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去年の誕生日は
知のこと、好き?
深い森の中で立ち込める霧の向こう側に居るのに。 優しい手をのべてくれる。 そんな人だった。 私もまた、嘘をつかずになんでも話した。 だから あらかた知ってるんだ。 1年後に会おうといった。 それまでにお互いを知り合おうと言った。 だから、名前は最後に教えようね。 そう言っていた。 見守ってくれる人がいる。 私のために泣いてくれた人がいる。 会いたくて、会いたいといった。 約束したのに、 それなのに会いたいといった。 約束破りの我慢も出来ない 物凄く幼稚なわたしを 許してくれた。 頭をなでてくれる。 頬をなでてくれる 抱き締めてくれる。 温めてくれる。 こんな私なのに、好きだと言ってくれた。 それだけでいいんだ。 それ以上を望んではいけないんだ。 そう思いながら、甘えてしまう。 わがままを言ってしまう。 この手を伸ばしてしまう。 そんな人がいる。 私はその人にとって娘らしい。 私はその人が好きだった。 でも、「娘」でいいと思っている。 だけど 「娘」というキーワードを言うたびに、 苦しそうにしているその人を見て その人を苦しめているような、そんな気がして。 「娘」というキーワードを、 外したら楽になると言ったけど、 やっぱりその人にとって、私は「娘」。 私は「娘」。 それでもいいと思っている。
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