みたいな集まりがあったので、興味本位で出かけていったら下っ端と言う事でいろいろと下働きをさせられた。いやそんな事はどうでも良い。
雑用からの帰り際の夜遅くに、今年から社会人になった一年下の後輩たちと「観覧車に乗ろうぜ!」と意味も分からず盛り上がり、なぜかみんなで観覧車に乗ることになってしまった。言い出しっぺは間違いなく自分だが、そんな事もどうでも良い。
勢いだけで乗り込んだ連中を乗せて小部屋はのんびりと動き出した。
「なんだか、初めてのデートみたいですね」と、後輩が苦笑いしながら呟いた。暗闇の中にただ広がる海とその海岸線に沿って線状に伸びる光。ビーチでは巨大な扇風機がゆっくりと回っていた。我が物顔で街を歩く異国人がだんだん遠く小さくなっていく。他に夜遅くから観覧車に乗っているような物好きはいなかった。
登りつめるその前に小さく開く窓を開けると海からの突風が舞い込み小部屋はぐらりと小さく揺れた。海の反対側をふと見ると、遠く続く暗闇の中に我が国に居座り続ける他国軍の基地がどこまでも広がっていた。
(*)観覧車の写真はこちら
大学の頃は本当に楽しかった。それは現役大学生の頃から自覚はしていた。もうこんなに楽しい時間を過ごすことはないだろうなと。もうこんなに頭のいい連中と過ごすことはないだろうな、と。その予感は今の所的中している。夢のような日々だった。
今はあまりにも疲れきってしまった。ある程度予想はしていたが、こんなにストレスフルだとは。愚痴を言っても始まらないが、本当に疲れ果ててしまった。満足に睡眠もできず、身を削る日々が続く。今一度望みが叶うならば、昔の友人達と時間を忘れて飲み明かしてみたい。分かりきっていた事だが、本当にあの頃は幸せだった。人生で最高の時間だった。
みんな苦しんでるなー。がんばれーと言いたい自分がやばい。今になって要領の悪さが裏目に出ていると思うよN君。
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