Stage Diary
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Yoshimi.Aが観た舞台の感想です。
レポートではなく感想だけを載せてたりすることが多いかも…。(^-^;


2003年03月29日(土) 『Freddie〜少年フレディの物語〜』

『Freddie』…あの、『葉っぱのフレディ』のミュージカルです。

主演は島田歌穂さん。あの、エポニーヌの歌声を忘れられずに、チケットを取りました。
もう、今年は島田さんのエポニーヌじゃないからなぁ…。
それから、演出が忠の仁さんだったということもあります。<私はタナボタ好き。
『貧血鬼ドラキュラ』で魅せられて以来、コンサートやコメディじゃない作品も観たいと思ってましたが、ようやく、その念願が叶いました。
(忠のさんは面白そうな作品の演出ばかりやってるけど、なかなか名古屋に来てくれない…)

去年、名古屋でも上演されていたのですが、去年は上演されていたのを知ったのが、直前だったので…結局行けずに悔しい思いをしていたので、リベンジ!

でも、それだけの興味に留まらない、いいミュージカルでした。
哀しくて、優しい…素敵なミュージカルだったので、この日、もう1つ大好きな演目が増えました。

舞台には4枚の楓の絵が掛かっていて、順番にスポットが当たって舞台は始まります。
若葉、青葉、紅葉、枯葉…それは巡る季節と共に、命の巡りをも象徴しています。

わんぱくな少年、フレディ…でも、原因不明の頭痛によって入院生活を余儀なくされて……などということはベストセラーになった本なので、ご存知の方も多いと思いますが、本当に泣けました。
舞台が終っても涙がなかなか止まってくれなくって困りましたが、こういう涙というのは心の中の澱まで流してくれるので観終わった後の気分はとてもいいです。
CDにもなってましたが、そんなものの比じゃないくらいの感動でした。

前半でフレディが元気な姿を見せていればいる程、後半元気のなくなっていく姿が痛々しくて…。
命というものについて深く考えざるを得ない作品だと思います。
どうしても、身近な人や家族の死を思い出してしまい、自分はその人達が残してくれた思い出の分、何かできたんだろうか…その心に残せるようなことがあったんだろうかと考えずにはいられませんでした。
でも、全然難しくはないんです!
シリアスなところはシリアスに、でも、笑えるところは思いきり笑えます。
とくにフレディがスターツアーズのごっこ遊びをはじめるところは、ちょこっと『自分でもこっそりベッドの上でやってみようかな…』っていう気分にさせてくれました。(^-^;
(注:やってないですけどねー!)

ごく自然に舞台からの息吹が入ってくるので、自然に惹きこまれていってしまいます。
フレディのことを気遣うパパとママも、こう…とても役にしっくりとしていて、いい雰囲気でした。
ただ…パパが……佐山陽規さんなので………どうしても大原部長(byこち亀)を思い出してしまって……笑ってました。(^^;
だって、あの声が…あんな役をやってらっしゃる方がしっとりとした歌を歌い上げるなんて
…ギャップが可笑しいじゃないですか。
や、パパは本当に役に合ってていいカンジでしたよ。ママも美人だし…。
ダニエルもクレアも看護婦さんもそれぞれの雰囲気に合った役だったので、とてもいい舞台でした。
ただ、アルフレッドの杉江さん…面白いんだけど、子供というには無理がありすぎ…。
面白かったし、ノリノリ(笑)で演じてらっしゃいましたが、どうしてもこう…笑いが噛み殺せないというか…堪えるのが大変でした。
(大原部長は最初から堪えるのを放棄してましたけどね…)

島健さんの音楽もすごく優しく繊細なメロディで…でも、何処か憂いを帯びていて、切なくなります。それに、ピアノの『音』ではなく、『声』とでも呼びたいくらいに情感溢れる演奏も素敵なんです。
『いのちの詩』なんてそりゃあもう凄くいい曲でした。
リプライズされていたシンプルな演奏がとくに好き!
それに、山川啓介さんの詞もとてもシンプルな言葉ばかりを選んであるんだけど、それだけに強く心に残る詩でした。

〜ある日僕がこの世からいなくなってもきっと命は残るだろう 誰かの中に
 それは思い出 それは愛 僕のぶんまで生きる力〜

本当は、こういうところで引用しちゃいけないんでしょうけど、ここの部分を歌っているときのダニエル君とフレディ君の雰囲気がそりゃもう素敵で素敵で素敵で……
どうしても『ここが好きだ〜!!』と叫びたかったのです。

役者さん7人の小さなカンパニーだけど、観劇後の心にはどんなにも大きなものが残りました。
2000年の初演から、今年の東京公演で100回を迎えたそうですが、1000回といわず、
もっともっとロングランに上演して欲しいミュージカルだと思います。
2004年には海外公演もあるようですが、本当に頑張って欲しい。

和製ミュージカルは今まで、『グランドロマン』をうたっていても、学芸会に毛が3本〜(笑)程度にしか思えないものが殆どでしたが、『Freddie』は…というか、『Freddie』なら、日本発のミュージカルと胸を張って言える作品です。
主役のスターだけ煌びやかに輝いていればいいのではなく、脇の誰一人として欠けてもダメな舞台だから、そのハーモニーがぐんと活きていて…より強く心に訴えかけるのでしょう。
海外でも、ロングランで上演されているのは、そんな作品ばかりだから…どうしても『Freddie』には期待してみたいし、ライフワークになってくれたらいいのに…と思わずにはいられません。
多分、これから毎年、上演されるたびに通いますね。

それから、客席にお子様連れの方が意外に多かった気がしますが…小さな頃からこういう舞台に接することができるなんて、とても羨ましい限りです。
うん。でも、こういう現象こそ、これからの日本に必要なものなんでしょうね。







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