夏
ギター弾く
あなたの指先に
見とれて
濡れた髪に
そっと
手を触れる
この瞬間に
壊れぬ愛を
手に入れたいと
願う心は
SINGER
鍵盤を照らす
スポットライト
グラスと水の
触れあう音
天井にのぼる
幾筋もの紫煙
つま弾くピアノ
その音色に
想いをのせて
唄うほかに
何ができるだろう
夢幻
きみの幻を追う
ぼくの幻
すべては
夢の中のように
もやもやした視界
何処に居るの
何をしているの
ここは
何処なの
銀河の果てで君は
君に触れたくて
歩いてみる
君のいた場所を
追いかけても
追いかけても
遠い君
それでも
君の笑顔に触れたくて
歩いてみる
君のいた場所を
空
軽い頭痛で
目覚める
暗澹たる気持ちで
見上げれば
雲に覆われた
暗い空
光差す夜明けよ
来たれ
海
防波堤に腰掛けて
よせてはかえす
波を見つめる
浜辺のほうでは
野球帽をかぶった少年が
駆けまわる
「若さって残酷ね」
君が呟く
「そうだね」
僕が頷く
僕らは黙って
防波堤に腰掛けて
よせてはかえす
波を見つめる