TALK TO MYSELF IN MIDNIGHT 

BACKINDEXNEXT



ギター弾く
あなたの指先に
見とれて

濡れた髪に
そっと
手を触れる

この瞬間に

壊れぬ愛を
手に入れたいと
願う心は


SINGER

鍵盤を照らす
スポットライト

グラスと水の
触れあう音

天井にのぼる
幾筋もの紫煙

つま弾くピアノ
その音色に
想いをのせて

唄うほかに
何ができるだろう


夢幻

きみの幻を追う
ぼくの幻

すべては
夢の中のように

もやもやした視界

何処に居るの
何をしているの

ここは
何処なの


銀河の果てで君は

君に触れたくて
歩いてみる
君のいた場所を

追いかけても
追いかけても
遠い君

それでも

君の笑顔に触れたくて
歩いてみる
君のいた場所を




軽い頭痛で
目覚める

暗澹たる気持ちで
見上げれば

雲に覆われた
暗い空

光差す夜明けよ
来たれ




防波堤に腰掛けて
よせてはかえす
波を見つめる

浜辺のほうでは
野球帽をかぶった少年が
駆けまわる

「若さって残酷ね」
君が呟く
「そうだね」
僕が頷く

僕らは黙って
防波堤に腰掛けて
よせてはかえす
波を見つめる



author:蒼井冬星 HOME  
Copyright (C)2001-2020 Tousei Aoi All rights reserved.
TALK TO MYSELF IN MIDNIGHT内の詩の著作権はすべて蒼井冬星にあります。
転載、引用の際はお知らせ下さい。