TALK TO MYSELF IN MIDNIGHT 

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帰り道

あの人と逢った帰り道
ふと涙がこみあげて
人々がふりかえるのも
かまわず 泣いた

何度も恋をした
切ないという言葉も
何度も口にしたけれど

今日 はじめて
その言葉の意味を知った


波音

はしゃぎすぎた
時間のあとで
ぼくときみと
波音にゆれながら
過ぎゆく季節


ためいき

ひとつつく
ためいきで
涙を止めて

ふたつつく
ためいきで
あきらめて

みっつつく
ためいきで
忘れよう




君は
強いね
何があっても
泣かない

だって
泣いたら
困るのは
あなたでしょう?




夏の終わりの海は
風が冷たくて
恋の終わりに似ている





夢を見た気がする

君の夢

もう帰らない



汝の隣人を愛せよ

彼らに神の意志は通じない
神を心から信じていないから

彼らはかよわい
神を心から信じていないから

ただ逃げている

現実を見つめ
今までの己を省みようとはしない

神を心から信じていないから


滅びの門

いろいろなことを考えた

全ては御心なのだと
そこに行き着いた

見よ
蒼白き馬がやってくる
その背には騎士が
馬の名は疫病
騎士の名は死であった


愛する者

神は
悔い改める者を
耐え忍ぶ者を

愛する


偽善的信仰

運命を変えることなんて
誰にも出来ない
ただ
主のみが
全てをご存知なんだ
打算や私情をはさまず
時には冷酷に思えるほど
確実に人間の生き様を記し
それに結果を与える

供え物をしたら救われる
お祈りをしたら救われる
そんな宗教観、信仰心なら
無神論を唱えているほうがまだまし
(それもまた傲慢だけどね)

カネやモノで
事実をねじまげるのは
人間だけだよ

つまりさ
供え物をしたから
自分は守られるはず
そういう考えを
「打算」ていうんだよね?

それからさ
教会やお寺という特別な場所では
教えを神妙に聞いていたって
社会に出れば
他人を蹴落としてまで
いい思いをしようとしてるよね

あの人たちのお祈りを聞いていると

「主の意に沿わない生き方をしている私
 懺悔はしたくないけれど
 それでも幸せでいられますように」

そう聞こえるね

そんな見せかけの懺悔を
「偽善」ていうのさ

ホント主に対する侮辱だよなぁ?  


意味は?

私たちのために
主が在るのではなく

主のために
私たちが在るのです


政治家 及び

彼らの趣味は
カネと仲間をいかに多く
集められるかを競い合うゲーム

彼らの大好物は
欲望の匂いがプンプンする札束
寝しなに金額を眺めては
ニンマリする毎日

彼らの仕事は
ゴルフに女を買って居眠りをする事
涙をのみ唇をかむ国民の事など
おかまいなし

情けない日本を代表する
センセイ方のすばらしき行状

しかし
もっと情けないのは
彼らを「先生、先生」とまつりあげ

甘い汁を吸う機会を狙う人々が
確かに存在しているこの現実


この世は

言葉の乱れも
性の乱れも
モラルの欠如も
まぁ
しょうがないんじゃないの?

歪んだ定規じゃ
まっすぐな線はひけないからね


饒舌な機械人間

学校とよばれる工場では
より優秀な機械人間を造るために
改良に改良を重ねられる

優しさ、思いやり、個性や意思を持つ者は
機械人間にはなれず、スクラップにされる

工場から出荷された機械人間は
カネとしがらみの渦巻く街に潜む
地位と名誉と権力に媚び、へつらい
死んだ目をして単調な日々

いずれ我を持った機械人間たちは
傲慢に背をそらし
饒舌な機械人間となる






平凡よりも
幸せを望みなさい

途中
いばらの道を
通り抜けなければならないとしても

そのさきにある
幸せを見つめなさい


援助交際

キミたちは
父親の下着や靴下は
汚く感じているけれど

得体の知れない
エロジジィに
体をあずけるのは
平気なんだな?


ホントウノキモチ

会えないこと
見えない気持ちに泣いて

彼の笑顔と
つないだ手に笑って

多くを望みすぎたこと
あの日のわがままに後悔した

彼はいつも
笑っていてくれたけど

本当は
泣いていたのかもしれない


画一的などんぐり

ずっと昔のこと
渡されたチューリップの絵に
黒いクレヨンで色を塗った

幼稚園の先生が
チューリップは黒くないわね
と言って
もう一枚の紙を渡してくれたのだけど

そのチューリップを
何色で塗ったらいいのか
もう分からなかった


ひと

ひとりぼっちは
さみしいけど
いっぱいひとがいるのに
ひとりぼっちを
かんじてしまうよりは
はるかにらく



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