当世高校教師気質
一生勉強 一生青春

2002年01月31日(木) 『りかさん』/「二人のアカボシ」

今日がレポート締切だっていうのに、誰も来ない・・・
院生室で待ちぼうけしてたら、モンゴル人研究生がやってきた。
2人でお昼を食べながら、モンゴルのお正月の話をする。
モンゴルのお正月は日本よりもずっと華やかで、ゴージャスだ。
親戚が多いから準備する料理の量もちょっとした飲食店並だし、
きちんと民族衣装を着て、相撲や競馬などの国民行事も開催されるらしい。
彼女はまだ講義が続いているから、もうそこまで迫った旧暦のお正月には
自国に帰れないという・・・きっと帰りたいのだろうに。

本日の一作:
・『りかさん』(梨木香歩/偕成社)

図書館の児童文学コーナーに並んでいるものだからやや気恥ずかしかったが、
内容は子供だけでなく大人でも十分楽しめる・・・最近の傾向かな。
祖母から貰った「りかさん」という「話せる」日本人形のおかげで、
他の人形の言葉も(植物の精の気配まで)分かるようになったよう子が、
純粋な子供だけが持ち得る豊かな感受性をフルに活かして、
悩める人形の抱える想いを昇華させる手助けをする物語。
私個人は小さい頃から人形がどうしても苦手だった。
怖かったのだ・・・突然、動き出したらどうしようかと思うと。
それでも、「りかさん」のような人形だったら楽しそうだなぁ。
もう10年近くも箱から出していないお雛様のことが少し気になった。

本日のBGM:
・「二人のアカボシ」 by.キンモクセイ

ちょっと気になっていたキンモクセイをレンタル。
このテのノスタルジックなメロディライン、いいなぁ。
声がちょっとだけ小田和正氏を思い出させるところもイイ。
歌詞の中に「ミヤウジヤウ」と入っているところもなんかイイ。



2002年01月30日(水) 『紙屋町さくらホテル』

実家に戻って早10ヶ月、初めてまともに料理を作った。
どうしても自分作ったのカレーが食べたくなったのである。
どうせ大学には行かないつもりだったので、雪の中買出しに行き、
1時間かけて・・・完成。あぁ、この味、懐かしい(笑)
ただし、家族には辛すぎたようで、申し訳なかったかな。

本日の一作:
・『最新戯曲集 紙屋町さくらホテル』(井上ひさし/小学館)

昨年末に受けた集中講義のレポートを一気に仕上げる。
そのために何度も戯曲を読み返してみたのであるが、
改めて活字を追っていると、いろいろな発見があった。
一度、二度お芝居を観たぐらいでは流してしまうようなシーンや、
「ト書き」の部分に作者の細かいこだわりが隠されていたり、
逆に読むことで舞台を思い出したりもできた。

もちろん、舞台あっての戯曲である。
戯曲だけを読んでいるよりも、実際にお芝居を観たほうが面白い。
しかし、お芝居を一度観てそのまま終わったものにしてしまうのは、
実は相当勿体ないことなのかもしれない。
自分が観たお芝居の戯曲があるならば、それも読んでみる。
そうすることで先に観たお芝居がありありと蘇ってくる。
そして、戯曲を読み終えた後で舞台を観たら、また違ってくるだろう。
そう思うと、私ももう一度「紙屋町さくらホテル」が観たくなった。

まぁ、とりあえずレポートが仕上がって本当に良かった(起死回生)
明日は大雪らしいが負けずに出してこねば。



2002年01月29日(火) 『悲しいとき』

今日がM1として受ける最後の講義(日本語学)となった。
だからといって、10時半から始めて14時半までやらなくていいじゃないか。
しかも講義終わってやっとお昼御飯だと思ったら、院生室に助教授来る。
休まらねぇ~~~(苦笑) しかも痛い質問を飛ばしてくるし。
「ところで葉明さん、1年間日本語学をやってみてどうでしたか?」
「はぁ、まぁ・・・」
「君ほど分かりやすく日本語学に嫌悪を見せた人は初めてでしたよ」
「・・・申し訳ございません」
そして先生、すみません。来年度はもう選択しません(爆)

本日の一作:
・『悲しいとき』(いつもここから/扶桑社)

「いつもここから」は私が贔屓にしている芸人である。
「悲しいときー」「悲しいときー」のお決まりのフレーズで、
私の心を鷲掴みにしてしまう、非常にいけてる2人なのである。
そんな彼等が本を出したと噂では知っていたのであるが、
まさか実物を拝めるとは思わなかった・・・しかも教授経由で(笑)
早速中を開いてみると、どの頁にもあの非常に悲しいイラストが。
実際テレビで見たものが大半なのに、やっぱりくる。
しかも一気にくるのではなくて、じわじわ、じわじわ。
積もり積もった笑いが特にツボにはまった一点で爆発するのである。
本当に電車の中で読みながら、何度肩を震わせたことか・・・
別に全作品面白い必要はないのだろうと思う。
自分のお気に入りが見つかれば、それで幸せ。

それにしても菊地さん、すごい漫画書くなぁ・・・



2002年01月27日(日) 採点バイト

夏冬と短期講習で教壇に立った塾から採点バイトを依頼された。
高校入試を目前に控えた中学三年生の最後の模試だったらしい。
本部校に行くとお世話になった先生方と顔を合わせ、やや懐かし。

国語の採点は他教科よりもずっと面倒くさいぶん、面白い。
真剣に答えている生徒には申し訳ないが、
思わず吹き出してしまうような解答がちらほら見られる。
今回、一番笑ってしまったのがコレ↓

「あなたが子供達と一緒に遊んであげるとしたら、何をして遊びますか。
 またその時、何に注意しますか?」

大抵の解答にはドッチボールや鬼ごっこなどが上げられ、
「子供に怪我をさせない」などといった類の注意事項が付加されているが、
某男子生徒は大真面目に以下のように書いてのけてあったのだ。

「鬼ごっこ→子供に捕まらないように必死で逃げる」

あっはっはっはっは。
そりゃそうだ、簡単に捕まったら面白くはないだろうからね。
学校社会にいる間はどうしても画一的な答えを求められてしまうけれど、
将来、大物になるのはこういうタイプの子なんだろうな。
彼がどういう大人になるのか少しだけ楽しみである。
イイ男になってください。



2002年01月26日(土) 「大人になれば」

本当ならば今月末締切のレポートに勤しむべきところをボイコット。
母親と約束して、昼食をおごってもらった。美味。
ついでに冬物のスカート一着と春物のシャツを一枚購入。
自分に褒美をやりたい気分にでもなったのだろうか?
珍しく衝動買い。

小沢健二復活までいよいよ残り一ヶ月。
前祝のつもりで『球体の奏でる音楽』をグルグル回してみる。
一時期めちゃくちゃ彼にはまっていた時期があったのである。
どうして男の人がこんなに可愛い歌を作れるのだろう?
いつも思っていた。
今、改めて聴き直してみてもその思いは変わらない。
特にこの一枚はジャズっぽくあったり、クラシックを匂わせていたりと、
割とアダルトな雰囲気をまとっているのに、歌詞はキュートなのだ。
たとえば、シングルカットもされた「大人になれば」

♪夢で見たよな 大人って感じ?
 ちょっと判ってきたみたい

とか、

♪僕らは歩くよ どこまでも行くよ
 何だか知らないが 世界を抜けて 
 誰かと会うとしたら それはそうミラクル!

なんて、なかなか成人男性の口からは聞けないような気がする。
こういう可愛さも十分に残した大人になりたいものだと思う。

私が大学に入った頃に休止状態に入ったオザケン。
4年の歳月を経た彼の音楽には非常に興味がある。
早く聴いてみたいのであるが、ちょうど欲しいCDが重なる時期。
悪友が買ってくれないかなぁなんて都合のいいことを思ってみたり。



2002年01月25日(金) さようなら、M1の日々

昨日・今日とウチの大学院文学研究科で院試が行われた。
一年間真面目に勉強してきていたのを傍で見てきた私達としては、
後輩達の努力が報われることだけを期待している。
勿論、外部から入学してくる人も大歓迎なのだけれど。
ともかく来年度の院内がどうなるのか、今から楽しみで仕方ない。

で、後輩のことは置いといて。
今日は私にとっても勝負の日、最後の演習日なのである。
相変わらず緊張して早口になってしまっていたけれど、
レジュメ内容としてはかなり中身の濃いものに仕上がった自信あり。
おかげさまで教授にも軽く褒められ、同輩にも褒められたので、
努力が報われたなぁ・・・終わった時には思わず放心してしまった。
これで私の1年は終わるわけだけれど、最後にこの演習ができてよかった。
準備をしている間は何に向かって自分が進んでいるのか分からないまま、
手当たり次第に資料を漁っていたけれど、気が付けば一本の道ができていた。
少しは自分も成長しているじゃないか。
最後の最後に自覚できてよかった。

夜、中学時代の部活の後輩から電話があった。
私の代を挟んで上下1年ずつの3学年で合同同窓会をするらしい。
うぅぅぅ・・・面倒くさいなぁ。どうしようかねぇ。
どうもこういうテの付き合いは苦手なのである。
どうせなら、本当に気の合う何人かで集まればいいのに・・・



2002年01月24日(木) 『ざくろ』

昨日の大雪を受けて、お山の上(=大学)はひどいことになっていた。
一方、私の声は掠れてはいるものの、昨日よりはずっとマシになった。
ただ、それは自分の中の基準であって、他人の耳には異常である。
今日の講義でビデオを使おうと考え、院生室をノックしたK越教授は
開口一番、「どうしたの、その声?」ときたもんだ。
「風邪みたいですね」と妥当な答えを返したら、
「ふぅん・・・じゃ、ビデオの準備しといてね」・・・もっと労われよっ(苦笑)

今日のビデオ内容は忠臣蔵における名場面「南部坂雪の別れ」を、
これまでのテレビドラマではどう演出されてきたかの比較検討(面白い)

本日の一作:
・『ざくろ』(川端康成/新潮文庫『掌の小説』)

本日の近代文学ゼミは川端専攻のK氏による『ざくろ』。
携帯に連絡が来た時は思わず「はぁっ!?」と目を剥いてしまった。
『ざくろ』、それは数々の川端文学の中でも珠玉の名作。
心の中ではきっと想い合っているのに伝えられずに秘めている若い男女。
戦争のため別れの挨拶を告げにきた彼とは碌に言葉も交わせなかったが、
1つのざくろを介して、少女は心いっぱいの別れをしたと思い、
母が今でも亡父のことを忘れていないように、
青年のことをこれからも想い続けるであろうと確信する・・・切ないなぁ(涙)
ともかく、コレなくしては私の中の川端はありえないというぐらい好きな作品。
おかげで今日のゼミはどうしても感情的になりがちで、
皆も思い入れが強すぎるようで、全体的にハイテンション(笑)
そんな中、さすがにK氏はイイ読み方をしてくるなぁと感心してしまった。
彼の視線の先には、この作品を通して何かが見えているようである。
羨ましいことだ、私もうかうかしてられないや。



2002年01月23日(水) 『肩ごしの恋人』

昨日は山の上にしかないと甘く見ていた銀世界が目の前にある。
たった一晩でどうしてこんなに降ってこれるんだか・・・自然って神秘だなぁ。
ともかく、今日はお家でとりあえずレジュメを完成までこぎつける。
明日もうちょっと詰めてから、明後日印刷→発表→解放。
頑張れ、頑張れ、頑張れ・・・

本日の一作:
・『肩ごしの恋人』(唯川恵/マガジンハウス)

先日、発表された直木賞受賞作品をさっくり読む。
現在どこに行っても品切れの作品を上手く入手できたのは、
院生N尾女史が受賞決定以前から図書館に予約を入れておいたからである。
まぁ、又貸しってヤツですね・・・違反は百も承知なのですが。
同県出身の彼女のことを勿論知ってはいたし、幾つか読んでもいたけれど、
まさかこうなるとは思ってもいなかったで、実は相当驚いた。

読了後第一声・・・「そう、きましたか」
自分の感情に素直に従って生きるるみ子と理性的な働く女である萌。
典型的な2パターンの女性が不思議と付かず離れずの関係を続けながら、
それぞれの人生を歩んでいく中で、出会いと別れを繰返す。
徹底的な女性視点で描かれたソレは、女性の本音の溜まり場だ。
世の中の女性を大分すればどちらかのパターンに分けることはできるだろうが、
自分がどちらに属していようと、2人の生き方に納得ができる。
「女」であることを最大に活かそうとする奔放な生き方も、
自分だけの空間をどこかで維持しながら世間を渡っていく生き方も、
どちらにも是非はなく、「あぁ、なるほどね」と頷くことができる。

読書をしていて思うことは、本を選ぶ権利は読者にはないのだということ。
まず、本が読者を選ぶのだ、年齢や情況や性格などを判断して。
今、10代の頃は苦手だったいわゆるOL小説を抵抗なく読んでしまえるのは、
本が私を読者として認めてくれたからだろう、ありがたいことに。

この作品に関して言えば、最後はやはりすごい(伊達に賞は取らないってか)。
筆者がキーワードを「家族」としていた意味が漸く解った。



2002年01月22日(火) 『裏庭』

本格的に痛めた喉をかばいながら、レジュメ作りにいそしむ。
頑張れ、後3日の辛抱じゃないかっ!>自分
充血した瞳に写ったのは窓の外の銀世界・・・心が洗われるなぁ。
こんな光景、お山の上(つまり大学周辺)じゃないと見れないってば。

本日の一作:
・『裏庭』(梨木香歩/新潮文庫)

この『裏庭』という作品は、実はずっと読んでみたかった本だったのだ。
梨木香歩という名前を知らない頃から、本屋の片隅でひっそりと。
そして、今読み終わってみて、「ほぉっ」と溜息を吐くばかりである。

  私はかつてバーネットの『秘密の花園』について書いたとき、
  すべての少女は心の中に「庭」を持っている、と述べた。
  この作品も、少女の内なる庭について描いているのだが、
  バーネットの庭と比較すると、現代に生きる少女のかかえている
  課題の深刻さが強く感じられる。(河合隼雄「解説」より)

さすが河合先生、上手いことをおっしゃる。
この小説はファンタジーでありながら、多感な少女の心の内を反映している。
現在と仮想世界の二重構造であるから、純粋なファンタジー小説よりも
ずっと生々しく、痛々しく、且つ懐かしく、そして少しだけ切ない。

  「なりたいのは、私しかいない」

自分を望みどおりの姿に変えてくれる服を着ていながら、少女は言った。
彼女は自分は他人のいろいろな部分の寄せ集めのようだと思って生きてきた。
顔のパーツは親戚の一部ずつに似ていて、衣服は従兄弟のお下がりばかり。
そんな彼女が長い冒険の果てに、やっと自分自身であることを求めた。
それを自我の芽生えとでも私達は言うのだろうか。
私達はいつだって自分というものを探り当てるようにして、大人になる。

  「真実なんて・・・・・・。真実なんて・・・・・・。一つじゃないんだ。
   幾つも幾つもあるんだ。幾つも。幾つも。幾つも。
   そんなもの、そんなもの、つきあってなんかいられない」

少女は叫ぶ、現実に向かって・・・私に向かって。
私は彼女の言の中に真実を見つけ、「ほぉっ」と溜息を洩らした。



2002年01月21日(月) スマスマ

咳が止まらないと思いながら放っておいたら、どんどんしゃがれ声に・・・
金曜の発表までにはもうちょっとマシな声になっていてほしい。

スマスマを観た。
先週は東京でGLAYライブの余韻にひたっていたために見逃したので、
やっと吾郎復活をこの目で確かめられたわけである。
いや、良かった。
他のメンバーもなんだか嬉しそうだ。
観ているこちらが恥かしくなるぐらい、皆笑顔だ。
ちょっとぎこちない吾郎さんが初々しくて、応援したくなった。

また頑張ってください、と素直に思った。







2002年01月20日(日) センターの行方は如何?

夕飯時のニュースを眺めていたら、センター試験無事終了の文字が。
ちょうど自分の大学の、自分の所属する棟が映っていて、
こうして客観的に眺めると立派に見えるんだよなぁと感心してしまった。
実際は・・・大きな声では言えないけれど、不便ではあるね。
自然豊かで静かなのはいいんだけどね・・・程度ってものがあるでしょ。

そういや、教え子達はどうなったのだろう。
様子を見ていると、国語は当たり年だったようで良いのか悪いのか。
当たり年っていうのは、自分も解けた気がして有頂天になるけれど、
平均点はバカバカしいほど高い上に、ミスると大打撃なんだよね。
(私の年の英語はまさにソレだったことを今でもよく覚えている)
とりあえず、明日の新聞で国語ぐらいは解いてみようと思う。

ただし、今日はそれどころではなく、昨日に引き続きレジュメ作成。

本日のBGM:
・「NEVER MIND」by.NIRVANA
・「CALIFORNICATION」by.RED HOT CHIRIPEPPERS

勉強している間は基本的に洋楽をヘビーローテさせる派なので、
特に上の二枚はよく後ろでグルグルしてることが多い。
特にレッチリの「Otherside」(M4)、何か好きなのよ(PVも何か好きなのよ)
ということで、今も実はコレが(コレだけが)グルグルしてたりする。
そして、今からレジュメ作成に戻ります、以上。



2002年01月19日(土) 『西の魔女が死んだ』

おかげさまで発熱はしなかったが、大事を取って昨日はゴロゴロ。
が、本当はこんなことをやっている場合じゃないんだ~~。
と、自分でもよく分かっているので今日は一日中県立図書館にいた。
しかし、図書館のお姉さんに書庫の資料を請求しながら少し悲しくなる。
何が悲しくて私は白文のままの漢文『明史』を読まねばならないのだ?
何が悲しくて日本史学の友人に「いつから東洋史に変更したの?」と
からかわれねばならないのだ? ・・・答えは来週金曜日に出るっ!

本日の一作:
・『西の魔女が死んだ』(梨木香歩/新潮文庫)

最近、本屋に行くと、密かに気になる本があった。
いや、本そのものじゃなくて、「現在取り寄せ中」の文字が気になった。
それがこの本、『西の魔女が死んだ』である。
たまたま入った本屋に1冊だけポツンと置いてあったので早速購入。
内容は登校拒否にかかってしまった少女と祖母の交流を描いた物語である。
ただしそこで終わりではない、もう1つ、おばあちゃんは「魔女」なのだ。
優しくて料理上手で、よく気が利いて、さらに正しくて強い。
多感な時期であるまいがどうしても昂ぶった感情を抑えきれずにいても、
おばあちゃんは落ち着いて、丁寧な言葉でまいに語りかける。
子ども扱いではない、でも無理に背伸びをさせることもない話し方。
そんな2人の関係を見ていて、ふと思い出すのは私と祖母の関係。
私の祖母はもちろん魔女であるはずはないけれど(やたら観察力はあるが)、
私が幼い頃に感情をコントロールできないでいると、いつも助けてくれた。
お互いにもっと言葉が荒かったし、たまに喧嘩腰になったりもしたけれど、
大抵、祖母の言葉は私の心を和ませ、感情を静めてくれたものだった。

まいは言う、「おばあちゃん、大好き」と。
おばあちゃんが答える、「アイ・ノウ」と。

「アイ・ノウ」、全てを包み込んでなお余りある良い言葉だとつくづく思った。



2002年01月17日(木) 『春は馬車に乗って』

風邪を引きそうな時。
扁桃腺が痛い。
関節が痛い。
目が乾く。
ここまでくると間違いなく発熱します。
問題はいかに早くいかに低温のまま解熱するか。
今夜にかかっているので、今日は早く寝よう。

本日の一作:
・『春は馬車に乗って』(横光利一/岩波文庫『日輪・春は馬車に乗って』)

東京にいる間に課題が出たために神田の岩波書店で買った文庫持参で、
今回も近代文学ゼミに参加。今日の担当者は鏡花が専門のT甫女史。
作品内容は、作家である夫と肺病を病んでいる寝たきりの妻の物語。
日に日に死に近付いている妻は身体の辛さも相まって夫に散々我が儘を言うが、
夫は彼女の我が儘を「檻の中の理論」と名付け、宥めようとする。
しかし、夫は看病疲れと生活苦に徐々に自らも蝕まれていき、ポツリと洩らす。

  「俺もだんだん疲れて来た。もう直ぐ、俺も参るだろう。
   そうしたら、二人がここで呑気に寝転んでいようじゃないか。」

その途端、彼女の我が儘がピタリと止む。
何故か? 何故彼女の態度が変わったのか?
私は彼の台詞の「二人」がキーワードだったのだと思う。
彼女はつらつら彼に文句を言うが、結局願いは1つだけ・・・「一緒に」。
1人で寝ていろと言われるのではなく、「一緒にいよう」と言ってほしかった。
それが可能か不可能かは彼女にとってはあまり問題ではなく、
夫の中にわずかでもその気持があれば、それだけで彼女は満足だったのである。
・・・ちょっと乙女ちっくな読み方になってしまったか。。。
でも、この話、これぐらいロマンチックに読んでもいいような気がする。
というか、私は読みたい。研究者ではなくて、一読者としてだけれど(爆)



2002年01月16日(水) 東京帰/「卒業まであと少し」

夜行バスはちょっと懲り懲りだなと思い始めた私はもう年なのか。
でも、1番安価で行く手段ではあるし。。。止められない。
何せ学生、時間はあるけど金は無いを地でいっているからねぇ。

さて、東京・・・というかGLAY、というかTAKURO氏。
相変わらずの格好よさで、ますますはまって帰ってきてしまった(爆)
特にファイナルは今まで行ったライブの中でも最高だったんじゃないか。
広いドームを埋め尽くす豆粒のような人の群れを眺めながら、
あぁこの場に居れて本当に良かったと思った一瞬が何度もあった。
幸せだと思った。

でも、何よりも嬉しかったことはそのGLAYのライブに親友と行けたこと。
彼女は現在東京でOLをしているが、学部生時代は1番の友人だったと思う。
あんな人とはもう巡り合えないと思うぐらい、ベストな人間だったと思う。
彼女も院進を考えていたから一緒に行けたらいいなぁと思っていた。
だから、就職することを聞いた時は年甲斐もなく動揺してしまった。
毎日一緒にいたはずの友人が傍らにいないことの寂しさを初めて知った。
他の友人達もがむしゃらに社会人になろうとしているのを見て、
自分は本当に院に進んでよかったのかと何度も迷った。
「別れ」というものが去り行く者と残される者を作り出す行為だとしたら、
今の自分は残される者なんだなとあの時初めて実感した。

TAKURO氏曰く、「残される者のほうがつらいんじゃないか」と。
それを聞いて、その時を思い出して、ちょっとだけ泣けた。
勿論、今はもう割り切っているし、落ち着いたものなのだけれど、
親友と顔を見合わせて、泣きそうな笑顔であっという間の1年間を思った。
年を重ねるごとにこんな感傷は薄れていくばかりであったとしても、
私はやはり彼女と出会えたことを何よりもの幸運だと思い続けるのだろうな。

♪胸を焦がす季節は流れ はぐれた人込みを背に
 笑顔はあの頃のままじゃなくても もう少し友と呼ばせて
                  ―「卒業まであと少し」 by.GLAY



2002年01月11日(金) 東京行

ということで、今夜東京に向け出発。
これで当分見納めかもしれないGLAYを堪能するために。
・・・いやいや、第一目的は神田です。
これで私の修論の運命が決まるのだ・・・



2002年01月10日(木) 「君が好き」

三ヶ月前に縮毛矯正をかけたまま伸ばしっ放しにしてあった髪、
さすがにこのままではまずいだろうと今日は美容院に行ってきた。
10月16日の日記に登場する例の美容院である。
先客がいたので10分程度待った後でカット開始。
「今日はどうするの?」と聞かれたので、
「ばっさりいってください」と答えると、

「・・・はっ?」(やや声低め)

えぇっ、何でそんなに不満そうなの? 
思わず私のほうがびびってしまったが、とりあえず言ったまま切ってもらう。
どうも美容師さんは髪が長い女性が好みらしく(笑)、
切ろうとすると「勿体無い、勿体無い」とうるさいのである。
でも、私自身は絶対短めのほうが似合うと思うんだよなぁ。
(と言うか、明らかに若返ったな>今の自分)
とりあえずは「大成功」としておこうと思う今日のカット。

本日のBGM:
・「君が好き」 by.Mr.Children

家のビデオを漁っていたら、年末に録画しておいたMステスペシャル発見。
そういえば観ないままで放置してあったのをすっかり失念していた。
適当に早送りながら観ていたら、ミスチル発見。しかも新曲。
月9「アンティーク」で初めて流れているのを耳にした時には、
きっと何かのアルバムに入っているのを忘れているんだろうと思っていたが、
実は新曲だったんだな・・・ファンとしてはやや面目ない次第である。
でも、勘違いしてもおかしくないぐらい懐かしく切ないラブソング。

♪君が好き
 僕が生きるうえでこれ以上の意味はなくたっていい

こんな台詞、ちょっと言われてみたいじゃないですか。
普段はあまり色気のない私でもこんなこと囁かれたらドキドキするだろうね。
(しかも桜井氏の声だったりしたら、ちょっと半狂乱になるな)
ミスチル、「抱きしめたい」以来の直球勝負じゃないですか(完敗)。

ということで、今もその部分だけ巻き戻して繰り返し聴いていたりする。
シングル買わないのはアルバムが今年出ると本人達が言っているからvv



2002年01月09日(水) 「メロディフラッグ」

今日は週末から東京へ行くための荷造りなんかをコツコツと。
明日からちょっと忙しくなるので先にやっておこうかと思ったりして・・・
親には気が早いんじゃと苦笑されてしまったが、性格なんだから仕方がない。
ただし、慎重なわりにはどこか抜けているのが玉にキズ。

本日のBGM:
・「メロディフラッグ」 by.BUMP OF CHICKEN

やっと新曲が聴けてしまいました、バンプ。
2月20日発売のアルバムから先行公開の「メロディフラッグ」。
ライブではもうやっていたみたいだけれど行けるわけもなく、
地方の弱みでバンプのオールナイトは聴けないし、
他のラジオ番組だといつかかるか分からないわけだし、
これはアルバム発売当日まではお預けだろうなぁと諦めていたけれど、
流石ラ●ア○、やってくれるねぇ(伏字にした意味が我ながらつかめない)

まずは曲の全体の感想を一言で言えば、「染みる!!」
本当は始めにアコギがボロボロ聴こえてきた時、
正直言って「バンプもなんだか丸くなったなぁ」と思ってしまった。
でも、だからと言って彼等の魅力が薄れたわけじゃないんだな。
だって、やっぱり感動していた。やっぱり好きだと思った。

♪僕らはイヤでも明日をむかえて いつかは昨日を忘れる
 そして今 キミの手をつかむためのメロディフラッグ

やらしいぐらいに、こっちの心を鷲掴む歌詞。
だから好きだ。やらしいから、好きなのだ。

もう1つ楽しみなのはやっぱりPV、彼等のPVはどうも私の好みらしい。



2002年01月08日(火) 吹雪時々雷

今日は一日中吹雪いている。
風に巻き上げられて、大粒の雪がびゅんびゅん目の前を横切っていく。
大抵の公立校が今日が始業式だというのだから、
子供達にとっては全く気の毒な話である。

それにしても、よく雷が鳴る日である。
この県は全国でも最も雷が多い県であるらしい。
確かに言われてみれば、多いような気がする。
だから、雷が鳴っても誰も気にしない。
これぐらいで悲鳴を上げていたら何もできないからだ。

ただ、さすがに「これはやばいかも」って音で鳴るとびくっとする。
何が嫌だって停電が嫌なのだ。
特にPCを触っている時は真剣にびくびくする。
だから、今だって本当はびくびくしている。

最後に本日のBGM:
・「Missing You」 by.GLAY『DRIVE』

♪春の恋しさよ 花の息吹きよ 冬の長さが募らせて
 あなたを失くした初めての雪は つらつらと慕情に落ちる

雪が降ると絶対思い出すのがGLAYの冬の曲。
自分が外に居て、降りかかる雪を見上げている時は「Winter,again」を、
自分が家に居て、窓の外の吹雪を眺めている時は「Missing You」 を思う。
特に意味はないのだけれど、何となくそう思う。



2002年01月07日(月) 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

昨日スタートの大河ドラマ、なかなかの好調らしい。
過去五年間の大河の中では、開始としては最高視聴率だったとか。
うぅぅん。。。ちょっと嬉しい(笑)

本日の1冊:
・『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(J.K.ローリング作&松岡佑子訳/静山社)

遂に友人から借りるのが待ちきれなくて、自分で購入してしまった。
もう始めから1年に1冊しか出ないと分かっているのだから、
こうなりゃ1年に2000円払ってやろうじゃないのっ!!
と意気込みつつ、実は新刊で単行本を買ったのは2年ぶりなのでドキドキ。
(私は文庫本or中古本派、でも最近はもっぱら図書館派)
内容は、もう買ってよかったと拳を振るわせるほどである。
うぅぅ、友情って素晴らしく、かつ時に切ない。
今回は特にハリーの成長ぶりが目覚しくて、すっかり参ってしまった。
この年頃の少年は本当にあっという間に大きくなっちゃうのよね(ホロリ)
そして、なんといっても可愛いのはハーマイオニー。
彼女のような子が同年齢だとちょっと大変なのかもしれないけれど(笑)、
年上の目から見れば、「あぁ、こんなに張り詰めちゃって・・・よしよし」
ロンと合わせて、3人が仲良しでいると、本当に嬉しくなってくる。
気心の知れた友人は片手で数えられるぐらいでいい、居るならそれが幸せ。
あと、今回の心震える新キャラはルーピン先生であった。
この人・・・好きだなぁ・・・

しかし、読み終えて実は気付いたこと。
「アズカバン」なのよね。
私はてっきり「アガズバン」だと思ってた。
前も「レイブンクロー」を「レイニンブロー」だと勘違いしていたし。
本当につくづくカタカナ苦手なんだよな・・・再認識。



2002年01月06日(日) 「利家とまつ」開始

弟が下宿先に戻る日となった。
絶対に特急・新幹線ともに空席があるわけがないと踏んだ我々は、
どうせなら立っている時間は少ないほうがいいだろうと考え、
わざわざ隣県の駅まで送って行ってやることにした(何せ子煩悩夫婦だから)。
今年はお互いに卒業の年、やり残しのないよう心してかかろうと誓って別れる。
弟が改札をくぐって行った後、ついでなのでバーゲンに行く。
本日の戦利品:
・ストライプシャツ(昨日のものとは形が違う)
・黒のTシャツ
今週末にライブに行くので、この時期半袖Tシャツが見つかったのは幸運。
本当はEAST BOYで赤のTシャツも買おうかと考えたのであるが、
「年を考えろ」と親に止められて断念・・・まぁ、いいけど。

今日から大河ドラマ「利家とまつ」が開始。
ナンダカンダ言いながらも、やはり地元のことなので家族で観る。
キャストに関しては、非常に豪華なことが話題になっているのであるが、
元服前の犬千代を唐沢氏が演じるのはかなり無理があるのでは?
相手役のまつに子役を使っているから、ますます不自然である。
反町氏の信長はまぁまぁ・・・ただし、たまに何を言っているのか聞き取れない。
松嶋さんは非常に可愛らしい、コレは完全に個人的意見。
さてさて、これからどうなっていくのだろう。
恐る恐るであるが、しばらくは観てみようかと思ってみたり。
(大河を真面目に観るのは竹中直人の「秀吉」以来・・・アレは良かった)



2002年01月05日(土) 最終日/バーゲン

新年早々ドロンしていたわけであるが、やっと復活。
正月なんて1年で1番暇な時期だと思っていたが、
実はなかなかそうではないらしい。。。なんだかすでにぐったり気分。

そんな中、遂に冬期講習も本日をもって終了した。
本日の講義:SS
・敬語の方向(敬語を重ねて用いる場合)
・小説③
・漢文③

敬語の方向、古典の中ではコレが非常に厄介かつ重要ポインツ!!
そのわりには時間が足りなかったのが今回の最大の反省点である。
もし次があったら、もっとその部分に時間をかけてあげたい。
だって、分かってしまえば(コツさえつかんでしまえば)、非常に簡単。
1つの答えに絞るのが厄介な国語において、あれほどすっきり答えが出るのは、
漢字と文法ぐらいなのだから、ココで正解の快感を味わってほしいのに。
・・・なんて、いまさら言っても詮無きことだけれど。
とにかく、私はもうこの子達に会うことはないのである。
今はただ、もう少し、後もう少しだから頑張れと祈るしかない・・・


塾を出てから、ご褒美気分でバーゲンに乗り出す。
本日の戦利品:
・黒のデニムスカート
・青のストライプのシャツ
本当は茶色の薄手のニットが欲しかったのだけれど、
「茶色、似合わないからなぁ」と躊躇いながらその場を離れ、
フロア一周して戻ってきたら・・・もう無かった。
恐るべし、恐るべし~~、バ~~ゲン(涙)
やっぱ買っときゃ良かった・・・(ホロリ)



2002年01月01日(火) 初○○

【初完徹(初腹痛)】
結局、一睡もせずに朝の一家の団欒に出席する羽目に。
寝れなかった理由はひとえに耐え切れない腹痛。

  春はあけぼの やうやう白くなり行く山ぎは、少しあかりて・・・

ではないけれど、まさに初日が昇ろうとする神々しい空を眺めながら、
腹を抱えて蹲っている光景は、我ながら滑稽かつ不憫である。

【初疑問】
朝の正月特番中、マッハで餅つきをする男性2人が紹介されていた。
確かにすごいとは思うけれど、何故マッハ?

【初笑い】
これまた正月恒例のお笑い番組、
大喜利やってる爆笑問題(太田氏)の解答に初笑い。

【初呆れ】
年賀状、学部生時代につるんでたヤツラからこぞって来ない。
怠ったな・・・(溜息)

【初感動】
ナイナイの番組、
劇団四季「ライオンキング」で見事にハイエナを演じきった岡村氏に感動。
この人、マジですごいな。

【初酒】
とりあえず腹痛は親に隠して(心配させるのも何なので)、
父とアサヒのスーパードライで乾杯。


 前世  人生  来世


葉明 [MAIL] [当世高校教師気質Ⅱ]

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