もう1年。はやいモンだ。 というワケで去年の今日、鎌倉に越してきたのでありました。下調べ無しの大慌ての引越しで右も左もわからんかったのが昨日のよう。でも未だに何もわからんのですがどうしましょうかね。この冬はちょっと地元観光でもしてみますか。
と言っても蛇口に付ける小さいヤツ。フィルターの容量は缶コーヒーより小さいくらい。ま、気休めなのかも知らんが確かに水の味は変わるのでしばらく前から使っている。 で、このフィルターと言うヤツは使い捨てである。最初のフィルターはそう、1年はたっぷり使っただろうか。元取った、というよりは多分もう効いてないか下手すりゃ古い不純物を還元供給してくれる汚水器と化している可能性もある。というワケで新しいのに交換したのが今年の夏ちょっと前だった。 その1年使ったフィルターというのを見てみたら、さすがに濾過部分が汚れて灰色ぽくなっており、交換時期はとっくに過ぎているのでどんな液体が出て来ようとワシは関知せんからね、という色をしていた。とは言えまあ、1年使ってこんなモンなら東京都の水ってのもそう悪いモンじゃないのかもねと思えなくも無い程度とも言える。
で、ですよアナタ。アナタって誰じゃボケ。今日、夏前に換えたフィルターを何気なく見てみたらもう、真っ黒ですよ真っ黒。ちなみにこの真っ黒と言うのはさも汚らしい色をしているとか色が濃いとか黒っぽいとかの比喩ではなく文字通りの真っ黒。誰かがワシの家の水道管にタコを詰め込んで2〜3発殴ったのではないかというくらいの真っ黒。いったい、水道水などと言うモノの中に物質をこんな色に染める要素のあるモノが含まれているなどと言う事があるのだろうかというくらい真っ黒。それとも何かと反応して黒くなる様に作られているのだろうか。確かに最初に付いていたフィルターに加えてトリハロメタン除去という能書きは書いてあったのだが黒くなるという説明は無いようなのでその線は薄そうである。じゃあいったい何なのかとなると・・・さっぱりわからんのだよねこれが。誰か教えてくれ。
というワケで急いで交換。もっとも急がなくても10秒もかからんのだが。飲んでみると明らかに味が違う。ううむ、東京より5割がた高い水道料金を取っておいて何ですかねこのザマは。市水道局の限界ですかこれが。何とかしないと浄水場に活タコ50000匹放り込んで掻き混ぜますよ。
あ、こういう事を書くと脅迫とかになっちゃうのかな。(笑)うっかり冗談も言えん。変な世の中になったモンだ。 変な世の中と言えば、広島のレイプ事件で県知事が「朝3時に盛り場でうろうろしている未成年もどうかと思う」と言ったら非難轟々だったとか。何でやろ。親が言わんから彼が言ったまででしょ。言っても聞かんとか、子供に嫌われたくないとかで諦めちゃう親もいるようですけど、こういう目に遭うよりはうるさい親の小言のほうがはるかにマシなんじゃないんでしょうかね。たまたまそういう目に遭わない子供もいるんだろうけどさ、子育てってのは運に頼るモンじゃないんじゃないのかね。
日曜日のセパンはクリス7位ホプキンス8位。こんなモンかもね。19番スタートの青木は13位でまあこれは上出来か。メランドリが2位に入ったのでランキングが5位と6位にダウン。バレンシアの最終戦で4位浮上なるか?ってもう最終戦なんだねえ。冬は何を楽しみに過ごせばいいんでしょうかねえ。
というワケで大船の駅ビルにつばめグリルが入っている事を知り友人と晩飯を食いに行く。銀座のお店は何度か行った事があったのだが大船なんぞに支店があるとは思わんかった。在住1年にして新発見。てか駅ビルの中も見ないで不便だ何も無いだと文句を言うなこの馬鹿>俺。 2人とも軽い風邪気味なのでスタミナをつけるべく鍋を注文。鍋と言ってもでっかいアイスヴァインとロールキャベツ、野菜と本来ならウィンナーが入ったポトフ風。今日は遅く行ったせいかウィンナーが品切れだったので、その分はロールキャベツを増量で作ってもらった。皮付きトロトロのアイスヴァインはもう、アバレたくなるほど美味い。野菜もたっぷりだし最後はスープでポリッジを作ってくれるのでボリュームも文句なし。なのにパンとポテトとサラダとデザートまで注文する浅ましさ。明らかに食い過ぎだがまあ、たまにはいいよね。ちなみにお値段はさらにソフトドリンクを付けて2人で6000円弱。この値段でこれだけ体が温まってしかも幸せな気分になれれば激安と言って良い。何よりやっとまともな晩飯を食えるお店が見つかったのが嬉しい。あとは中華のまともな店とでっかい本屋が出来てくれれば、この辺もそう悪い場所じゃないと思えるんだろうけどなあ。何とかならんかなあ・・・
というワケで明日はセパン。何がどういうワケだ馬鹿。クリスはトップのペドロサから0.4秒遅れの7番グリッド。ホプキンスは10番、ワイルドカードの青木宣篤は2008年モデルのテストで参加し19番グリッド。トップから+2.7秒と厳しいタイムだが本人のコメントは「10位以内」となかなかに強気。ストレートスピードがかなり伸びているようなので、コーナーが犠牲になっていなければけっこうイケるのかもね。ま、来年用だからねえ。期待し過ぎるのはやめときましょうかね。
今日はバイクの散歩。先日の箱根の時のバッテリー上がり寸前を避けるためにその辺をウロウロと。でもさあ、何でまたこの辺はいつどこを走っても混んでいやがるんでしょうかねえ。空いてるのは真夜中だけだもんなあ。狭くてすり抜けもし辛いし。原宿交差点とあちこちの踏み切りと道が狭いのがイカンのだよなあ。原宿は工事中だし道を広げるのは簡単ではないだろうから、とりあえず踏み切りを何とかして欲しと思うんですがどうでしょうか。 などとブツブツ文句を言いながら江ノ島方面へ。この辺に沖縄物産店があった気がしたので見物。実は家の近くにも一軒あるのだが、ここは何だかセコい観光土産物店みたいで欲しいものがほとんどなかったのだ。とはいってもマニアック過ぎても客が来ないだろうから仕方ないんでしょうけどね。じゃあ何があればいいのかというと
1.ヨネマース 2.スパムが安い 3.ポッカのさんぴん茶 4.生の島らっきょう 5.塩もずくの大袋 6.どなんの25度 7.サン食品の沖縄そばだし(かつお味) 8.黒糖は島別に数種類
あとは何だろうねえ。与那国の上原かまぼこと水に晒してない豆腐があれば完璧だけどこれは無理だよな。(笑)沖縄限定味のスナックだの石ラーだの宝石並みに高い塩だの万札がすっ飛ぶ泡波だのにはワシは用が無いのでなかなか気に行ったお店というのに巡り会えない。銀座のわしたは悪くなかったけどね。改装してから混み過ぎ。店にとってはいい事だろうけどさ。 というワケで江ノ島のお店。ヨネマースはなかったけどシママースがあったのでとりあえず購入。お値段300円は仕方が無いかもね。あとはポッカのさんぴん茶。近所のお店よりは良かったけど・・・もうちょっと頑張って欲しいかも。
来週で鎌倉暮らし1年。地方都市の微妙な不便さが徐々に身に沁みて来た今日この頃。ハァ。
2007年10月18日(木) |
馬鹿は殴っても良いという法律を作ってくれる人はいないんですかね |
朝早くから新潟へ出張。 と言っても出発は10時15分の東海道線。10時に切符を買うべくみどりの窓口に入る。げっ。何よこの行列は。3つある窓口のうち2つが開いており、うちひとつをオバハンが占拠している。もうひとつの窓口の青年が頑張ってくれているようで、割とスムーズに流れていく。あと3人。お年を召したご夫婦らしきカップルの番。時刻は10時7分過ぎ。イヤな予感。案の定、列の移動がピタリと止まった。8分。9分。女性職員の方が3つ目の窓口を開けた。ラッキー。おっちゃんが進み○○まで踊り子号という注文。これはすぐ済むな。と思ったら山側じゃなくて海側にしろだの4号車じゃなくてもどうせ禁煙なんだよなあなどと言って粘る。くそ。歩いて行きやがれ。11分。払い戻しらしいチケットを持ったオバチャン。これこそすぐだろう。手数料の説明をしてトレーにお金を乗せる。コインを持ち上げるのに苦労しておる。早くしろやオラッ。13分。やっとワシの番。経路を印刷した紙を出して間に合いますかねえと呟く。すごい速さで入力してくれて、でも新幹線は指定席が売り切れで自由席に変更。カードだと遅そうなので現金を出す。14分。釣銭をつかんで走る。光より速く改札を通り抜け階段を駆け下り・・・ようと思ったが昇ってくる人が多くて無理。て事は何ですか。電車が着いた後って事ですか。ホームの時計は15分丁度。でも案内板は25分東京行きとなっておる。くそ。
”一体七時の汽車に乗るには七時にその歩廊に著いたのでは間に合わぬ様である。駅の時計の長針はかちっかちっと大きく動くのでそう云う恨みが残る。あわてて改札を通り歩廊に出る階段を昇る。階段の途中から歩廊の時計が見えた。まだ何秒か前である。よかったと思って馳け上がった拍子に汽車が動き出した。怪しからん話だと思って時計を見直すと丁度七時になっている。針が跳ぶ様に行くからいけない。又鉄道で七時の発車と云うのは、七時になったら汽車が出ると云うのではない。七時になると同時に汽車が動くのである。その時はもう私が乗ることは出来ない。右の事を私はべそを掻きそうな気持ちで経験した。” 前の夜に百鬼園先生のンな文章を読んでこのオヤジはアホじゃなどと思っていたのだが実はワシもアホじゃった。てか早くもピンチ。10分後の電車と言う事は到着も10分後であろうし前の電車から新幹線までの乗り継ぎが12分だったという事はそれが2分になると言う事である。ワンチャンスはあるけど薄いよなあ。まあ仕方が無い。乗り遅れたら東京駅か越後湯沢から客先に電話して遅れる旨伝えてもらおう。と、そこで気がついた。客先の電話番号を覚えていない。もちろん携帯などという端たなくも卑しい道具は持っていない。かなりピンチ。しかも今日の用件と言うのが正体不明のバグ修正でどう考えてもンな事が起こるハズがないというシロモノ。全く目処が立っておらずマトモに到着してもピンチなのにこの有様。反対方向の電車に乗って熱海あたりで2〜3日パッと遊んで来ようかとも思ったが酒も飲めない身体では面白くもなさそうなので却下。ま、なるようになるしかないね。
と早朝から緊張の連続だったのだがここから全てが良い方に向う。まず車内アナウンスで東京駅着が11時7分という事が判明し、5分の余裕があったので乗り継ぎは無事成功。予定通りに到着し迎えの車に乗って客先へ。システムを動かしてログを見ると明らかに予定外の動作をしている。ハード側の仕様を確認させると私が持ってる資料と違っている事が判明。例によってクライアントの糞馬鹿担当がいや私も知らなくてなどと薄ら笑いを浮かべながら言い訳を並べる。ワシはちっとも悪くないじゃん。これで2度目。怒りが沸々とこみ上げて来た。馬鹿を無視して客先の担当に質問をした。 「ええと、私の見立てでは先ほど説明した通りの相違があると思うのですが、あれで間違いないでしょうか。あと、この辺でもやっぱり人を殴ると犯罪になるんですか?」 客先の責任者のKさんがすっ飛んできてタバコを吸いに連れ出された。まあまあ。気持ちはわかるけどね。などとなだめてくれる。いえいえ。見苦しい態度を取ってすみません。Kさんというのは人柄も頭も良い人でこういう人に心配をかけるのは本意ではないのだよねえワシも。実は前の夜に追加処理の話も聞いていたのだが、糞馬鹿担当のためにタダ働きをする気は無いので見積もりを寄越せと突っぱねていた。15分でできるんだけどね。Kさんには申し訳ないのだがその件は政治的にできませんと謝る。すべて糞馬鹿担当がイカンのだ。ああ腹の立つ。
7時過ぎの新幹線で帰る。大船到着が10時過ぎ。クタクタに疲れたので久々にラーメンを食おうと天下一へ。こってりとあっさり、どちらにしますかと聞かれて驚く。何じゃそりゃ?と2秒ほど考えた。
1.いつものヤツがあっさりで、もっと濃いヤツも始めた 2.いつものヤツがこってりで、アレの薄めのを始めた
1だったらワシには食えんと判断しあっさりを選択。でもあれより濃かったら固体になっちゃいそうだよなあ。で、出てきたのはフツーの醤油ラーメン。不味くはないがこれなら天下一じゃなくても食えるよなあ。ちょっと失敗した気分。寒い日にでもまた来ましょうかね。
今週は暇な予定だったのに。 というワケで出張2連発。考えただけでウンザリ。おまけにそのうち1回の納期限が2週間しかないらしい。やれやれ。プランは結構前から出てたんだけどねえ。もっと早く始めてくれれば余計な苦労せんでいいのに。ハァ。やれやれ。
内田百間の冥途と立腹帖を読了。やっとちくまを揃えてるお店を見つけたのでしばらくは楽しめそう。てか本読む暇くらいくれよな>客先
オーストラリアGPはホプキンス7位クリス8位とスタート順位からしたら上出来の結果。惜しいねえ。もうちょっと前でスタートできてれば・・・と思うのだがどうなのかね。残りあと2戦。もういっぺんくらいお立ち台、というのは無理かねえ。
というワケで明日のオーストラリアGP。ホプキンスが14番クリスが16番という惨状。一時期の好調は何だったんだ。ストーナーが3番、カピロッシが5番に入っているのでタイヤのせいというワケでもなさそう。マッチングという事はあるとしても、だ。開発が他メーカーに追いつかないのか、開発の方針自体が間違っているのか。何だか知らんがあまりにもひどい。誰か何とかしてくれ。
2007年10月11日(木) |
やっぱり氷殺ジェットが欲しいねえ |
またまたムカデ登場。寝室の、しかもベッドの頭に近い場所。あ〜恐いお〜怖い。気付いたから良かったもののアレが夜中に顔の上にポトリなんて事にでもなっていたら。もう失禁モノざんす。確実を期すべく残り少ない氷殺ジェットを投入し無事退治。10cmちょっとくらいだったから最大級ではないけれど、場所が場所だけに実に恐ろしい。しかもベッドルームにはペットのケージがあるので毒性の強い殺虫剤は使えないときている。ムカデはペアでいる事が多いなんて話もありやがるので、相方が出てくる可能性もあるんだよなあ。ハァ。氷殺ジェットが切れちゃったらどうしましょうかねえ・・・
南極料理人の悪ガキ読本−西村淳を読了。この人の本は実に面白いのだがひとつ致命的な欠点がある。読んでいると腹が減ってくるのだ。ワシが本を読むのはだいたい寝る前の数時間。この人のせいで何度夜中にラーメンを茹でたかわからない。非経済的であり非健康的であり翌日の寝不足を考えると非生産的ですらある。でも面白いから止められないんだよね。困ったモンだ。次は保安庁の話なんかも読んでみたい気がするけれど、さすがに現役となると面白おかしくというワケにはイカンかもね。秘守義務もあるだろうし。何でもいいから早いトコ次を書いて頂きたいモノであります。
まだ32だったんですね。信じられん。勿体ない。何と言って良いのかわからん。U禁の場所でUターンしてバイク乗りを轢き殺した運転手を「さん」付けて書いているニュースにも腹が立つが(毎日、お前だ。左車線から転回している馬鹿に右車線からどうやって「追突」できるのだ)運転手にはもっと腹が立つ。後方確認しなかった以外に何があるちうんじゃ。くそ。こういう馬鹿にバイク乗りは日夜命の危険を覚えさせられておるのだよ。頼むから、頼むから、 た の む か ら これからは決して、馬鹿には免許を与えないで頂きたい。 とはいえまだ信じられん。1分間黙祷。
一昨日の釣り以降、今度は爆睡の日々。こりゃ疲れとかそういうのじゃないねもう。ずばり、ストレス。だと思うのだがもしかして更年期障害かも、と思ってしまう悲しいお話。
起きたら1時。寝たのが3時だったので10時間睡眠。前の夜は12時間寝たので48時間中22時間寝ていた事になり実にモッタイナイ。それで疲れがとれて頭も身体もスッキリとなればまあ良いかとも思うのだろうがそういうワケでもないのだよねこれが。何とかせにゃ。 友人が遊びに来て昼飯を一緒に食べてから駅まで送って行った。ついでに駅ビル内のユニクロへ。一昨日のボートが実はけっこう寒かったのよ。特に夜は冷えた上に小雨もパラつきやがりまして軽い風邪気味になったりもしたし。というワケで濡れても大丈夫で暑過ぎないジャケット、さらに最悪のパターンで魚汁漬けになり廃棄処分になってもあまり痛くない値段の裏地付きのウインドブレーカーなんかがあると良いなあと探しに来た次第。これはもう、ユニクロしかないでしょ。知らんけど。
恥ずかしげもなく特価品を漁る。だってねえ。釣り用だからねえ。薄い中綿が入った撥水仕様のジャケットを発見。色は黒。海の上で着る事を考えるともっと派手な色にして欲しいところではあるが、そうすると陸の上で着るヤツが誰もいなくなってしまうのだろう。ま、千円では文句も言えん。ひとまわり大きいXLサイズを選ぶ。釣りもバイクも(バイクでも着る気か?)腕を伸ばした格好をする事が多く、丁度良い長さでは短い事が多いのよね。というワケでレインギアなんかはけっこう互換性が高かったりする。どっちもデザイン派手だしね。まあンな事はどうでもよろしい。大の大人がジャケット買って千円ポッキリというのもちょっとハズカシイがそれも気にしない。これで暖かく釣りに臨めると意気揚々とレジに向う。30秒後に悲劇が待ち構えているとも知らずに。
レジにいたのは若いオネーチャン。ハタチくらいかねえ。テキパキとジャケットを畳みながらこれカッコイイですよね、などと話しかけてくれる。うん、そうかそうか。服選びのセンスは端数なしの0.0であるワシにとっては実に心強いお言葉。もちろん営業も入っているのだろうがそれでも悪い気はしない。それじゃあ普段も着て歩いちゃいましょうかね。満足げなワシを見る可愛らしい顔に爽やかなほほえみを浮かべつつ、次のひと言で彼女はワシを殺した。
「私もお父さんに買っていったんですよ」
・・・ワシがまだ子供の頃は今ほどスキー人口は多くなかった。ゲレンデからの帰りはスキーを担いで薄暗い道をトボトボと歩いたものだった。疲れ切って足を止めると周りには誰もおらず、夕闇に包まれながらも白く浮き上がる景色にただ風が吹くばかりであった。かいていた汗が瞬時に引き、身体の心まで凍るような寒さに震えた時、物音ひとつ無い雪原をキーンという硬い音が渡ってきたような、そんな気がしたものだった。
その音が今、ワシの脳を右から左へゆっくりと通り抜けて行った。脳波は瞬時に停止し、目は天空にひっそりと、しかし確実に存在する死兆星を捉えていた。ハァ?お父さん?とても安らかな場所のある川の向こうに渡ろうとし始めた瞬間、激烈な怒りと共に意識が蘇った。くそ。お父さんかどうか思い知らせてやるわいと叫びつつその場に押し倒してやろうかとも思ったが最早そういう気力も残っておらす、震える手で千円札を渡し逃げるように店を出た。 そりゃねえ、花の独身とか言ってたら強がりだと思われて親切心からED関係の病院か、でなきゃ2丁目に連れて行こうとするヤツが現れかねないトシではありますけどねえ。お父さんはないでしょお父さんは。結婚指輪もしてないしさあ。トシだけで言えばハタチの娘がいないほうが不思議ってなモンではあるけどさ。それにしてもねえ・・・
何がイカンかったのかなあ。やはり着るモノがオッサン臭かったのかなあ。でも見える範囲は靴以外は全部ユニクロだったんですけど。それがイカンかったのかなあ。もうちょっと小洒落た格好でもしてみましょうかねえ。遊び人の危ないオッサンと思われたほうがまだマシだもんなあ。ハァ。寒い。寒いよ。暖かいジャケットも心までは温めてくれないモンなんだなあ。
てかここんトコずっと不眠気味。 ま、全然眠れないワケじゃないんだけど、先週の箱根の夜に爆睡して以来毎日2時間くらいの睡眠時間が続いていた。で、この日は5時起き。例によって完徹。ややモーローとしつつマリーナへ向いU氏と合流。U氏のご友人のS氏も一緒。私は初対面だがジギングが異様に上手いという評判なので竿捌きを拝見するのが楽しみ。
ここ数日は回遊魚の良いウワサを聞いていないので、今日は鯵鯛など食べて美味しい魚を狙う予定。当然、鯛ジグだのサビキだのというモノも用意されている。ゲームフィッシングではないが久々の鯛飯の誘惑の前にはどうでも良いことである。横須賀〜久里浜あたりの目ぼしいポイントを探りつつ竿を出す。S氏は実に無駄の無い動作で釣りをされる方。自分が如何にモタモタしてるかよ〜くわかったが、まあ遊びだからいいよね。そのS氏の鯛ジグに一瞬反応があったが食い込まずそれっきり。U氏も私もカスリもせず。嫌な予感が膨れ上がってくる。
実際、条件はそうは悪くない。潮は長潮だが動いているし風もそう強くない程度に吹いている。やや波っけはあるものの釣りがし辛い程でも無いし水の色も実に綺麗。あまり東京湾っぽい色ではない気がするが。試しになめてみると、何じゃこりゃ。全然塩辛くないんですが。満潮時の霞ヶ浦のほうがまだショッパイぞ。雨が続いていたワケでも無いし、だいいち雨が降ったらもっと濁るモンだ。そういえばずっと前に仕立てで相模湾に出た時に同じような海だった記憶があるのだが、その時に釣れた記憶は全く無い。
久里浜で初のアタリ。でもベラ。10cm。U氏に同じくらいのカイワリ。こりゃアカンという事で最初のポイントに戻る。魚探に反応があったのでサビキを下ろすと今度は小サバ。ど〜なってるのいったい。全員欲求不満。引く魚を釣りたいという事になり本牧へ移動してシーバス狙い。マイボートはフットワークが軽くてよろしい。でも魚は不発。今日はこれまでか、と諦めかけた時に堤防の裏手で遊漁船を発見。鯵のようだがって釣れてるじゃないのよ一家でバンバン。何でこんなところで。それを知っている船長はさすがと言わざるを得んね。さっそくご相伴に預かる。サビキサイズだがポツポツと釣れ続ける。結局、暗くなるまでここで粘って納竿。釣果はひどいモンだったけど、やっぱりボートは楽しいね。
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