:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2003年10月31日(金)  ひとりあそび

固執すべき理由や観念など
何処にもないということと全く同じだというのに
私が何に縛られているのかを考えてばかりいた
 
対義語を並べて遊んでいた
妄執から逃れるたびに開発したひとりあそびは
涙も出ないくらい残忍な声がした
 
温度を此の手の平で感じること
それが私の全てになりかける事は
泣きたいくらい悲しすぎて笑った
時々感じる孤独や疎外感が嘘八百で
誰も信じる事などなく 泣き顔を晒す
 
弱い事は何時か私の武器となり何時か何かの強さとなろう
弱さを曝け出す事を強さだとは思わないとしても
誰かの背中に甘えて泣ける夜明けを
ゆっくりと立ち上る煙草の煙の中で憶えていよう


2003年10月30日(木)  人殺し

昨日人を殺しました
とても良くしてくれた人でした
 
些細な喧嘩がどうしてあのような事になったのか
理解する事も 結局容易ではありません
 
昨日人を殺しました
とても大切だった人でした
 
吸いかけの煙草を置いた硝子の灰皿を掴み
あなたの脳天に振り下ろした時のあの説明しがたい衝撃
 
あなたが最後に漏らした低いうめき声が
射精の時のあの声と寸分変わらなかった事が嬉しく思います
 
昨日人を殺しました
とても大嫌いな人でした
 
絡みつくような視線が本当に此の肢体に絡みついた時から
きっともう 全ての覚悟を決めていたのです
 
昨日あなたを殺しました
 
大きな青空が あなたの死を持っても何も替えはしなかった事が
とてもとても それはとても大きな安心だったのです


2003年10月29日(水)  奇形

歪な形をして居ます
慰められても動じません
許す事等常日頃 笑う事等容易いでしょう
 
涙腺の様に怠慢です
感じられたら笑われます
生きる事等常日頃 何時もの様な空模様
 
嗚呼
妖しさを増す三日月が僕を殺めにやって来ます
迸る鮮血の様な三日月は息を潜めて何かを探る
嗚呼
言葉の様に不明確な伝達手段が存在して居ます
頑丈な玩具の様な裸体が時に残酷さだけを語り出す
 
弾け飛んだ釦 鋼の様な夜更け
 
何れかが何れかを連れ去ったその時
歪なものは産声をあげて 遠くへ離れて逝くのです


2003年10月28日(火)  致命傷

砕けても良かった あたしの全てであなたを守って居たかった
 
離れ始めた時の彼方に用意されていたものは
皮肉な笑みを始終浮かべたまま
答えなんて本当は何処にもないということを
知りながらでも探して居たくて
 
離れながらまた近寄って
此の距離を保って居れたら良かったのに
あたしの全てをあなたに注ぐ
それはあなたの負担となった?
あたしの目も、耳も、唇も、すべてあなたに捧げて居たかった
離れすぎて近寄れなくなり
此の距離が致命的なものとなり始める
あなたのために捧げたものは自己満足にしか為り得なかった事を知った
 
崩れても良かった あたしの全てがあなたの負担に為る前に
壊れても良かった あたしの何かがあなたを崩してしまう前に
 
触れなければ良かった
其の手の平にも、其の背中にも


2003年10月27日(月)  病室の隅

這い上がれば良いのでしょうか
 
鎖に巻かれた身体を山茶花の中に埋もれさせ
枯れた桜の枝は 私を見捨てたようにそっと嘆いた
 
時間に縛られた鴉が打ち落とされる事だけを望み
平和の契りを結んだ 鳩の肉は腐乱し始めている
 
何処から狂わせてみようか?
肺の中蠢く無数の虫が 偽りの声を響かせる
何から惑わせてやろうか?
狂ってしまった思想で誰かの頭脳を毒してやろう
 
這いあがれば良いのでしょうか?
 
落ちるだけ落ち続けた此の谷底には
希望も 絶望ですら見出せないような深い闇が透き通る
 
編み出しかけていた何かの手がかりさえも無くし
道端で枯れはじめていた全てに冬の光をばら撒いた
 
何処まで狂っていこうかな?
脳の中這い回る無数の空想が 偽りの言葉に変換させる
誰ですら理解はできないだろう?
そこはかとなく気付いたある種の絶望は
圧倒的希望を残して 夜空を殺めに出かけていった


2003年10月26日(日)  火葬場

近付きすぎたことがそもそもの失敗の原因だつた
わたくしは支配から逃れさせても貰へず
かと云つて逃れようとする事もなく
その場に蹲つて居たようなので
 
と云ふのも記憶が定かではないのが事実であります
多分と云ふ言葉を使う事は好みませぬが
多分わたくしの内には虫が住み着いており
其の虫がわたくしにとつて都合の悪ひ事情を
旨いものであると勘違いをし さふして記憶を蝕んでいるのでせふ
 
何時かあなたが答へを濁し
濃すぎるココア等を滑稽に飲み干した事がありました
あの時分からわたくしはあなたに於いてのある程度を
見抜いていたと論ずるのは あなたにとって誠に不平でありませう
何時かあなたが聡明な瞳を
閉じたままにそれはもう開く事が無くなつてしまう時が来るのです
其の時分わたくしは如何して此処に留まる意味がありませう
あなたの云ふ「透明な石膏像」と化してしまつたあなたに
最早わたくしには ひとつも縋るやふな事情は御座いませぬ
 
「さようなら」と残して
高く高く昇る細長いあなたの足首のやふな煙を眺めること
それ以上に 恍惚を憶へるやふな景色が此の世には二つと無いのです


2003年10月25日(土)  空虚な声音

いつもいつも探していたんだ 失う事が怖かったから
大事なものを失った後に 人はまた一つ大切なものを得る事がある
 
たぶん
ひとりひとりが「大切」だと思えるものには
ひとりひとりが違うにせよ許容量があって
それを極端に増やしても それが極端に減ったとしても
バランスの取れない仕組みになっているのだと思う
 
いつもいつも望んでいたんだ 探す事が出来ないまま
何度も何度も呼んでいたんだ 声が遠くにとどくように
 
きっと
ひとつひとつに「名前」がある理由は
ひとつひとつを認識する手段でしかないんだ
ひとつひとつの「名前」に意味があっても
ひとつひとつは「名前」から造られた架空の意味なんだと思う
 
いつか僕らが見つけたら 大きな声で君の名前を呼んでみよう
それらはきっと 限りなく空虚に響き渡る筈だから


2003年10月24日(金)  ハルシオン

春のような眼差し 眩しさに目が眩んだ
私の後をつけてくる影は 私の妄想なのだろうか
 
四ノ刻を越えて 遠い海原へと進んで行ける
これらは輒ち妄執であり 捉え処のない解答
 
音と釧 同じ意味を持つように思えない言葉
どこかに何か意味があるなら 何にも固執しないだろう
 
春 四つの和音が私を眠りに誘っている
ふわりと浮かんだ空想は ぐらりと揺れて夢と化す
 
懐かしい春 四和音で奏でたメロディ
四弦の低音には 春がよく似合う
 
私の後をつけてきた春は 私が追い払った影に良く似ている
四つん這いになって逃げられもせず
泣き声で音楽を形成していた あの頃


2003年10月23日(木)  悲観的未来論

悲観する事を覚えた夜は 遠い昔の記憶に埋もれる
傍観すべき情と云うものは 何かに流され形成される物ではない
 
何処かで誰かを傷付けて
何処かで誰かを救えていたら
何時かは涙が灰色に変わり
私の地面を濡らすだろう
 
教育されたことは私の中の何を形作ったろう
 
悲しむ人を横目で見ながら喜ぶ人を侮蔑した
蔑む視線を背中に感じ哀れむ事を覚えた夜
 
何処でも自分が傷付いて
何処かで哀れみを望んでいたら
何時か誰もが笑ってくれず
私の地面は揺れただろう


2003年10月22日(水)  存在意義

時々思っていた
 
あたしなんか小さすぎて見えないくらいの存在でしかないから
きっと誰も気付く事無く あたしを踏み倒し 通り越すのだと
 
常々信じてた
 
あたしの様に「誰かに守ってもらう事」に値しない人間は
自分で自分の身を守る事でしか 生きる術がないのだと
 
そして見出した筈の存在意義は今では何処にもなく
毎日 充てもない思考錯誤にだけ明け暮れているだけ
いつも繋がっていたかっただけのあなたには
あたしはただ 繋がる術を持つものを求めていただけなのだろう
 
時々感じてた
 
あたしを必要とするものは多分此の世には存在しているけれど
きっと必要とされるほどにあたしは何も持ち合わせていないと
 
常々笑ってた
 
泣かない様に守った笑顔がどこかに続く掛け橋にもなれなくて
見付け出したかった筈の明日は もうとっくに過ぎていた
 
そして探していた筈の存在意識は芽吹いた華の中で掻き消され
ケラケラ 充てもなく右往左往する事だけに没頭している
いつも痛みを取り除いていてくれた筈のあなたは
あたしに最大級の痛みを植え付け どこか遠くに消え去った
 
コダマする笑い声が 泣き声に変わる夜


2003年10月21日(火)  空と通じる線

蝿の羽音が煩い
冬になるまで生きてきたのろまな蝿の高鼾
 
真っ黒いブーツが履きたい
下らない過去に執し続ける人達が行進する街並みを
掻き分けて黒いブーツで闊歩しよう
 
ねえ 元気ですか?
僕の声は聞こえるのかな
あの時痛かった空は見えて 強がってばかりいた僕を映す
ねえ 聞こえますか?
僕のように待っているかな
寂しかった時に離れることを強く望み続けたから
僕の感情の線はもう 空と通じてはいない
 
真っ白い羽が欲しい
背中が痒くて掻き毟った痕に出来た傷から
いつか羽が生えたら笑える
 
ねえ 笑ってますか?
君の隣は空いているかな
あの時観たがった海は黒く 僕らの影を落とさず波打つ
ねえ 届きました?
ずっと狙いを定めていた弓矢が 貫いたのは僕じゃなかった
ずっと捜し求めていた優しい人に 僕はなれなかった


2003年10月20日(月)  病人気質

気分爽快?笑わせてくれるな
僕の気持ちも知らないで
傍若無人?それはお前だろう
僕の言葉も聞かないで
 
死にたければ死ねばいい
…そんな無責任な言葉は云えない
そしたらきっと君はホントウに死んでしまう
 
僕を残して行ってしまう
僕のての届かないくらいの遠くに君の塊があって
ずっと触れたくて触れたくて試してみていたのだけれど
君の塊はハリネズミみたいに刺々しく自分を守り
誰にも触れられなくなっていた
 
死なないで
僕を置いていかないで
死なないで
ナンデモイイカライキテイテ


2003年10月19日(日)  まだらな夜

ぐちゃぐちゃに絡まってた
先端は蛍光ピンクで 気持ち悪い
暗闇で光るのは 毒を持った歯牙みたいに恐怖に刈られる
 
どうしたんだろう
それから先の記憶が無い
口先だけがぱくぱく動いて 誰かの言葉が聞き取れない
口先だけがパクパク動く誰かは人形みたいで気持ち悪い
 
マリオネットが不憫だと思う
拘束された時間のなかでそれでも立派に役目を持って
苦悩とも後悔とも無縁の心を持たない無機物を崇めてた
 
掻い摘んでみた
鮮明なまでに甦る
明日の夜はまた同じものを作って笑うかな
明日の夢も変われずに遠くに恋して消えるかな
 
夏草も枯れ果て 乾ききった咽喉も乾ききったわたしも
はらはらと纏っていた
舌の先端がうすみどりいろ 吐き気がした
暗闇に映えるのは 時々崩れかけている理性なのかな
 
忘れてしまいたい だから
わたしは忘れた振りをした
忘れてしまいたい だから
わたしに忘れる魔法をかけた


2003年10月18日(土)  夜の戸張

声が聞こえる
小さく弾けるようにわたしの網膜を刺激している
緩やかな声が急に速度を増した
 
…吐き気がする
 
暗闇の密閉された空間に漂う
ヒト、ヒト、ヒト、
 
叫びたくなる
戸惑いは罰としてわたしの手足を縛りつけた
心臓が壊れた音でメトロノームになる
 
…吐き気がする
 
薬をばら撒いて 飛び出したらきっと叫び出す
叫び出して 泣き止めなくなったらきっと縋り付く
 
個人を所有する事なんて 出きる筈が無い
個人を独占するなんて 正気の沙汰じゃあ、無い


2003年10月17日(金)  睡眠薬中毒

どうもこうも何時の間にか思い通りにはならなくなっていて
逃げ帰る事も振り返る事も前に進む事も面倒で
とにかく眠りが欲しくて ひたすらに眠ろうとしてた
 
基本に立ち返る事ですら上手く出来なくなっていて
人込みの中に投げ出されれば、呼吸すら上手く出来ない
 
どうして生きているの?
どうして生きてきたの?
何があなたを生かしているの?
 
下らない疑問がひとつ浮かんでは また一つ消えていく
 
誰も知らない場所が存在するとしても
そこで生きたいわけではない
わたしのはやさを遠くに押しやりわたしはまた笑っている
 
 
 **
 
ハヂメマッァァシテ。
今迄心苦悩あたりで、こんな風なのをかいてたんですが、
別にココロでもクノウでもない事に気付くのに約2年かかりました(遅)
気に入らなかったら追い出してくらはい。
 
よろしゅく。
HP**コーシン(詩)


2003年10月16日(木)  変わり者の定義

漆黒のネイルをあなたに差し出すわ
時が流れてもきっといつか探し出して見せるから
 
彼女には空がない
産まれてずっと空を見たことがない
彼には色がない
物心ついてからずっと世界は白黒だった
少女には夢がない
産まれてからずっとすべてが揃っていた世の中に其れだけが欠けていた
少年には時がない
誰も急かす者などなく自分の決めた速さで歩んでいただけだ
 
漆黒のネイルは遠すぎるあなたへのプレゼント
時が曇り果ててもいつか絶対探し出して見せるから
 
あの犬には窓がない
いつか遊んであげた少年が暗闇から解放してくれたからだ
老婆には声がない
産声すらあげずに生を受け生きてきた所以も聞こえない
意味があって言葉がある
言葉があって意味があるわけなどないのだ
 
漆黒のネイルに託し始めた夢はいつまでも覚めぬまま
間違えずに居られるのならいつかずっと願い続けて見せるから


2003年10月15日(水)  空はすべて

正常と云うもの以上の狂気は存在しない
 
正常が一番の狂気であり、正常が一番の凶器だ
わたしの思考が正常であるなら其れで周りは満足するだろう
周りにとっての正常は安心し得る要素となろう
 
狂気と正常の挟間が 一番の安定であり
一番の不安定要素とも云えよう
わたしにとっての正常が 周りの狂気と入れ違うより先に
わたしにとっての正常を 周りにとっての正常と摩り替えなくては
 
正常と云うもの以上の狂気は存在してはならない
 
万事は正常から産み落とされた 無論、狂気も然り、だ
正常に含まれる要素に狂気が食い込んで居るというと
「下らない戯れ言だ」と誰もが笑うだろう
 
正常と云うもの以上の狂気が存在することなど有り得ない


2003年10月14日(火)  巻き戻し

便利な世の中になりました
あらゆるものにおいて コンティニューが可能です
人の心もきっといつか巻き戻せる様になってしまうのかもしれません
それだと 便利ですね
「あの時」の後悔や「いつか」の失敗を
無かったものに出来てしまうのですから
 
然し 其れはもう人間と云う領域を踏み越えているとも
云いかえられると思うのです 違いますか?
 
築き上げた信頼や 悲しい裏切りすらもなくなってしまう
其れはもう 人間ではなく機械と同じです
きっともう 温かみとか 冷たさとか
全てにおいて 五感を必要としなくなる未来が
そう遠くなくなってしまっているのなら
 
人間に最後に残るのはきっと 冷徹という感情だけなのでしょう


2003年10月13日(月)  ヤサシイヒカリ

誰も知らない僕が誰も知らない場所に消えていく
誰も知らない僕だからだれもずっと気付かない
 
裏庭で野良犬の声がして
僕は思わず身を縮めてた
痩身の身体に 痩身の身体を絡めて
朽ちることなんて きっと出来ないのに
 
誰も知らない場所に誰も知らない僕が消えている
誰も知らない場所だけど誰かに気付いて欲しいのに
 
校庭ではしゃいでた人達が
足早に教室にかけてきた
僕は掃除道具入れに身を隠したまま
誰にも見付らない様に震えていたんだ
後悔の是空に 弁解の色即を見出して
永久を願うことなんて きっと出来ないのに
 
誰も知らないままの僕が祈り始めたら
誰も知らない場所で綺麗な色と黒鉛が昇った
誰も知らない僕が誰も知らない場所で生きる
誰も知らないままだから きっとずっと誰も気付かない
 
赤い月の中で野良犬が吠えた
思わず身を縮めた僕の背中に 優しい光りが干乾びた


2003年10月11日(土)  固執

何かに捕われて 何かに縛られて
そんな風にして生きていく事等 望んでいなかった
狂ったみたいに夜が咲いている
わたしの中の熱は生き場を失って泣いている
いつか 空高く飛んで全てを飛び越していけるのだと思っていた
わたしの背の高さの金網ですら飛び越せないわたしにも
そんな未来は 訪れるのだと信じていたのに
 
願いは弾かれた
渡せなかった手紙と一緒に炎の中で燃え尽きて
小さな声の サヨウナラ の囁きが耳を満たしてた
 
声は届かない
まるでわたし等始めから存在しなかったかのように消え失せて
遠くの空で 拘り続けていたあの存在に連れ去られてた
 
何かを固い気持で守れるのだと信じていた
幼いわたしは 風に吹かれて飛んだ


2003年10月10日(金)  金曜日

だめだぁ
頭脳も身体もそうやってそれだけの感情に食いつくされてる
だめだぁ
手首が切りたくても切れないことは果たして強さといえるのですか
 
たとえば
落ちてしまいそうながけっぷちの状況で
あなたは手を伸ばしますか?
それとも そのまま落ちますか?
 
わたしはそのまま落ちたくてもがくことすら馬鹿馬鹿しく思えているのに
どうしても 「誰か」の顔が 「誰か」の伸ばす手が
頭の隅に固執して離れなくて 手を伸ばすことも
そのまま落ちて行くことも 出来なくなっているのです
必要なものを 必要だと証明するものも見当たらなくて
不必要なものを 不必要だといって手放すことも出来ないのです
 
もしも
わたしが手を伸ばしても
大切な「誰か」に 手を振り払われてしまったら
そんな観念だけ しつこく わたしを食べ尽くしているのです


2003年10月09日(木)  「約束ごっこ」

変わらないのは 何も変えようとしていないから
君の手が離れていくのは きっとわたしが突き放してしまったから
どうしても譲れなかったものは 何も信じる事のできない勇気
変わらないのは 何も変わらない事で安心できるから
君の手が此処にあるのは あの「約束」を守っているから
 
いつかわたしが「約束」を破ってしまったら
きっと 君は振り返る事も無く遠くへ離れてしまう
離れられないわたしを宙吊りにしたままに
きっと 君は躊躇う事も無遠くへと消えてしまう
孤独と向き合えないわたしを置き去りにしたままに


2003年10月08日(水)  死ニタイ

薬によって作為的に作られた眠りだけが僕を救うんだ。
 
冷たい足先を絡めるべき足が見あたらない
いつから僕は一人で眠っているのかな?
うまくしゃべれないからたぶん君は僕を見捨ててしまったんだ
足掻いても同じ結果ばかりを提示させられる
そんな日々が嫌いなんだけど
どうして君はバカにしたような顔で見つめているの?
 
僕を眠りに誘うものはさらさら片栗粉みたいな薬だけ
バカにしたみたいな名前の薬だけが
僕を安眠させるんだ
 
夢ばかり見てたからもう現実が厭なんだ
夢だけが僕の救いだからもう現実は要らないんだ
 
死にたい…


2003年10月07日(火)  パニック

どうして泣いているのですか?
何がそんなに寂しいのですか?
また、下らない空想の世界で悲しい事に遭遇したのですね
どうして笑っているのですか?
何がそんなに楽しいのですか?
また、下らない妄想の世界で楽しい事に遭遇したのですね
 
現実を生きられない君は酷く滑稽です
しかし、時にはそんな君が羨ましくもあるのです
強いられた現実でしか生きられない僕らは
強いられた現実の中だけで右往左往を繰り返してばかり
だから、時には空想の中を自由に行き来する君が羨ましいのです
 
どうして怒っているのですか?
何がそんなに気に入らないのですか?
また、下らない妄想の中で気に入らない出来事を創造したのですね
どうして生きているのですか?
何をそんなに躍起になっているのですか?
また、下らない空想の世界で手首を切っていたのですね
 
あの頃と寸分変わらない君の姿は滑稽です
なのに、僕らはそんな君を酷く愛しく思ってしまうのです
強いられた現実に屈する事も無く真直ぐに歩んでいる君の姿は
時には痛ましいほどに意地らしく僕らの目に写っているのです
だから、君の滑稽な姿は君と純真な姿とも言替える事が出来ると思うのです
違いますか?


2003年10月06日(月)  10月6日、23時14分。

あー。
脳が廃れてく。
私の中はどろどろと下らない溶け出した感情あふれてる。
あー。
水がこぼれてく。
頭の中はぐちゃぐちゃなグロテスクな構想を描いてる。
 
あー。
切れてた手首が甦る。
まがい物の感情だけが私の中に正解を見出せるんだ。
 
私の中の私をいつか取り出して 仔猫の御墓を作るんだ。
死んだ犬が 年老いたロバが おどけた夏休みに住み着いた。
 
あー。
何を待っていたんだろう?
みんな 私を見ないから私はいつもひとりだったのに。
あー。
空が割れている。
破片がぱらぱら降り注いで雨になる。
雨になる。
雨になる。
雨になる。
 
イライライライラ…


2003年10月05日(日)  10月5日、23時37分。

ケラケラ、私じゃない私の笑い声が響いた
陽射がみんなを焦がして 目の前の女の子の笑い顔が
太陽と一緒になって溶け出していた
いつも、ひとりのまま。
どうして 悲しい顔をするの
どうして 私に嘘をついたの
どうして 私をひとりにするの
どうして 私は独りぼっち
どうして どうして どうして 君は居ないんだろう
 
虚しさばかり吐き出せば それが嘘みたいに流れて
いつのまにかみんな居なくなった。
斜め後ろの男の子の笑い顔が 風の流れとずっと連なっていた
ずっと、置いてけぼり
どうして どこかにいってしまうの
どうして 私をひとりにしたの
どうして 私を残していくの
どうして 私は笑えないの
どうして どうして どうして 君は居なくなるの
 
心臓が歪んで った鼓動を 刻み出す


2003年10月04日(土)  10月4日、22時23分。

ハイライトの煙で 煙たすぎて吐きそうだ。
此の小部屋の居心地の良さと 此の小部屋に蔓延る物が
ぐらぐらと揺れ始めるから 私はまた剃刀を手に取る
独りが嫌いな訳ではないし 多勢が怖い訳でもない
でも只こうしている事で 此の部屋の中
痛い言葉が徘徊し始め、只私を苦しめるんだ。
 
 *
 
何でいつも私は 孤独と思ってしまうのかな
例えば其れが 鳴らない電話と夜空の所為で
寂しさが廻り始めているのだとしても
きっと 私は誰にも理解を求めない。
 
 *
 
ひらひらとお月様、私の頭上を照らしています。
其れは今日の様に晴れ渡る夜に
突き抜けて壊れた 感情過多をもたらしているのです。
 
 *
 
三つ並んだグラスに残った水を合わせて、一つのグラスに水を溜めたら
許容量を超えて グラすから水が溢れ出たその時
私の中の何かが壊れて、零れ始めた
ぐしゃぐしゃにした手紙が床に転がっている
私はおどけて、手首から溢れる血液で御返事を。
 
だからきっと此の手紙は届かない
赤くにじんだ嘘を散りばめ過ぎた
私の手紙はきっと届かない
全てはいつか幻になっていくから
どこにもない。
雨が降ろうと、きっと、もう、届かない。
 
こんにちは。
手紙を書きます。
私の感情は複雑に絡まり続けた所為で わからないんです。
誰にも打ち明けられないのは 決して誰の所為でもない。
もしも君にこれが届いたら
私のことを知ってくれるのかな
もしも君がこれを読んでくれたら
私のことを忘れてくれるのかな
誰の心にもきっと
刺さったままで抜けない針みたいな物があって
痛みを感じているのだろうけれど
きっと私はその針を 自分から深く刺し込みすぎた所為で
その針はもう 見えなくなってしまったんです。
さようなら。


2003年10月03日(金)  追憶の海

在り来りの言葉の断片を 心の端に携えて
小さな嘴で啄んだ あなたの肉片に狂喜を称える
 
ねぇ すべてを思い通りにしたくて
あなたを縛っていたあたしの声が途切れる前に
ねぇ すべてを知ってしまいたくて
あなたを憎んでしまったあたしの愛が壊れる前に
 
笑い顔は 追憶の海へと流れるのだろう
あたしが覚えたあの歌は いつか空虚へ消えていく
いつまでも あなたを傍においていたくて
我が儘ばかりを遠し続けた あたしを咎めないで
いつの日か あなたをあたしのチープな欠片に替えたくて
杜撰な言葉であなたを待っていた あたしに構わないで
 
全てはひとくくりになった 狂気の感情
小さな嘴が啄んだのは あの日逃げ出した時間だった


2003年10月02日(木)  暇・夢・現

優しい匂いが 立ち込めて居ます
暑すぎる紅茶が咽喉を通り抜けて わたくしの胃に落ちて行きます
 
目覚めがどんなに悪くとも 眠りがどんなに浅くとも
わたくしの日々は繋がって居ると云う事に
多少の悲しみを見出せぬ事も無く
わたくしは浅墓な感情で以って 涙を流して居るのです
 
香煙が立ち込めながらも わたくしを拒絶して居ます
夜の到来に耳を澄まして居た時間も何時か 深い闇へと落ち
朝の到来に耳を澄ませば澄ますほど 眠れぬ夜が長く立ちはだかるのです
 
暇も 夢も 現も凡て わたくしの懐に収まらぬ物なのです
 
優しい馨りも わたくしを悦ばせたあの背中ですら
もう わたくしを拒み
何時しか わたくしの背中は 寂しく凍えて泣いて居るのです


2003年10月01日(水)  傷だらけ

指先から溢れた血液 痛みは不思議と感じなかった
雁字搦めになっていた 心の行方が見えない時にも
八方のうち七方まで塞がってしまって 逃げ出そうとした時にも
胸を刺す様な痛みに 耐えられずに喘いで居たと言うのに
 
手首を故意に傷付ける事以外で 久々に負った傷痕
あたしの指先は 溢れ出す血で真っ赤に染まって居たと言うのに
 
いつか誰かに背を向けて 「サヨウナラ」と呟いた
いつも誰かに縋る為 「■しているの」と囁いた
 
指先を伝った血流 止めど無く 揺るぐ事無く
あたしの傷ついた手首を伝い 流れ落ちる
 
「気が■っている」と 大切なものに突き放される
「俺を■さないで」と 大切なものに逃げられた
 
故意に傷を負う手首 と 仕方なく負った傷痕
どちらがどれほど 不様に消える?
どちらがどれほど 不様に見える?


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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