:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2004年12月18日(土)  病状

失うことを畏れないで
わたしは一体何を畏れたら良いのだろう
 
夜半 あなたの知らない行動を
わたしが取り続けて居ると知ったら
それは あなたへの復讐と云えるかしら
 
肩を並べてあからさまに顔をしかめて
わたしを無視するのはやめて
わたしはそこで彼女に微笑みかけるくらいの余裕があるわ
 
わたしの足首を賞賛した男は
きっと その時だけは最近愛想の欠片もない
アルコール依存症の妻を忘れてしまって居たのね
わたしは 代用品?
 
違うと答えて もっと丁寧な扱いを
価値を知らない人の声に 惑うのは止して
呼吸を紡いで 昨日はまだ生きていたから
 
明日がもう 見えないのなら
素直に眼を閉じて 3秒
 
ほら 何か変わった?


2004年12月13日(月)  強迫症

水苔が シミが 何もかもが気になって
全然身動き取れないの
夜 寝ようとするといつもそう
 
始めは在り来たりな小さな考えから始まって
それがどんどん膨らんで
もう 薬なんか意味を為さないの
一人きりで寝ると 何時もそう
 
何も考えられない位に
眠気がやってくるまで
あたしはそわそわしたまま
何か忘れてる気がして
気になり出すと膨らみ出して
息ができないから薬を飲んで
紙袋で口を覆うの
 
それでも全然止まらなくて
寧ろ酷さは増すばかり
助けを呼ぼうにも 誰もが寝静まっている時間で
ひとり落ち着くのを待つしかないの
それは 暗くて寂しい作業
薬を何錠飲んでも 大した変化はなくて
だからあたしは 丁寧に排水口を磨き
カーペットクリーナーをかけて
止むことなく タバコばかり吸っているわ
 
朝日が昇る頃眠くなるから日常生活は 上手く機能しなくなるばかり
 
判って居るのは 誰のせいでもなく
あたしが何かを気にかける
そうして止まなくなってしまう精神病質者と云う事だけ
結構な苦痛なの
 
気にかけまいと思うほど面白いほど気になり出す
夜毎の 半分馬鹿げた強迫症
 
それのせいでいつも予定が狂っていくの
ドクター 筋肉注射が欲しいのよ
ぽっくり闇に落ちる麻酔でもいいわ
とりあえず 正常を
戻してくれさえするならば


2004年12月10日(金)  廃棄サレタ胎児

判って居たのに 縋り付いたら跳ね付けられると
あたしは始めから判って居たのに
どうして云ってしまったのだろう
全ては便利になった機械みたいに
予測し それを事象に発展していた筈なのに
あたしの内部のある部分が腐敗し
そして滴る汚れた液体は
白いシーツを汚す
 
記憶は閉じて焼いた
厭だったから閉じて燃やせるゴミの日に出した
判らないと混乱しながら
求めた温もりに近い物すら
あたしがゴミ箱に放り投げた
 
たぶん 君のせいではないんだ
此の夜がこわいのも 此の夜を逃亡したいのも
 
全てはあたしの生み出した幻想
あのとき胎内に蠢いたアレを
切り捨てたあたしへのささやかなる罰の調べ
答えを 用意させて
あたしはそれを選んだ
答えを 常備していてあたしはそれを嘆いた
自らの罪すら償うことも叶わない
 
罪悪は何かを許すことに繋がるわけなどないと
判りきっている
だから 嘘を吐いてまで
平気に笑えたあたしは醜い
 
たぶん 此の世の何よりも
果てしなく 醜い
 
償えない罪を 所持したまま


2004年12月07日(火)  安価薬

広げたノートの端に化学結合
絡み合う六角形や五角形
けれど化学記号HOが何なのかさえ
あたしは低脳を晒すだけ
小さな頃落書き帳に描いていた人間関係の相関図に似ている
 
知識をまともに得ないまま
何かしらをひけらかしている自分は とても無様
気付いたらまた口の中を噛んでいて
鉄に似た匂いのない
少し癖のある液体が舌にかかるの
あたしの状態は下がるばかり
ねえ 不安を拭える物は
この世には薬だけしかないのかしら?
 
レキソタンを何錠も舌の上で溶かして遊ぶ
新しい遊びはまだ広まっては居ないらしい
一錠たったの約8円が舌に乗って
仄かな甘苦さを置いていっている
 
最早 真実等に興味が無くて
此処に来たあたしの素性を誰も気にかけたりしないで
 
清潔にあたしを汚して
身体のどこかに目安になる様な印をどうぞ
 
最後に残るのは きっとあなたじゃ無いことくらいは判っている
 
殺されたくても死ねないみたいよ
笑って さあ賞賛をいつまでも続けて
 
酸化を遂げてしまうより先に


2004年12月06日(月)  ウソツキコムスメ

突き詰めて考えては駄目
あなたの真理をあたしの頭は知り尽くして居る
震える理由が寒さなのか存在し得ない温もりなのか
さあ 此処に真実を配列してあたしの目の前を埋め尽くして見せて
 
運命という嘘をあたしはあなたに吐き続けて居た
信じて 同情して そして動じて
あたしを抱いて欲しいと願う虚言癖と其の正体
許しを請う程重大ではないわと
目を背けていた現実と
暴露され全面的に曝されたあたしの嘘に
呆れた表情と嫌悪を示す
其の顔をきっとあたしは忘れはしない
「棄てないで」と云う哀願と涙が
果たしてあなたを引き留める
ひとつの手段となったのか
真実(facts)と嘘(lies)の差を
あなたの其の意識で示して見せて
 
治る事の無いあたしの虚言症を
其の憎しみだけを深く埋め込んだ
透けた眼で睨んで良いよ
 
総ての嘘(lies)と真実(facts)は
複雑に絡み合って
解く事等 もう出来やしないから


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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