そうやってあなたは
いつもわたしをみない
戻りたい過去などない
それでも 誰かの涙に曳かれて
僕は昔を振り返る
そこにいる筈の 誰かの顔を
見れた試しは ないけれど
君の指が まだ首に残っているようで
痕さえ付いていないのに 締め付けられているようで
君の入れなかった力を 押しだす僕の弱さが あの時なかったことを 幸いに思わねばいけないのに
どこか
空虚で
君の熱を 求める僕を
嘲笑うのでした
前にも増して 涙腺の弱い私は 他愛ない話を聞いては ぼろぼろとみっともない顔をさらしている
最近では 涙をこらえることも忘れているよ
例えばあなたが とても哀しい時に 哀しみを肯定し 尚且つ だからこそ哀しがってはいけないと 言うことができたなら
私もあなたもとっても とても助かると思うのだけど
残念な私は そう思うだけで 瞳は潤み 喉は渇き 何も言えなくなってしまう
今は 大切な 大切なあなたが 哀しいことに会わないように 高い壁の前で途方にくれないように
前へ 前へと進んで行けるようにと 夜 一人 指を組み 祈ることが
私の 精一杯です
怠けると 休めるの 違いは 何だろう?
心に訊いてみると 何も返ってはこなかった
そうしてみると 何よりもまず 心が 怠けているのに 気がついた
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