今月の初めに次男を出産した。
平日は母が泊りがけで家事や長男の世話をしてくれている。 「これもやってくれたら助かるのに」と思うことや、 「これはこうして欲しいのに」と思うこともあるけれど、 助かっている事の方が多いので心から感謝している。
お茶をしながら雑談したり、 彼女の前で笑顔を見せることも多くなった。
きっと、もう私は大丈夫。
そう思っていたのだけれど。
土日に彼女が一時帰宅をして。 干したままにしていった彼女の洗濯物を畳もうとした時。
指先から蝕むみたいに侵入した嫌悪感が体中をすっぽりと覆った。
体の奥深くにある黒いシミは消えたわけではなく、 上から色々なものを被せて見えなくしていただけ。
「私はあなたを厳しく育てたけど、邪険にしたことはないわ」
何もかも。 終わったどころかまるで最初から無かったみたいに、 彼女がそう言いきった時など。
そのシミが思い出したかのように。 忘れてはいけないと言わんばかりに疼く。
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