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2003年11月08日(土) やすくんが、おこった。静かに。

呆れとか怒りとか
そういうのを通り越すと

ヒトってなんだか真っ白になって
前にも後ろにも進めなくなってしまうんだなあと

つくづく感じた夜があけた。


私は、やすくんに解決策を何か提案することも
愚痴をこぼすことも
不満をぶつけることもできず

ただ、呆然としたまま
毎朝の仕事をこなした。



夕食以外は家で義両親と食べることが多いのだけど
今日はさすがに食事を取ることも
作り笑いでその場を凌ぐことさえも難しく
顔をあわせたら、なんだか涙がこぼれそうだったので

「仕事が忙しいから」

という理由で、店で二人でご飯を食べた。
話をすることもなく、ただ黙々と
ご飯を口に運ぶ私たち。

どうにかお腹の中には全部詰め込んだけど
食べ終わった直後、気分が悪くなって全部吐き出してしまった。





午後3時予約のお客さんを迎える準備をし
そのまま接客に入る。

仕事に入れば、多少気がまぎれた。
やすくんは1階で、私は2階でそれぞれの仕事をこなす。
料理を階下から運ぶのはパートさんに任せていたから
私は、下で何が起きてるか知らなかった。






お客さんの突然の要望があり、1階に下りた。
並んで、何かを話し合ってるやすくんとお義母さん。
やすくんは仕事をしながら話してたから
視線は手先に向いてるけど
なんだかいつもと様子が違う。

手短に用件だけ伝えてすぐ仕事に戻った。










仕事が全部終わった、深夜。






「もう、アイツ(義母)には店を手伝わせないから」

静かに、やすくんが言った。
突然の話にも、
アイツ、とお義母さんのことを言ったことにも驚いた。

そして、今日の午後の出来事を話してくれた。

やすくんの家族の喧嘩って言うのは
いつも最後はなじりあいだったり、大声で怒鳴ったりすることが多いのに
今日のお義母さんとの話合いは
私が2階にいても全然気づかないほど静かに起こっていた。

お義母さんは、やっぱり前と同じく途中感情的になったところもあったようだけど
それでも、静かだったのは
きっとやすくんの確固たる、というか
強い思いに圧倒されて、それ以上思いをぶつけられなかったんだろう。

その場に居合わせていない私が
そう感じるくらい
やすくんの話は強く、そして静かだった。




この先、どうなるかわからない。
いいほうに進むか、新たな問題にぶつかるか。

でも、今日のやすくんをみたら
なんとなくだけど
それでもやっていける、と思った。


2003年11月07日(金) からっぽ。











何から考えていいのかわからないくせに





必死に、解決策を探す




どうしたら




この縺れに縺れたごたごたを




元通りの形に




ううん




もっといい形に




私が悪かったのだろうか




でしゃばりすぎたんだろうか




全部、向こうの思い通りにしたらよかったのか




そもそも、私たちが考えていたコンセプトが間違ってたのか



















私たちの思いとは真逆のサービスを
閉店まで続けた義母。

そして、
「この方が、もうかる」

とだけ言って出て行った。




一人でカッカして
一人で笑って
一人でやりたいことをやって







私は

私たちは、






一体どうしたらいいのだろう。








2003年11月05日(水)     海へ。

今日はお休み。

本当はやらなくちゃけないことがあったけど
昨日の晩、やすくんにお願いして
二人で海へ行った。

お気に入りのCDを聞きながら
他愛もない話を続ける。
ナビで目的地に設定した水族館へ。
なぜか私たちは、よく水族館へ足を運んでる。
・・・今回の水族館は初めてだけど。

大きな水槽の前のベンチに二人で腰をおろし
口も利かずに魚たちを見た。



「ちょっと休憩しようか」

コーヒーを2つ買って
海が見渡せるテラスで過ごす。



黙って、海を見たまま
あったかいコーヒーを飲んだ。






ぽつりと

 「なんで、今日海に来たかったの?」

やすくんがそういった。
 
 「海がどうしても見たかったから」

同じようにぽつりと、私は答えた。

 「海が見たいときってどんな気分なの?」

視線を海に向けたまま、やすくんが聞いてきた。








・・・すぐには答えられなかった。






結婚してこっちに来る前から
急に海が見たくなるときがあった。
私が住んでいた街から、一番近い海まで
車で約2時間。
たった一人で、急に思い立って出かけることもあった。

海に行って、景色をぼうっと眺めて
波の音を聞いて、潮の匂いをかいで

ただ、それだけ。



出かけたい、と思うとき。
それはあまりにも唐突過ぎて、自分でもその理由がわからないくらい。

でも、今日なんとなくわかった。


私が海に行きたいときは

「自分じゃどうにもならないほど疲れたとき」

だ。



仕事のときも、思えば煮詰まりすぎてなかなか前に進めなくなったときや
社内のわけのわかんない人間関係に疲れたとき
やっぱり海で過ごした。

今も。

やっぱり、どうしたらいいのかわからない状況の中にいる。



海の音を聞いて、海の香りをかいで
終わることなく打ち寄せる波を見て
気持ちをリセットする。


解決策が出てくるわけじゃないのに
誰かに教えてもらったわけでもないのに
なぜか、いつからか、そうしてきた。



「今日は、どうしても海を見たかったんだよね」



私はやすくんにそういった。




2003年11月04日(火) 向けられない矛先。

「会社の方針にこれ以上ついていけないので辞めさせてもらいます!」
って辞める人、今のこのご時世じゃかなり少ないだろうけど
会社に勤めている間は辞める自由がある。



私には、それがない。



お店がオープンしてもうすぐ2ヶ月。
それなりに、固定客もついてきたし
「ここらにない雰囲気のお店だね」といってもらえるようにもなってきた。

でも。
ここに来て頭を抱えてしまうほどに口と手を出す義両親。特に義母。

「落ち着いた雰囲気の中で、美味しいものを食べながら
 家族や友人とじっくり過ごせる場所を」

そう思って、やすくんは料理を作り
私はサービスをしてきた。
手伝いをしてくれてるパートさんにも、そのように教育してきたつもり。
事実、パートさんたちにもだんだんそういう意識が芽生えてきてる。

義母は。
自分の顔なじみのお客さんのところに過剰なサービスをし、
そこで声を上げて笑って話をしてる。何十分も。
その途中で「あら、お酒が足りないんじゃない。何か頼もうか?」
「お腹いっぱいじゃないでしょ?これとこれ(値段の高いの)持ってくるよ」
なんて、どんどん注文をとってくる。

確かに、そういう雰囲気がいいというお店もある。
そういうお客さんもいる。
だけど、今やすくんと私が目指してるお店にはそれは必要ない・・・のに。



「お客さんのところへいって、いやな顔されたことなんて一度もない」
・・・当たり前でしょ?昔からの知り合いであからさまにいやな顔する人なんていないよ。

「お店のためを思って注文をとってきてやったのに」
・・・嫌でもああいわれたら何か頼むしかないでしょう?しかもお金はちゃんともらってるんだし。

「昔からの常連さんなんだから、たくさんサービスするのは当然」
・・・じゃ、その隣に座ってたはじめてきたお客さんの立場はどうなるの?



初めはそんな義母の様子を見てイライラしたやすくんが
注意することもあったんだけど
私が帰省する前に一度爆発して大喧嘩になった。

やすくんは「店はしばらく俺たちに任せてくれ」と
もう一度最初に話した経営方針とか、店の雰囲気を説明しようとしたんだけど
義母は
「そんなに私をのけ者にしたいの!!」と
何を言ってもそればかりで話し合いにならなかった。
義父は
「二人に任せてるんだから、お前は黙っていろ」と口では言うけど
だからといって、義母を止めることはなく
自分たちがやってる店のあまりものを、私たちの店で売れといってきたりする。


もし私が経営者といえるなら。
店の方針とまったく違うサービスを提供する義両親に「解雇」(という言葉が正しいか)することができる。
でも、経営者じゃないし。
じゃ、労働者といえるなら。
一番最初のように、辞表を提出してやめることができる。
今、本当にそれがしたくてたまらない。

でもさ。

店を実際動かしてるのは、やすくんなわけで。
やすくんをおいて店を出るということは、
つまり「やすくんを見放す」ということにならないかなと思うと
それは絶対できない。


前はそんなもやもやした気持ちを
やすくんにぶつけてた。
お互いの関係はいいのに、毎日続く口論。
実の親にきつく言うことができずに、悩む姿を見てしまってから
これ以上、自分の不満をぶつけられないと思った。


どうしたらいいんだろう。

考えても、答えは見つからない。


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