TALK TO MYSELF IN MIDNIGHT 

BACKINDEXNEXT

宵待ちの君に

月の姿も知らず
幻に泣く君よ

グラスは
満ちては空になって
虚無を照らしだす

ピアノの音色も
心を動かしはしない

幻など追いかけても
満ちたりた想いなど
手に入れることはできないさ


煙草

哀しい酔いが指先にまで
微かに洩れる吐息よ

窓から射す月明かりが
この想いを愛に似せてくれる

心などいらない
傍らの煙草だけでいい
そうだろう?

どんなに募っても
愛にはならない想いなら


見つめる瞳

もう叶わぬ想いを
あなたに

一途さは罪

夜毎
あなたの名前を
口にだしても
寂しいだけ

愛などいらない

ただ
あなたが欲しい


忠告

気をつけた方が
いいよ

愛の前に
天秤だから


略奪

奪ってやるさ
身体ごと

君が
望むなら


愛咬

いとおしさに
泣きだしてしまいそう

雨音に消えた声
ベッドサイドに光る指輪
重ねた唇も涙の味

帰っていく背中を
見つめても
想いが消えない


くちづけ

ためらいのくちづけは
愛の終わりのはじまり


時計

泣かれても
重荷なだけ

涙は
想いをつなぎとめはしないさ

分かっているだろう
君も


刹那

愛するあなたの
薬指の光が哀しいわ

想いは届かず
彷徨ったままで

誠意のない接吻-くちづけ-でいい
愛のない抱擁でも

せめて
ひととき
ともに過ごせるのなら



author:蒼井冬星 HOME  
Copyright (C)2001-2020 Tousei Aoi All rights reserved.
TALK TO MYSELF IN MIDNIGHT内の詩の著作権はすべて蒼井冬星にあります。
転載、引用の際はお知らせ下さい。