流れ。 そして、私達の寝不足も終わらない。 決勝戦よりも前にツール・ド・フランスが開幕するから。
車の点検に出掛けた。 「この車ってマニュアルだったんですね?!」 担当者に車を預けると、二回に一回ぐらい驚かれる。 売ったのは君だ。
山形県ぐらいまで、遊びに行こうかと妻と盛り上がる。 まとまった休みは取れないので、距離と時間との戦いだ。 私達は何時に家を出ようともそのことは苦にしない。 始まりはいくらでも繰り上げることはできる。 ↑投票ボタンです
先日400km走った時が、そうだった。
山にも行きたい。 キャンプにも行きたい。 ナガノ君は結婚−転居−転職と忙しそうで、きっとこの夏は遊んでくれないに違いない。 今年は珍しく家族だけで愉しむ夏休みになりそうだ。 妻と娘の富士登山を面倒だから早く片付けてしまいたいのだが、富士山に登りたいのはナガノ君も同じなのだった。 そうすると私は二回登らなければならなくなるので、それは避けたい。 これが最後、と決めてから何度も登ったのだ。 あと一回ぐらいにしたい。 私が行きたいのは火山岩と人ばかりの山ではない。
また今日もボランティアの休日出勤。 私は本当にこのやり方を憎悪している。 用事があるので午前中だけ、と言ったところ物凄い剣幕で怒鳴られた。 実際に出社してみると大した作業はないというのは予想通り。 怒られようがなんだろうが、私は予告通り午後になって会社を出た。
夜は友人達四人と飲みに出掛けた。 一人は転職活動中、私も含めた三人は会社を辞めようとしている。 もう末期的な状態だ。 「岩牡蠣四つ」 「あ、三つでいいです」 「舞茸の天ぷら四人前」 「あ、三人前で」 オーダーにいちいち修正を入れるのは転職活動中のノダさん。 好き嫌いするなと私に言われながら、彼は太刀魚の刺身に箸をつけた。 彼は前日に熊本まで面接に行ってきたのだった。 採用されたらもうこちらには帰ってこないと言う。 私は彼のことが本当に好きで、さびしい気持ちを隠すこともしなかった。 「一緒に来れば?」 出来るものならやっている、と私は笑った。
別れ際はひどい雨だった。 四人で手を振って再会を約束した。 少し前までこの仲間は六人だった。 一人は癌と今戦っている。 もう一人は親が倒れて、田舎に戻っている。 そして、もう一人が遠くへ去ろうとしている。 私はいつも決まって残される側。 ↑投票ボタンです
二十年来の友人であるナガノ君から久しぶりに電話があった。 昨年の秋に山に行ったのが最後だから、もう九カ月も時間が経っている。 何やら用件を切り出しにくそうな物の言い方だったので、私の方から先制攻撃をした。 「悪いニュースなら聞きたくないよ。結婚でもするのか?」 「うん、まあ」 結婚、という単語に夕食を終えて寛いでいた妻と娘も敏感に反応した。 目が合ったので、私が二人に頷いてみせると全てを理解した様子だった。 私と妻とナガノ君の三人の出会いは、ほとんど同時期だ。 私と妻がつきあうようになる前は、妻とナガノ君の方が顔を合わせている時間は長かった。 娘は、それこそ生まれたときから彼に遊んでもらっている。 結婚したら群馬県に行ってしまうとのことだが、高速に乗れば一時間の距離など問題ではない。 ↑投票ボタンです
それは私がマンションを買った時に、彼が引越祝いとしてくれたのだった。 その当時の彼は自分の店を持ちたいと言っていた。 だから私は彼が店を持つか、結婚することが決まった時にその箱を開けると約束したのだ。
これで私の身の回りで独身者はいなくなった。 私は結婚したことで自分の人生がようやく始まったとさえ思っているので、世話焼きじじいよろしく結婚しろと周囲に言ってまわっていたのだった。 あとはナガノ君の結婚相手が、私と彼の遊びを許容してくれるのを祈るのみだ。 午前二時に集合して山を目指す、というのが一般的な遊び方だとは口が裂けても言えはしないから。
家に帰ったら、ポルトガルの得点ショーが始まったところだった。 日韓ワールドカップの時、ミロスラフ・クローゼの鮮烈なデビューを思い出す。 あの時のドイツは8点取ったのだったか。 私が試合に夢中になっていると、妻が買い物に行くから欲しいものはないかと尋ねた。 「アイス」 「え? なに? 聞こえない」 「アイス」 「え?」 妻が笑っていて、その視線の先には自分の部屋から恨めしげな顔をのぞかせた娘の姿。 もう寝支度は整っていて、歯も磨いた後。
試合が終わった後はニュー・スーパーマリオブラザースwii。 他にも宿題になったままのゲームがたくさんある。 ストーリーの続きが知りたい妻は、私にプリンス・オブ・ペルシャを進めるように迫るが、今日はこちら。 ↑投票ボタンです
しかし、こんなやりとりをしている目の前でHDDレコーダのディスク残量が一桁になっていて、そちらの方が重要な課題なのだった。
トミタさんはキャンプに行きたがっている。 道具は何も持っていない。 「何でも借りられますよ」 何日か前に、私はお勧めのキャンプ場をいくつか教えておいた。 どうやら、トミタさんの彼氏と、トミタさんの妹夫婦の四人で行くつもりでいるらしい。 最初からハードルが高いのは大変なのでコテージを借りて、という話に落ち着いたようだ。 「ねえ、教えてもらったキャンプ場って、トイレきれい?」 私は笑った。心配する気持ちもわかるが、最近は不快な思いをする方が珍しい。 ↑投票ボタンです
朝起きたら、明るい空で拍子抜けした。 この調子ならキャンプに行けたね、と妻と笑いあう。 私はどこかに行こうと言い出し、妻とすっかり寝坊した娘もそれに賛同した。 とりあえず関越に乗ろうと決めて走り出す。 私は二週間放置していた車に乗りたかったのだった。 走っている内に晴れ間がやってきて、それが私達のフットワークをますます軽くした。 軽井沢ぐらいまで、と思っていたが何の躊躇いもなくやり過ごした。 高原を走り、山の眺めを愉しみ、リゾート地を抜ける。 一度は来てみたかった小さな街が最後の目的地だった。 素敵な一日。 車の運転も楽しかった。 ↑投票ボタンです
電車の中で聞こえてくる会話。
「富士山って一年中上の方が白くて凄いよね」 「4000メートルぐらいだっけ? 凄いよねえ」
「DHAってなんだか知ってるか?」 「さあ?」 「ドコサヘキ酸って言ってだな...」
「CDからMP3に変換するには有償のソフトウェアが必要...」
世の中は、色々いい加減でも回っているようだ。
仕事を持って帰るのは好きではない。 ワールドカップを見るのもそこそこに、私はPCに向かってその嫌いな作業を始めた。 妻は私の背後で別のPCを立ち上げて、ゲームをやっている。 「おとなしいね?」 「いや、黙っていれば早く終わるかなぁ、と思って」 私は謝りながら、夜中まで終わりそうにない様子を伝えた。
明かりを消してから、私のせいであまり会話がなかったことについて話した。 スキンシップも必要だ、と私は言った。 ↑投票ボタンです
いや、そんなことは一言も言っていない。
昨年、私が仕事を辞めたいと言い出した時にトミタさんが飲みに誘ってくれたことを思い出す。 彼女は私と同い年のエンジニアで、とても真面目な人。 いつも私の家族のことまで気にかけてくれる。 なぜ私のような気持ちにならないのかと問うと「転職難しいからね」とさらりと言った。
年明けのある日。奥歯が砕けそうなほど憤りつつ言葉を呑み込んだ時には、アヤセさんが私のことを心配してくれた。 彼は私より少し年下のデザイナー志望だがやはりエンジニア。 学生時代のほとんどをアメリカで過ごしたせいか、かなりの自由人。 「いなくなると困ります」本気か冗談か、彼は笑いながら言った。
昨日はトミタさんにとって大変な一日だった。 夕方に力尽きたようにしている彼女に私は言った。 「トミタさんも転職考えませんか? 私もそろそろ転職サイトに登録しようかと思ってます」 ↑投票ボタンです
あれ?
水曜日にはキャンプの準備を始めて、と妻と先週話した。 食事の内容を決めて食材を用意したり、持って行く装備を選んだり。 未だにスタイルが確立されていないがゆえに、何も考えずに出掛けることができないのだった。 しかし、週末の予報は雨。 妻が溜息をつきながら言った。 「もういいよ。天気予報見ながら金曜日の夜に全部準備すれば」 入念な準備をしていても、前夜の彼女にはいつも寝る時間がないと言うのに。
オランダ−デンマーク戦の後半戦に夢中になっていた。 娘を寝室に追いやったり、片づけをしたりと妻がせわしなく動いているのは目の端で追いかけていた。 「寝ちゃうかもしれないけど、ちゃんと起きるから」 歯磨きを終えてパジャマ姿。その手には雑誌一冊。 「かもしれない」ではなく、寝る気満々だ。 私は軽く手を振った。
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それは確かに寝たままでは困るね、と私は知られないようにひとり笑った。
日本は虎の子の一点を守り切って、初戦をものにした。 私たちが心配していたことが一つクリアになった良い日。
朝起きたら、きれいな青空が枕に頭をのせたままでも見えた。 妻は不機嫌そう。 仕事の日に限って雨、というのが気に入らないのだ。 ついでに、キャンプに行こうとしている週末も雨。 どちらに転んでも、この時期に満足のいく天気の配列は望めない。
FIFAワールドカップ開幕。 F1カナダグランプリ。 プロ野球交流戦大詰め。 はやぶさ帰還。 我が家にとって何かと賑やかな週末。
妻は日本代表、というか岡田監督に対する批判ばかりを口にしている。 私も言いたいことは山のようにあるのだが、彼女の勢いに押されてしまって、その批判に同意してみたり、あるいはその批判の検証役に回ってみたりと地味な役に落ち着いてしまった。 妻が恐れているのは一点もとれずに三敗することで、負けることそのものではない。
カナダの予選に私がかじりついている間、妻はずっと本を読んでいて興味がなさそうだった。 トルコ以来、色々なことがあり過ぎてここでも私は言いたいことが山のようにあるのだが、残念ながら聞いてくれる相手がいない。 妻が楽しむには、あまりにF1は難しい代物になってしまった。
プロ野球...についてはぐっとこらえて何も言うまい。 我が東北楽天はエース級で二連敗。 昼間は家に居なかったので試合も見ていない。
一番気にしていたのははやぶさだった。 まるで我が子が帰ってくるかのように。 「だって、ちょっと角度が合わなかったら見つからないようなところに落ちちゃうかもしれないんだよ?」 「七年かかってやっと帰ってきて、見つけてもらえなかったらかわいそうでしょ?」 大丈夫、大丈夫と私は今にも泣きそうな相手を励ますのみ。 長い歳月とか、行方不明になったこととか、たくさんの故障を乗り越えてとか、そういった経緯が胸に迫るのだろう。 しかし、私に救いを求められても困る。
こんな調子だから、我が家の家電には色々と名前がついていたりするのだ。 ↑投票ボタンです
金曜日の夕食は行きつけの蕎麦屋で。 駅まで妻と娘が迎えにきてくれて、その足で贅沢は良くないなどと言いながら立ち寄ってしまった。 今日の酒は開華と幻の瀧の二銘柄。 どちらにしようか迷った挙句、どちらも飲んでしまうのは悪い癖だ。 そしていつものように、頼んでいない品がぞろぞろと出てきてしまう。 妻は鮫の軟骨にノックアウトされていた。
土曜日は手当の出ないサービス休日出勤。 こんな馬鹿馬鹿しい決まりは早々に廃止すべきだと、私は心底から憎悪している。 いつもどおりの時間に目を覚ましたあと、妻と居間でごろごろしながらワールドカップ初日の結果を見た。 どうにも動き出しが悪い私を見かねて、妻が風呂よりも先に朝食にするよう促した。 私は渋々それに同意。 面倒なので、簡単に食べて出かけようとバターご飯を選択した。 野外では最高のご馳走だが、家でもなかなか悪くはない。 妻がバターと一緒に持ってきたものと見て私は目を剥いた。 ↑投票ボタンです 次の週末にはこんなくだらない出勤など蹴飛ばして、キャンプに行こう。 以前からずっと欲しかったナイフが、ひょんなことから手に入ることになった。 それが週末までに届けばいいのだが。 荷物を小さくする為に新しいテントも欲しいが、それはもう少し先の話。 苛立ってばかりの毎日に終止符を打つのに、仕事も早く辞めたい。 そんなこんなの、悩み多き日々。
自社も出展するイベントの準備に追われている。 今日はデジタルサイネージ用のコンテンツを作り、動作確認をした。 上司がいないため、好きなように書き放題。 机の両隣のオオハタ君とトミタさん、向かいのアヤセさんが出掛けてしまったので1人で黙々と。 「自分は何でも手伝わされるのに、逆に手伝ってもらうことはない」と文句ばかり言う割に、結局自分でやってしまうのが好きなのだった。 典型的な「後輩を育てないダメ社員」。
昨日、展示用の作品を送った先から、帰り間際に電話がかかってきた。 納品物の確認かと思って受話器を取ると、「箱の中に入っていたアクリルのパーツは市販品ですかっ?!」 まあ、どう見ても私が加工できる範囲ではないそれ。 そうだと答えると「どこに売ってますかっ?!」 「ロフトで\300でしたよ。御社でしたら近くのハンズでも行ってみては?」 驚くほど嬉しそうな声で、相手は電話を切った。 きっと、来週に迫ったイベント出展に向けて大忙しなのだろう。 私とアヤセさんでそれを買いに行った時、本当に欲しいものは手に入らなかったのを思い出した。 「もうこれでいいよね?」的な、投げ遣りな感じで並んでいる中から選んだのだ。 「例のあれ、変なところで好評ですよ」 アヤセさんに告げると、彼は鼻を鳴らして笑った。
帰り道は雨。 ずぶ濡れで帰ったら、何故電話して迎えにこさせないのかと妻に怒られた。 お土産に持っていたドーナツは、それを和らげるのに役には立たなかった。 寝る前にしばらくFORZA3で遊ぶ。 本当はF1 2010を心待ちにしているが、まだ発売まではしばらくある。 今更Wiiの解像度でF1 2009を買うのもどうかと。 新作のトレイラーをさんざん見て幻想を抱いているので、なおさらだ。 ↑投票ボタンです
昨日は新卒のヒロセ君と一緒に食事をした。 ボーナスがいくらもらえるか聞かれたので、査定期間に在職していないヒロセ君はもらえないことを説明したら、詐欺にでもあったかのように驚いていた。
サプライヤーのイベント出展用の作品を作った。 私の隣のオオハタ君の担当だったのだが、口ばかりで何もやらないので仕方なく私が。 仕方なかったとか、時間がなかったとか、そんな事情の割には今までの作品の使い回しではなく完全新作だったりする。 機能も見た目も大幅向上のニューモデルとして出せるだろう。 それを担当者が見に来たが、気に入ってもらえてよかった。 発送しなければならないが、巨大な作品をどう梱包するかが悩みどころ。
夕方から新宿の眺めのいい店で飲み会。 眺めは最高、飲み会は酒も料理も段取りもグズグズ。 ビールだけで2時間過ごすのは面倒。
普通の日記の書き方がわからない自分に気づいた。 これは普通の日記なのかな。
この場所を借りたのはもう九年ぐらい前のことだったと記憶している。 最初のテーマでの日記は半年ほど、次のテーマでは五年間書いた。 何が普通かは人それぞれかもしれないが、少なくとも私にとっては両者ともに「普通の」日記ではなかった。
普通の日記をここで書くのも悪くない、と思い始めた。 さて、どうしたものか。
6月になると落ち着かなくなるのは、きっとこの日記のせい。
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