気まぐれ日記
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2005年11月30日(水) |
第一波(アレ、二波目か?) |
昨日の夜から、嫌な風がピューピューと。雪なんかすぐなくなると思っていたのに、夕方吹雪いてるでやんの。ウォームビズでストーブの設定温度低くしているんですけど、寒くて指なし手袋はいて(手袋ははくものなんだよ、北海道人は)、毛布に包まりながらパソに向かっている状態。あー、冬がもう間近にある。憂鬱。寝てるとき、顔が寒いと冬を感じます。(私の部屋、窓がないからまだマシなんだけどね)
「消せるものなら、消してみろ」 樹理が言って、ブロードを引き寄せる。 「何?」 「今、この空間を崩壊させる」 「えっ?」 「引き込まれたら最後、出られない」 樹理がこの前身体に取り入れた魔法……ジェークネッドが石版に封じた、多分破壊威力は抜群らしい魔法を解き放った。 「これなら、多分、空間ごと消滅するだろう。さっさと出るぞ」 樹理がぐいっとブロードの腕を引く。とたんに大爆発が起こった。 「でぇえっ!」 人間ならば鼓膜をやられるところだろうが、幸い魔族である二人には大したことはない。二人は菓子屋の前にいた。 「ふう、これで肩の荷が降りた」 もちろん、魔法のことだ。そして、樹理はまた十歳ほどの少女になっていた。 「お前の魔力は扱いにくい。おかげで余計に力が入ってしまった」 樹理はぬけぬけと言う。 「そして、まだ残っていた」 「よくもやってくれたわね」 スノムウェンの分身がこちらにかかってきた。
非常に眠い。よくわからないけど。 HPは……もうちょっと待って。 ちなみに私にはカフェインは効きません。
菓子屋に入ると、その香りはいっそう強くなる。中にはクッキーやケーキなどが並んでいた。 「いらっしゃいませ」 店員である娘が声を掛ける。愛嬌のある笑顔だった。 「何をお探しですか?」 「いや、菓子じゃない。ここにスノムウェンがいると聞いてきたのだが」 と、樹理は尋ねる。 「ああ、そうですか。少々お待ちください」 娘は店の奥に消える。 「静かだな」 ブロードは黙って店を見回している。 「樹理ちゃん、出るよ」 急にブロードは樹理の腕を引き、ドアをくぐろうとする。が、ドアが消えた。代わりに壁が現れた。 「どういうことだ?」 「どうやら、俺たちがかかってくるのを待っていたらしいな」 店の置くから、スノムウェンが現れる。娘も先ほどと変わらない笑顔で彼の側にいた。 「その通り。確かブロードといったな? 久しぶりだな」 「俺は忘れたよ。散々酷い目にあったからな」 「それでも結構。分身と言うのは辛いものなのだよ。本体の恨みを晴らすためにだけ作られることもある」 「ちなみに、あたしはそのサポートで作られた分身」 と、側にいる娘。彼女もスノムウェンの一部だった。どういう経緯で娘の姿なのかは不明である。 「じゃあ、あんたら、俺を消すために作られた分身だってか?」 「人間の中に入るために菓子屋をやっていたが、それも今日でおしまいだ」 「結構評判らしかったじゃねーか?」 実際、この店の紙袋がいくつも落ちていたし(ゴミはくずかごに入れるべきだが)、ブロードたちが入ろうとしたときに入れ違いで出てきた子供たちが何人かいた。 「でも、もう飽きちゃった。ブロードさん、そちらのお嬢さんも一緒に消えていただきます」
「あるある」のHP見たら、コーヒーでやせるには日に四回食後に飲むと良いそうだ。コーヒーなら出来るかもしれないと、やってみることにした。いつの間にか止めてしまった寒天ダイエット、その昔の数々。にがりなんか早かったな、なんか味変わっちゃってありゃダメだったね。 とにかく、コーヒーならまだいけそうだ。うん。人間前向きに前向きに……。ともかく、三日ではやめないけど、一ヶ月くらいしか持たないのが、草である。 今週の一言:ハリー…(漫画違う!)ともかく、予告なんてアテに出来ない。
「お前ら、そんなことやってたら、そのうち死ぬぜ」 ブロードはもう止める気もなく言った。 「死ぬのはこいつだけで十分だ」 と、ロセウ。 「ともかく、忠告は受け取った。とにかくこの四人は手を出さないでおく」 「ああ、それと、リストが増えるかもしれないことがあるからな、注意しておけ」 「わかった」 ブロードと樹理はスノムウェンの居場所を聞き、二人と別れた。二人は再び口論となり、がらんとした食堂で二人の声だけが響いている。 通りに出ると、樹理は歩きながらブロードに尋ねた。 「なぜ、あんなことを言った?」 もちろん、ロセウたちに手を出すなと言ったことを差していた。 「ああ、わざわざ俺らにやらせるということは、それだけの相手だってことだろ? 現にリースリーズにしたってそうだし、あのエノマは逃げ切ったんだぜ? それと……それに、魔王と呼ばれるまでになったスノムの分身がだってどう出るかわからねーし」 ブロードは、ある種の可能性を思いついた。
もしかして、俺たち(俺だけかもしれないが)を消すためかもしれない。
だが、口に出して言わない。顔に出す前にすぐに頭からその考えを離した。樹理が読むかもしれない。 「とにかくだ、魔族に関わるなんて魔族でも命がけだろ。それをわざわざやる人間なんか、さっきの馬鹿くらいだろ」 「まあな」 樹理はやや納得した。情報料としてはたいしたことはない。こちらの手持ちのものだから。 甘い香りがする店先で彼らは立ち止まった。確かにここに魔族がいたとしても誰も気づかないだろう。そこは見るからに普通の菓子店だった。
と、いうか作ってました。 今のヤツをやめて新たにっていうのは前々から言っていたことだけれども、ちまちま作ったのがだいぶ形になったのでそろそろ公開するかと。
やっていて、つくづく思ったのは「自分、センスねー」でした。 ほんと、センスねーわ自分。何、この文字?って感じ。 そんなホームページですが、この日記に書いた文章のみたいところへすぐいけるよう(日にちはスクロールしないといけないけれど)にしたので、自分には便利かもしれない。 あとは、二次創作的なものをちまちまと書いております。
つーか、これを公開させるには、あとどうしたらいいんだ?(説明書を見る)はぁ? いぐわからねーだ。えーと……。
もうちょい、かかりそうです。
カウンターが九千突破しました。 もう少しで一万じゃないか。はっはっはっ……。つーか、検索エンジンで探したら、なんか変な日記が引っかかってきたよ、くっそーくだらんこと無駄に書きやがって! みたいな人ばかりくるんですね……Red Wing(いまだ多い)の俗語、ほんと教えてあげたいけど、草の口からは言えませんし、書きたくないです。知りたかったら『蔵出し・うめぼしの謎・完全版』(三笠山出月著)を読んでください。古本屋で見つけるかどうにか、そういう努力をしてまで調べる言葉じゃないけどね。(これのために買って損したなんて言わないでね。実際損することになるけど) 一万になったら、なんかやろうかな?
「分けありってか?」 「ウォンテッダーには一人一人の目的が違うっていうからな……お教えします。俺たちは賞金稼ぎでやってるんだ。賞金のない魔族には用はないし、下手な魔族に首を突っ込むとろくなことがない。ただし、情報料として何かもらえるか? こっちとしては大した情報じゃないけれど誰かにとっちゃ必要なときがある」 ブロードは口をへの字に曲げる。樹理は、何かやれと言う顔を向けていた。 「じゃあ、こいつらに手を出すな」 メモを見せた。 「ブロード?」 樹理が不思議そうな顔をする。 「エノマ、スノムウェン、リースリーズ、カティエリ……こいつらには絶対手を出すな。何かある奴らだ。たとえ、スノムウェンが大人しくても、それが素だとはいえねぇだろ」 「ああ、そうだな。ロセウ。スノムウェンってヤツは俺の勘じゃ、こいつらよりヤバイ空気持ってんぜ」 「だろーな。お前が寸止めで留まるのは、それだけ安全だからな」 「寸止め……」 樹理もブロードもスタウトに首すれすれに剣を突きつけられた。それが、マシだということは……。 「でも、無駄だ。お前の剣じゃ魔族を切れないと何度言ったら分かる? 俺が魔力で補って初めて切れるようになるんだよ」 「どうせ切れないならいいじゃねーか。脅しくらいにはなるし」 「魔族にとって、首を掻っ切られるのは大したことじゃねーんだよ。学習能力故障でもしてんのか?」 スタウトは、魔族に会うたびに剣を突きつけ無駄に切り払っていた。 「だから、脅しでやってんよ。無駄だって言うのはわかってんだ」 「だから、それを止めれっつーんだ! それで無駄に魔族とやって無駄に命を縮めてんだっつーの!」 ロセウの悲痛な叫びが響いた。
2005年11月25日(金) |
献血した話 (続き) |
血を抜かれているときはボーとしていたせいか、「どうしました?」「大丈夫?」などと聞かれました。でも、やることとかないからボーとしているのであり、気分が悪いとかじゃないですから。でも、ひゃっこい手をしていたので、カイロもたせてくれました。で、献血後。なんか青い紙にこれらのことがあったら連絡頂戴っていうので「②男性の方:男性と……」いや、大事なことですよね、うん。男性じゃないし。 大切な命を助けるのはあなたの血かもしれません。健康な人は進んでやりましょう。(A型は足りてるなんてことないですからね)
アニムがその昔、連れていた子供だった。浅黒い肌は男エルフの証拠でもある。ただし、ロセウは少し違う。 「なんで、俺のことを?」 「今、俺が言ったからか?」 「違う違う。俺は、昔、お前に会ったんだよ。五十年以上も前だけど、アニムに連れられている時にな」 「……すいません。覚えてないです」 「だろうね。まあ、いいけどよ」 「なになに? 知り合い?」 「今、会った事あるって言ったばかりだろ! なんでお前はそう脳みそたりねーんだ!」 ロセウがまた連れの男を殴った。そして、また言い合いになる。 「あのよー、どうでもいいけどスノムウェンってヤツのことを……」 「どーせ、俺は人の話をよく聞かない馬鹿だよ!」 「ああ、そうだ。お前は馬鹿で阿呆でお間抜けだ!」 「おい」 まだ言い合いが終わらずブロードは放って置かれた。彼はなんだか腹が立って、二人を殴った。 「おい、スノムウェンってヤツを知ってるか? 知ってたら情報くれ」 殴られた二人は、ややぼうぜんとしたが、やっと彼に耳を傾けた。 「スノムウェン? この界隈にいる魔族のことか?」 「そうだよ。なんか知らない?」 「ヤツなら、この街で……」 「この街にいるのか」 「菓子屋をやっている」 「はあ?」 「ほう」 樹理が感心したような声を出す。 「人間世界に溶け込んでいるのか……」 「そんなヤツなんだよ」 連れの男が言う。 「コイツ……スタウトは鼻が利くヤツなんだ。で、さっきのようにスノムウェンを脅しかかったんだが」 「ダメにした菓子代を請求された」 スタウトと呼ばれた男はしみじみといった。 「わかった、やつはどこにいる?」 樹理が尋ねる。二人は顔を見合わせた。 「聞いてどうするんだ?」 「あなた方は、魔族なんだろ?」 「スノムウェンを消滅させるのが、私たちの役目だ。ヤツが今何をしていようと、消滅させる」
世のため人のためと、献血しました。400ccいきました。そんで、洗剤と絆創膏(サビオ・笑)とジュースとウーロン茶もらいました。血圧計ってもらった後、計ってくれたおじさんに「100歳まで大丈夫」「健康優良児」とか血液とったおばさんに「比重も問題なし、健康そのもの」と言われました。喜んでいいのやら……。わっちの歳を知ってのことか? 最近、ちょっと血の気が多いからね(特に月曜日から)、摂ってもらわなくちゃ。
言われたとおり、食堂屋つまりは飯屋に向かった。ウォンテッダーたちの情報は早いが正確ではない。アニムはそれを見極めることができると一人前のウォンテッダーだと言う。 朝の食堂は静かだった。 「忘れてた」 ブロードは、時間のことを思い出した。ブロードたちがバンデン王国に着いたのは朝方。そして門が開くのを待っていた。そして、城下町に入って約一時間、朝の八時はウォンテッダーたちは眠っている時間だった。ウォンテッダーの朝は遅い。アニムのようにまだ早い時間に起きる者もいるが、八割は昼まで寝ているというらしい。 「なんだ、ブロード。がらんとしているな」 「あいつらは夜行性だった。どうする? ジュリちゃん」 「起きてる者なら、そこにいるじゃないか」 樹理は奥に座っている男のテーブルに向かって行った。 「ちょっと聞きたい……」 「お嬢さん、魔族だな」 まだ少年と言っても差し支えない男は、剣を抜き樹理に突きつけた。 「俺になんの用だ? 消されたいのか?」 その男は笑っていた。 「ふん、逆に消してやろうか? 人間」 「待てって……」 ブロードが側により止めようとする。その首にも剣が突きつけられる。男はもう片方の手にも剣を持っていた。 「あんたも、魔族だ。でもリストにゃない顔だ。何かやって賞金首になってからにしてく……」 ガン!
男は後ろから殴られた。 「何をやってんだ?」 男と同じくらいの歳の浅黒い肌の男が、引きつった顔をして立っていた。 「何すんだ! ロセウ!」 「まーたお前は魔族に自分からけしかけて脅してるからだ! それで何度無駄に命がけで始末してると思ってんだ?」 「だから、何かやって賞金首になってから来いやって頼んでいたんだよ」 「人にものを頼む態度じゃないっつーの!」 「人じゃねー、魔族だ!」 二人が言い合いを始める。ブロードは樹理を見て、どうする? と聞いた。 「行こう。夜まで待ってウォンテッダーから話を聞く。鼻の聞かないやつらの方が面倒がない」 「そうだよな……」 ブロードは何かが引っかかっていた。 「……ロセウ!?」
2005年11月23日(水) |
「細っこいとメシ食わせてもらってないみたいで…… |
かわいそうじゃないかー!」(男はムッキリ! 女はムッチリ!) 荒川先生に一票。(何の一票?) そういえば、中学のとき英雄っていう先生がいて、「えいゆう」とか呼んでたな……。 予約限定4コマも良かったです。未成年は酒もタバコもやりません。理由はともあれ、立派な心がけです。
バンデン王国。ドラゴンが支配する大陸と呼ばれる。その名の通り、ドラゴンが多い大陸だが、支配しているとまでは言えない。 その昔、ドラゴンを手にした者はドラグーンとして世に馳せることができるとされたが、そんな人物はあまり伝えられてはいない。数少ない伝説の中で実在するというのは、ヴィヌウィス=ガーターという人物のみである。それもあまり信憑性がない。それでも、いくつもの村や街に話が残っている……。 そんなパンフレットがブロードの手にあった。樹理が城下町の入り口で手にして軽く読み飛ばしてブロードに押し付けたものである。 「ドラゴンがそう簡単に人間に許すはずがない」 と、鼻で笑った。 「そう思うか? 俺もそう思う。だけどな、セルヴェスの例だってあるんだぜ」 「セルヴェス? そう言えば、あの剣も……」 「セルヴェスは人間が好きだった。長く生きている間に信頼できる人間もいたんじゃないか?」 樹理は答えない。何か考え込んでいるようだった。 「でなかった、あのおっさんのために剣にはならないだろうよ」 「よっぽど、変わり者のドラゴンだったのだな」 それよりも、と樹理は続ける。 「スノムウェンはどこにいるか、だ」 バンデン王国は広い。城下町に入った二人はいつの間にか大きな城の前に立っていた。門からまっすぐ歩いて城門の前にいる。 「人間の作る城というのは無駄に大きいな」 「俺も、人間の時からそう思っているよ」 城門の前に立っていた兵士が、うらやましそうにブロードたちを見て、話しかけてきた。 「お二人さん、見学ですか?」 「はあ?」 「恋人同士で闘技場観戦というのも、この国では珍しくないですからね」 「闘技場?」 「ええ、この国の……まあ観光名所、名物ですよ」 「ふーん」 「あまり、興味がない。それより、魔族の話は聞かないか?」 「あれ、ウォンテッダーでしたか? それなら、城よりは宿か定食屋か酒場でしょ」 兵士は不思議そうな目になってから、持ち場に戻った。それでも、たまに二人をちらりと見る。
眼が潤んでしまいました、ガッシュ23巻。
あー、明日はアニメイトに引き取りに行かないとな。面倒だけど。 面白いサイトがありまして、「北海道人チェック」なるもの。 「スタッドレスタイヤはCMのように止まらないことを知っている」 に、すっげーうなずいた。共感した。もう、常識よ。 さて、問題です。サビオ(またはサビヨ)とはなんのことでしょう。これって、北海道限定(?)だったんだ。
ブロードはメモを取り出した。エノマはメモから消えていない。 「逃げたな」 「ふん。往生際の悪い」 「それをいうなら、俺たちもな」 「どういう意味だ? それは」 こういうときに限って、思考を樹理は読もうとしない。いい塩梅だ、とブロードは思う。 「それよりも、お前の魔力をもてあましている状態なんだ。バンデン王国まで一気に行くぞ」 「ああ、分かった。えーと、バンデン王国にいるやつは……」 ブロードはメモをめくって、止まった。 「ああ? こいつ?」 そこには、『スノムウェン』と書かれている。かつて、ブロードらが撃退させた別世界の魔王だった。 「なんだ? どうした?」 「いや……しかし」 スノムウェンは消滅はしなかったが、千年は復活は無理だろうと言われている。 「でも、こいつは……」 メモの似顔絵はブロードが知った顔だった。 「魔族は分身を作る。そいつはお前が倒したというスノムウェンの分身だ。だから、オリジナルよりは弱いだろう」 「はあ? 分身?」 そんなややこしいものまで作るのか、とブロードは呆れた。
そして、夕方雨降って雷。 月曜日ということと月一の憂鬱でへばってました。へばってちゃならないと、気を取り直しました。今週もがんばるぞ! そして、ブログも更新。(さりげなく) 今週の一言:……多分、やつらは事後処理に回るのだと。(今更出てきてもややこしくなるだけだよ、作者が)
「ジュリちゃん!」 ブロードが樹理とエノマの間に入った。彼は悪いところに入ったと思った。 「あ、やべっ」 樹理が止められずに銃を撃ってしまった。銃弾がブロードを撃ち抜く。 「どこに出てくるんだ!」 「ジュリちゃんも、止まってくれればいいものを……」 ブロードが地面に倒れた。銃に撃たれたところで魔族は死なない。しかし、樹理が持つ銃弾の効果は、相手の魔力が彼女へ送られるというもの。ブロードの魔力は樹理へと移る。 「今のうちに……」 エノマが逃げようとする。ブロードが現れたことで退却しようとした。 「逃がさない」 樹理がいつの間にか手にした剣でエノマを貫く。 大きく成長した樹理を見て、彼女は驚いた。 「あんた、その姿……オフィーリス……」 「違う。それは私の母様」 エノマが消える。樹理が手にしていた剣が銃の形に戻り、それは彼女の懐に収まった。 「ブロード、お前。どれだけ魔力を持っているんだ? おかげで抑えきれないでいる」 「……こっちは足りねーよ。あーあ、これ見ろよ。消えかけてるじゃねーか」 手のひら越しに樹理の姿を見える。ブロードはふらふらとしながら立ち上がった。 「マスター」 小さな声が現れた。 「エメム?」 青白い、か細い少女がブロードの側に現れる。 「いいよ、無理するなよ」 「でも、私はマスターのためにいるのです。それに、平気です」 ブロードはしばらく黙っていた。エメムと呼ばれた少女はじっと彼を見つめていた。彼は諦めたように笑う。 「じゃ、少しだけ頼むよ」 「はい」 エメムはか細いながらも喜びあふれた表情で答える。 「それではマスター、私の魔力に合わせてください」 ブロードの手を握り、彼女は眼を閉じた。しばらく黙ってから、ブロードは少女の手を振り解く。 「もう、いい」 「マスターはやさしいのですね」 先ほどよりも小さくか細い声を残し、エメムは消えていった。その代わり透けていた彼の体がほとんど元に戻っていた。 「妖精か。それも季節外れの」 妖精は場所、季節や時間、温度差によって強弱がある。エメムは夏に力を発揮する妖精で、今の季節はほとんど顔を出さない。しかし、ブロードの魔力を補うのことができる妖精は彼女だけなので、自ら現れたのだ。 「だから、あまり無理をさせたくなかったんだよ」 「お前にいくつ妖精がついているんだか知らないが……どこがいいんだか」 「……ほんとにな。どこが良くて俺について来るのか」
2005年11月20日(日) |
アニマルチョコビスケット |
100円ショップで二個で105円で売っていたので買いました。私のおやつ。いわゆる、つけ棒ヤンヤン(棒状ビスケットにチョコとカラーシュガーをつけていただくお菓子)の動物ビスケット版。 つーか、いい歳こいてこれがおやつとは……。いや、うまいですよ。 この季節、チョコがかたまってるのでストーブの上で溶かして食べるのが良いし。ビスケットがちょっと油っぽいけどね。
ただ今、芋が大量にあります。いろいろもらったりするんだけど、今年は芋、豊作なの? すいとん汁にしたり、ポテトサラダにしたりしたけど……。 ああ、あともう豚汁、味噌汁、カレー、シチュー、肉じゃがなんかに使っても、あまるわ。 今シーズン中に使い切れず、天上まで芽が伸びたりして……(昔、一度そんなことがあった)
最近の文章、飽きて(最大の邪魔者)きて、なんかまともに書いてないような……。すいません。金曜日、黙ってする休みました。今度はちゃんと断ってからずる休みします。 ほんと、その日の思いつきで書いているので、この話がどう進むのかとか、全然頭にありません。(何が書きたいんだろうという思いで書いてます)
そいえば、ブログもしばらくやってないなあ。やっておくわ。
今日は自転車で遠乗りだ! ちょっと離れたモスバーガーのご試食券もらったので行こう。で、近所のかつ屋の前で、何か落ちている! わざわざ止まって見てみると、ニンテンドーDSだった。シールとか貼っててすぐ子供のものだと思いました。しかし、警察に届けるにも……かと言ってこのまま道においておくのも引ける。なので、かつ屋の植え込みにおいておきました。そして、自転車で出発。そしたら、前方から子供が(大きくても小学一年くらいかな)4,5人走ってきて、案の定、DSを落とした子たちだった。よかった。置いたところを教えてあげると、お礼を言われた。ああ、ちゃんとした子だなぁと思ったよ。もう落とすんじゃないよ。
樹理はさくさくと進んでいた。夜の島は静かだった。夜に船が入ってこない日は村の明かりもポツリとあるだけで暗い。しかし、そんなことは樹理にはどうでもよかった。明るくても暗くても彼女には問題ない。 出てこないな……。 彼女は久しぶりに一人を感じた。魔族は一般的に一人を好む種族だとされている。彼女自身もそうだった。少し開放感を覚える。 ブロードはうるさいヤツだからな。 ブロードは彼なりに樹理を気遣っている。食事をするときは必ず声を掛けているし、暇になれば話しかけたりする。黙っているときは機嫌が悪いか寝ているときだった。それが、彼女には少々うるさいように感じられている。 あんなヤツでも戦力になる。私も早く魔力を取り入れて……。 元の姿に戻ろう、と思っていたとき、彼女はやっと目当てのものに会った。 「出たな、エノマ」 「あんたたちがこの島に来たのは知ってたわ」 エノマは女性の姿をした魔族。メモの絵の通りだった。そして、ブロードの言うように美人だった。 「なら早く出てくればいいものを……」 樹理が少し機嫌が悪くなる。エノマが美人であることを認めてしまったことが自分で自分が悔しいらしい。 「そうね、そうしたかった。でもね、ブロードを傷つけるわけにはいかない。消すのはあんた一人でいいもの」 「あの男のどこがいいんだ?」 「あの方のいいところが分からないの? それって子供ってことよ」 「なら、私は子供でいい。あんな中途半端なヤツなど分からなくてもいい」 樹理が銃を構える。人間の武器を自分で扱いやすいように改造したものだった。 「そんなもので私が倒せると思っているの?」 「さあ。でもこれでお前を当てれば私に魔力が移る」 言い終わる前に彼女は撃った。連続した銃声が静かな島に響き渡る。その音を聞き、ブロードが駆けつけてきた。
2005年11月18日(金) |
ずうっと前の改札機の話 |
相変わらずアクセス先を調べてみたら、「左利きは早死に」というのがあって、行ってみた。 左利きに関する話を集めたところがあって、とある学者(?)によると「左利きは事故が多い……それが、右利きの十倍」だそうである。そうなの? ちなみに、私は小学校はいる前に書くのを直されて以来エセ左利き、エセ右利きです。 細かく分類すれば、 右……書く マウス そろばん 投げる 小学校以降でやったことほとんど(笛とか鍵盤とか)
左……描く 箸 ハサミ、包丁など切るものは左 カップなど
あとは、臨機応変? リモコンは右でも左でも操作できるし(ただ押すだけだから)ナイフとフォークはなぜか右左だし。コップだって左手ふさがっていたら右で持てるし(持って口に入れるだけだからね) 「(マウス持つのに)左利きの方いますか?」と聞かれたときは、黙ってました。マウスは右だから。 もともと右にあるのは逆らわないで右で……ごめんなさい、無理です。
で、改札機なんですけど。左用の改札機があるらしい。どうやら、あの改札機は右利きでも使いにくいようです。ほんと、あれ使いにくいよ。つい、切符とか手にしているのは左なんだもの。
いや、私がなんでこんなにこだわるのかと言うと、中途半端に直すとどっちつかずになるよ、といいたいわけなのさ。 それに無理に直すのはストレスになるし。私なんか強制的に直されたとき、イラ立ってえんぴつ投げつけたからね。(言語に障害をきたすと聞いたこともあるけど……ほんと?) あと強制的に直されてると、左右がとっさにわからないかも。(つーか、右でも左でもそういう人は多いそうだ)
現在、母が32歳、子が9歳である。母の年齢が子の三倍になるのは何年後か、という問題。計算は省略しますが、計算して出る答えは2.5年後。でも、2.5年と言う言葉もないし、何ヶ月後という言葉もないので、答えは2年後となるそうだ……。
では、進と健の年齢の和は32である。十年前、進の年齢は健の三倍であった。現在の進の年齢は何歳ですか。(問題文のままなので、名前は関係ありません)
SPI検査という、就職試験の問題だそうです。なんか、平成教育委員会の問題みたいですよね。
今月の一言(脈絡はないし今月限りかもしれないけど) ええっ! 3項目!?
アインマルト島は狭い島である。エノマは魔力を糧とする魔族なので、同じ魔族であり魔力を持つブロードと樹理に近づいてくるはずなのだが、一行に姿を見せる気配はない。 「いないね」 「隠れているな」 彼らは二人、エノマは一人だ。向こうだって消えたくはない。 「二手に別れようか?」 「そう思っていたところだ」 ならば、彼女が相手しやすいようにするだけだ。ブロードは右回りで、樹理は左回りで島を一周する。お互い近すぎても彼女は警戒するだろう、と。 「じゃ、ブロード。やられるなよ」 「ジュリちゃんも気をつけてよ」 「お前が思うほど、私はか弱くない」 樹理はそう言うと、ふいっと歩き去った。 「……可愛くないな」 ブロードは、そうつぶやいて自分もまた歩き出す。
DSの脳を鍛えるアレ。教授が挨拶してくれるんですけど、「夕日が目にしみますね」なんてこというんだけど、「しみません」ってば。もうこの時間、沈んで見えませんから。 六時頃吹雪いてました。どうやら、積もりはしないようだけれども。 寒い。
エノマは、それほど恐れる魔族ではない。ただし、それは同じ魔族に対してのことらしい。人間には太刀打ちできないだろうとされている魔族だった。 「だから、アニムさんをここに呼んだのはこれとは別件です」 「へー、エノマね~」 ブロードは彼女のことを少し知っている。五十年前、人間から魔族になったからといって物珍しげに彼に会いに来る魔族が多くいた。その中に彼女がいた。 「美人だったけど、タイプじゃない」 「なら、気兼ねなく消滅できるな」 「まあね」 「しかし、お前のどこがいいんだか」 「ジュリちゃん、読まないでくれる?」 「知るか。お前が黙っていると言うことは、何かを考えているか思い出している、ということだ。自然に読んでしまう」 「悪かったな、いいところがなくて」 エノマは彼と手を組もうと言い寄ってきた魔族だった。彼は誰かとつるむつもりはさらさらなかった。だから、言い寄ってきた彼女に丁寧に断った。しかしそれが彼女を怒らせたのだった。 「では、行こうか?」 「そうだな。魔王の面も見たことだし」 「それだけですか?」 「まあ、聞いても答えないだろうから。お前ら秘密主義だし。じゃな、アニムも達者でな」 二人は屋敷を出た。 「行ってしまいましたね。別に今回のことは秘密じゃないから教えてもいいけれど……まあ、いいや」 「お主も、人が悪いのう」 魔王はにんまりと笑んだ。 「さて、アニムさん」 「なんだ?」 「あなたに来ていただいたのは、これらの魔族に手を出して欲しくないからなんですよ」 魔王の言葉にアニムが首をかしげる。魔王は懐から出したメモをアニムに見せた。それは、ブロードが持っているメモと同じものだった。ただ、一枚が白紙になっている。 「一人はもう消滅させてしまったようですね」 アニムはうなりながらメモを読んだ。 「手を出そうにも、出しようのない魔族ばかりだのう。いくら小生でも無理だ。特にリースリーズは……」 「それならいいんですけど。そのメモを持っていってください。たまに更新されますから?」 「更新?」 「その白紙に新たなリストが浮かび上がるかもしれません」
地震と津波のニュースだった。夕方は、結婚式の報道ばかりで今朝の地震のことなど忘れてしまった。
「いぬのえいが」は春に見てボロ泣きしたので最初の方だけ見て風呂入って今に至る。
テレビって、そんなもの。
「魔王はいつも寝ておるのだな」 暖炉の薪に火が燃え移るのを見ながらアニムは話しかけた。ブロードはランプかろうそくを探しながら部屋をうろつく。 「そうだろうな。やる気なんかなさそうだし」 樹理はソファーにちょんと座っている。 「ブロード、自分と一緒にするな。魔神はあれで働き者だ」 「俺の知る限り、それはねえ」 「小生も知らん」 部屋が暖まり始める。ろうそくに火が灯り少し明るくなったところで、ドアは開いた。 「今晩は、皆さん」 魔王は相変わらず少年の姿をしていて、人の良さそうな顔をしていた。 「まさか、ブロードさんたちも一緒に来ていただけるなんて、思いませんでした」 「久しぶりだから顔でも見ておこうと思ったんだ。オフィーリス姉ちゃんには聞かなかったけど、何企んでんだって思ってな。しかも、今来ていただけるって言ったな、何かあるな」 「ブロードさんはそういうことを気にしてはいけませんよ。ただ、ちょうどいいタイミングです」 「そのいいタイミングってなんだ?」 「実は、この島にエノマという魔族がいるんです」 「それって……」 オフィーリスから預かったメモにその名前があった。彼らの消滅すべき魔族がまた近くにいる。
お腹の下りの原因、風邪でした。気をつけていたに……。一昨日の日記にまで自分で警告していたのに。昨日の夜、熱を測ったところ37.1度。微熱だった。(普段は35.6度とかなのに)寝る前に、栄養ドリンクと風邪薬飲んで寝ましたよ。今夜も大事をとって飲んでおきます。 後で聞いたけど、今年の風邪はお腹に来るらしい。もっと早く知っておけば……食中毒だの寄生虫卵(こちらは人体に影響はないそうですね)だのと自分勝手に騒がなかったのに……。 今週の一言:つっこむとこが多いんですが……。お母さんネタ好きなの?
夜のアインマルト島。港村があるくらいで、後は農業が盛んな島である。つまり、田舎で辺境地。ただし、伝説が残っている。 魔王伝説。三流の魔王がこの島を支配し、二流の勇者がそれを倒した。 説明すればそれだけですむ伝説だった。どうやら、本当のことだったらしい。そんな伝説が残っているからなのか、ほかに理由があるからなのか、カルストラ……この世界の魔王はこの島に拠点を置いている。 「ここが、カルストラがいるところか?」 「ここはほとんど変わねーな」 「ど田舎だからのう」 三人は暗い屋敷の前に立っている。 がさっ 茂みが揺れる。 「誰だ」 と、樹理。 「キキュだっけ? 魔王のペット」 ブロードが茶化すように言う。 「誰が魔王のペットですか!」 ペットという言葉に反応したのか、虎のような魔獣が三人の目の前に現れた。 「誰が来たかと思えば、オフィーリス殿のご息女とアニム殿ですね。あと、元人間」 「むっ」 「確か、ブロードさんでしたね……樹理殿、初めまして私は魔王の使いをしています、キキュというものです」 「母様から聞いたことがある。とても知的な方だと」 「ありがとうございます。オフィーリス殿によろしくとお伝え願います。では、こちらへ。カルストラを呼んできます」 キキュは三人を屋敷の中に入れ、入ってすぐの広い部屋に通した。部屋は暗いままである。 「すいませんが、暖炉に火をつけるなり自由にしてください。私はこの通り、四足なので。では」 キキュは三人を置いて、カルストラを呼びに行った。
2005年11月13日(日) |
お、お腹の調子が…… |
昨日の夜から悪い。 今も続いているし。幸いトイレに何度も通うほどでないけれど。原因が見当たらないのが怖い。このくだりは止めていいものだろうか? (食中毒などで下っているときは悪いものを出しているということもあるので、下痢止めは飲まない方がいい) はっ、この間キムチ鍋食べた時か? 寄生虫卵ついていてそれが孵化そして、私の腹の中でうごめいているとか?(約三週間前の話なので、その頃まだ危険性を知らなかった) でも、寄生虫でお腹下るのか? やっぱり、食中毒か? でも、熱とかはないしな……。ともかく、一過性であってもこんなに下るのが続くことはあまりないので、不安だ。 でも、まあ出かけても平気だったし。
『よくあたるタロット占い』ブックオフで105円で売っていたので購入。 最初の方の取り扱い方で、 キャンドルに指でオイル(なんか特殊なの)を塗り点火、お香を焚く、10分瞑想って、何? 確かに、タロットカードはきれいな布で包んでおくとかそんな事かいている本はあったけど、素人でここまでやる人は、まずいない。これは、占い師になりたい人が試すことなんだね、きっと。うん。 占い方も載っているけれど、50枚のカードを読み取る方法も……。50枚って全カード数の70%以上じゃないか。すっげー。よく当たりそうだよ。
占いついでに、無料占いサイトで毛占いなどというものがあったので、試してみた。 「ケツ毛」 近藤さんかい! 笑うしかなかった。同時に骨占いもあったので、やってみる。 「恥骨」 ……。 もはや、説明など読む気もしなかったです。
だいたい夜にこの日記を書いているのだけど、今は風呂上り。まだ体あったまってますが、これが過ぎると寒気が……。今はまだいいのだけど冬本番はストーブついていても寒い。 風邪引くと辛いからなぁ、気をつけないと。
「それじゃ、僕はこれで。お休みなさい」 「お休み」 アニムはコーリーを見送り、そのまま食堂に向かった。ブロードと樹理はまだ席にいた。 「よう、アニム。アイツ、礼儀正しいヤツだな」 「そう思うか?」 「よくできた獣人だ。お前とは大違いだな、ブロード」 と、樹理。 「樹理ちゃんって、そうゆうとこ可愛くねーな」 「本当のことを言ったまでだ」 「……」 ブロードは黙ってグラスの中の残りを飲んでしまい、アニムに聞いた。 「これで、魔王のとこにいけるな」 「うん。コーリーには説明しておいた。あのドラゴンからも説明するだろう。小生たちが着いて行ってはかえって騒ぎになる」 「とんだ寄り道だったな」 「仕方ないことだ。小生が関わってしまったのだ」 「でも、ドラゴンの背に乗って走るのは愉快だった」 と、樹理は一人満足だった。 真夜中、三人は魔王のもとへ向かう。 「いいのか? アニム。別に朝になってからでもいいんだぜ」 「夜更かし徹夜は慣れておる。構わん」 「わかった。じゃあ、いくぞ」 樹理の言葉が終わるや否や、アインマルト島の地を踏んでいた。
訓練所でキーボード練習のためにショートカットでいけるインターネットゲーム(回転寿司が流れている間に言葉を打ち込むゲーム)がある。 かなり、難易度が高いので達成するには難しい。それだけの話なんだけね。
今日の想像:秋の森、何処もだけが多量発生! 落ち葉の間にぎっしり生える何処もだけ……。
すいません。変なんです、脳が。
それからは、コーリーを探すために海を右往左往した。そして、ついにコーリーがいるとされる場所についた。半獣人である彼は普段は人間と変わらない姿をしていた。だから人間に混じって宿で食事をしていた。気づけば、日は落ちて夜だった。彼らは午前中からずうっと海を駆けずる回っていたことになる。 「やっと見つけた」 しかし、これでフィッシュドラゴンのツテがなければ何十日も捜し歩くハメになっていただろう。アニムは内心はほっとしている。 「えーと……ああっ! 先輩!」 獣人コーリーは驚いて声を上げた。 「思い出してくれてありがたい。頼みがあるのだが」 アニムはコーリーにドラゴンたちの争いを伝えた。 「わかりました。多分、この剣は行きたがらないと思うけど、僕が連れて行きます。今からですか?」 「いや、お主を探してさすがにあのドラゴンも疲れておる。明日の朝出発で良い」 「わかりました。ところで、お連れの方は魔族ですか?」 「ああ、そうだが?」 「よく、無事ですね」 「あやつらは別物だ。小生は信じられる」 遠巻きでブロードと樹理は食事を取りながら見ていた。そのうち、アニムとコーリーがこちらに近寄ってくる。 「今晩は。僕がコーリーです」 「お前がコーリーか?」 と、樹理。興味なさげに言う。 「獣人ってもっとごついのかって思ったけど……あんた、なんの獣人なんだ?」 ブロードは出会って名乗らずに聞いた。 「え、ああ。僕は熊です」 「へえ、酒は?」 「はい?」 「酒は飲めるかって聞いたんだ」 「はい、蜂蜜酒が好きです」 それからコーリーはブロードに付き合って蜂蜜酒を二杯ほど飲んで、部屋に戻った。 その戻る途中の廊下でアニムと会う。 「すまんのう」 ブロードたちの非礼を謝る。しかし、コーリーはけろりとしている。 「あんな魔族がいるんですね」 「だからあやつらは世間一般の魔族とは違うのだ」 「名乗らなかったのは彼らに関わるのを避けられるためですね」 「うむ。小生のようにならんためにも……。魔族に付き合えば魔族が寄るのだ」 「それは、獣人たちのルールですから。魔族に付き合うには覚悟が必要でって」 そして、避けたければ関わるな。ウォンテッダーたちは自ら関わろうとする、本当に命知らずな者ばかりだった。
二十周年だったんだ……。 アニメも長いよね。 三十歳な乱太郎がなんかぺさんに見えるのは私だけだろうか? いつものことながら、最近はよく考えながら読まないとついていけない。
「言っとくが、セルヴェスは人間と旅をしたドラゴンだぞ」 アニムが言った。しかし、フィッシュドラゴンは続ける。 「それでもいいんです。彼ならいさめられる気がします」 「わかった。ただ、今セルヴェスの剣を持っておるのは獣人の若者だ」 「獣人ですって? なんとまあ、なぜ?」 「それは、セルヴェスが認めたからだ。それに小生が持っておるよりずうっと良い。あやつもわがままだ。バルクの子供や孫について行こうとせんかった」 だからバルクは剣をアニムに預けた。こいつが気に入った奴に渡してくれ、と託された。それが、獣人だった。 「なんという獣人ですか?」 「コーリー……獣人とは言ったが、半人半獣だ」 「ハーフの獣人ですね」 「そうだ」 「わかりました。行きましょう」 フィッシュドラゴンは勢いよく泳いだす。それは、それまでの船旅のようにゆったりとでなく、風を切るように速い。速さで振り落とされないように三人は首にしがみついていた。 「おい、わかったって、なんだ!」 ブロードが大声を上げる。でないと、聞こえないようだった。 「幸い私は獣人との知り合いが多いのです。コーリーなら、ツテがありますから、見つけるのには苦労しないでしょう」 ドラゴンはますますスピードを上げた。樹理は首にしがみつきながらも満足そうな顔をしていた。
2005年11月09日(水) |
ヤツの季節がやってきた |
ヤツとは、アレのことである。 冬と雪 そりゃ、雪は風情とか情緒とかあるけど実際は恐ろしいものである。車を運転することが今年はなさそうなんで安心できるけれど……。雪による圧雪アイスバーン、水と低温によるブラックアイスバーン。(←最凶)運転するものを凍りつかせる黄色間際の信号前……。そんな危険な道に無駄にうろうろ出てくる年寄りとか自転車とか。あーやだやだ。北海道今んとこワースト1じゃないけど浮上するのも時間の問題かもしんない。
ドラゴンは、周りが海だけで何もないところでその理由を話し始めた。 「実は、北のドラゴンたちが争いを始めてしまったんです。人間で言えば喧嘩なんですが、人間にとっても私たち海に住むドラゴンにとっても迷惑な話なんです」 フィッシュドラゴンが言うには、北のドラゴンたちは二つに分かれて争っているらしい。一つは、今までどおりの暮らしを考えている平穏派、もう一つは人間世界に交わっていこうとする進出派。力あるドラゴン二匹は留守がちでいないのでそれを止めるものはいない。今クレンム北のバンデン王国はこのドラゴンたちが起こす争いが地震となり、迷惑しているという。そして、その争いは普段滅多に地上に出ることがないフィッシュドラゴンやクレンム南のドラゴンたちにも答えを出せと強制されているという。 「なるほどのう……」 「しかし、その力あるドラゴン二匹はどこに行ったのだ? そいつらを探した方が得策ではないのか?」 「その二人は、人間界に混じっているんです。そうなると進出派が有利になります。できれば、セルヴェスの意見を聞きたいのです」
ブックオフで欲しかった本。プロミスリングの作り方の本を買ったの。まあ、結局はブレスレットが作りたいがために買ったんだけど。 でもね、その本、めちゃくちゃわかりにくい。四つ編みは本当にわからなくて、フィッシュボーン編みにしたし。これでいいのか悪いのか、五段くらい編んで止めた。疲れたから。(しかも、大した成果が出ていない)
「頼みって?」 「なんだ?」 「元北の長セルヴェスの形見姿を探しているのです」 そのフィッシュドラゴンは言う。 「形見姿って?」 と、ブロードがアニムに尋ねる。 「ドラゴンは死ぬとその身を何かに変える。それがなんであるかは決まってはいないが……セルヴェスの場合、バルクが持っていた剣だ」 「魂が物質だからな。我々よりも特殊な身体をしているのだ」 「じゃあ、アニム。あるとこ知ってるよな?」 「エルフよ、それは本当か?」 「確かに、小生が持っておったが……。あれは小生が持っていても価値のないものだし、旅には邪魔だからのう。やった」 「やった?」 「あげたのか?」 「正しく言えば、貸してやったのだ」 「どこの誰にだ?」 アニムはそれに答えなかった。 「で、ドラゴンよ。セルヴェスを……それをどうするつもりだ?」 フィッシュドラゴンは黙っている。 「答えられぬならよいが……。一応言うが、あれはセルヴェスが望んだ者しか持てぬ剣だ。小生がそやつに貸したのも、そやつはセルヴェスが気に入ったからなのだ。そして、セルヴェスは世界が見たいがためにあの姿になった。その辺を理解してもらおう」 「わかりました。でも、私たちは今、セルヴェスのそれが必要なのです。お願いします。わけは……とりあえず、私にお乗りください」 フィッシュドラゴンは背を差し出すように浮かせる。 「ブロード、一緒に行こう」 「はあ?」 「ドラゴンの背に乗れるなど、滅多にない」 「おいおい」 「いや、お主らがついてきてくれるとちょっと助かる」 アニムはドラゴンの背に乗る。続けて樹理も。ブロードも仕方なく後に続いた。乗り気だったほかのウォンテッダーたちは呆然としている。仕事が、しかもドラゴンからの依頼を逃してしまった悔しさと安心感が入り混じった複雑な眼でドラゴンを見送った。
例の何処もだけです。先日、おじいさんとおばあさんが存在することを知りました。もう、やつらが転がってるCMにメロメロです。何、あの可愛すぎるキノコは!(どうやら、かわいいと思っているのは私ぐらいらしい) まかり間違ってポケモンだったら多分手に入れるのに一生懸命になってるかもしれない。(棒田不穏の栗は好きになれない)ともかく、あのキノコは可愛くてたまらない。 そして、今週も例の一言。『えっ? 匂い? 短いのも似合いますよ』
その後の退屈な船旅はブロードは寝てすごした。樹理はしばらく自室にこもっていたが、それも飽きたのかまた船内を見て回っては満足していた。リースリーズはもう船上いない。それはそれで安心できた。アニムも女の子を相手に商売している。船長には魔族はいない(いないことはないが)と伝えたが、結局は逃がしたので礼金などはもらってない。ただ、彼もそれでいいと言っている。彼もまた、リースリーズを相手にしたくない一人だった。 やっと陸が見えるようになり船旅も終わる。アニムはこのままアインマルト島行きに乗るという。 「私たちも、魔神に会うか」 と、樹理はぽつりと言った。 「魔神?」 「カルストラのことだ。奴の通り名は一つではない」 「魔神ねえ……」 カルストラのことはよくわからない。もしかしたら、彼自身もわからないのではないかと思う時がある。わずかながら一緒にいたときがあるが、そういったふしが見えたことがある。 「まあ、久しぶりに奴に会うのも一興かもな」 「決まりだ。アニム、一緒に行く」 と、樹理。 「それは構わんが……」 「船を降りたら私が移動魔法を使う。一緒に来るな」 「退屈な船旅をしなくて良いのなら、越したことはない。ありがたいのう」 こうして、三人はアインマルト島に向かうことになる。 しかし、突如それは遠くなった。 「きゃー!」 悲鳴がいくつも聞こえる。港に着きかけた船は大波に揺らぐ。海面から何か大きなものが浮かび上がった。ざーっと、海水が甲板に降り注ぐ。 「なんだ?」 きわめて冷静な声で樹理は眺めた。 「フィッシュドラゴン……こんな港近くにいるとは、珍しいのう」 アニムの声も落ち着いていた。 「なんだよ! そんな感心してるヒマねーよ!」 「大丈夫だ。ドラゴンはむやみやたら人間を襲うことはしない。フィッシュドラゴンは北の方のドラゴンだからのう」 「大丈夫って、オイ!」 大丈夫じゃねーよ……。 船はひっくり返りそうなくらい揺れている。船の二倍はありそうなドラゴンはゆっくりと長い首を甲板に寄せてきた。 「こちらに、ウォンテッダーはいますか?」 何人かのウォンテッダーが声を上げた。 「ドラゴンが依頼か!」 「なんだなんだ!」 ドラゴンは静かな声で言う。 「ぜひ、私の頼みを聞いて欲しい」 ブロードはいやな予感がした。目覚めてから、何度目だろう。
2005年11月06日(日) |
たこ焼き機と酒バトン |
うちのマミーが、たこ焼きにハマッている。老人グループホームでよく作るらしいが、そのハマりようは尋常ではない。そして、ついにたこ焼き機を溜まったポイントで購入! 早速試し焼き。うん、うまいよ。うまいよ、マミー、なんか私もハマりそうだよ。
また一龍&との様よりバトンが回ってきました。ウェブ冥利に尽きます。(?)自分にうってつけじゃないか! なんて思うバトン。でもたいした面白いことは答えられないかも。
Q1.今、冷蔵庫に入っているお酒の容量は?
えーと、うちのマミーのお酒なんですが、アサヒ本生(赤)500ml2本と350ml6本くらい。氷結が4本くらいかな。ほとんどは母のものですけど。 あと、飲みかけの赤ワインと去年お土産で買った春鹿。 冷蔵庫以外にも梅酒やら日本酒やらがある。
Q2.好きな銘柄は?
ビール。それも、アサヒスーパードライ。でも、お金がないので仕方がなくアサヒ本生で……。母の影響です。多分、母がサッポロのんでいたら、サッポロ飲んでいると思います。 ビール以外は、梅酒(ホットでもソーダ割りでも)、林檎酒とか檸檬酒とか甘いリキュールのロックとか、カルピスチューハイなんかも。最近、ゴクリの焼酎割がおいしいことを知った。 ブランディーは味がわからないので、メロンを少しくりぬいた所に入れてメロンと一緒に食べたりします。ウィスキーはまだ味わかりません。(飲んでもおいしいとは思えない) ワインはそれほど好きじゃないけど、地元で出している「無添加コンホード」というのが、おいしいと思ってます。 日本酒、おととし東京に行ったとき買った「澤の井(漢字あってる?)大辛口」母と正月に飲んでうまいうまい言った。あと、春鹿『ときめき』もうまかったなぁ。 カクテルは飲まなくなったけど、カルーアミルクとかシャンディガフとか、そのあたり。
Q3.最近最後に飲んだ店は?
外であまり飲まないので……。旅行中も友人が飲まないのでほとんど飲まなかったけど、大阪駅近くの臼臼というところで、おでんとビール一杯。
Q4.よく飲む、もしくは思い入れのある5杯。
よく飲むのは、上に述べたようにアサヒの本生。発泡酒。増税反対。余計なこと言ってみる。 よく飲むのはそのくらい。 特に思い入れはないのですが、飲んでみたいのは「サミクラウス」というアルコール度が高いビール。レモンハートという漫画を読んで知って一度は飲んでみたいなぁ、と。名前がかっちょいいのでもじって自分のキャラにつけたし。(でも、サンタクロースって意味) あと、お酒の瓶はかわいいので好き。お酒の魅力はここにもあると思う。
Q5.ジョッキを渡す五人。
酒飲み友達もあまりいないので……。(今、最大の酒飲み友達はうちの母だわ・笑)すいません、ここで止めさせていただきます。
後で悔やむから、後悔。 友人は、最初から欲しいものが入っていないガチャガチャに小銭をつぎ込んだという。 私は、この無節操な日記をどう編集しようかと悩んでいる。 とりあえず、明日は受け取った酒バトンの回答をしようと思っている。
「ああ、それにしても。こんな気持ちになるのはリースリーズのせいだ」 と、ブロードはテーブルに頬杖をついてため息をついた。 「そうだな。あやつはいらぬことまで思い出させてくれる」 彼らは自分たちの過去をリースリーズに見せられた。エルフにしても、魔族にしても、それは思い起こすのに苦労するほどの昔の話だった。そして、懐古の情に捕らわれた。 「もう、寝る」 まだオレンジは残っていたがブロードは立ち上がった。 「また、明日な」 「ああ、明日。お休み」 アニムが手を振った。まだ残るつもりでいるらしい。 ブロードは部屋に戻るまでは黙っていた。部屋に入ると樹理は頭から毛布をかぶって丸まっていた。 よっぽど、悔しかったんだろうなぁ。 口ではかなわないと言っていたが、圧倒された屈辱が彼女に残っている ブロードもまたベッドに入って横になる。有無も言わさず、懐かしい思い出を見せ付けられた。そして、それに抵抗できない自分。悔しいのは樹理や自分だけじゃない。アニムもうそうだろう。 まだ幼い弟、両親、そして自分。 楽しかった。できればずっと浸っていたかった。それが、記憶からむりやり引っ張り出されたものでも。ブロードは頭を振ってその考えを払った。 いっそ、人間の頃の記憶はなくなってしまったほうがいい。 とまで、考える。だが、それも頭から払った。 「はっ何考えてんだ、俺は」 しかし、と彼は思った。 「オフィーリス姉さん、なんていう奴をリストに載せたんだ?」 リースリーズは最後まで相手にしたくない、と彼は思った。
友人からメールが届いた。で、家で飼っているリスの写真送ってくれた。うーん、ぷりちー! 動物は癒させるー。
アニムとブロードは食堂に戻った。支給人にデザートを頼む。 先ほど座っていた席は他の乗客が座っていた。こちらは二人となったので、二人掛けの席に案内された。 「大変だのう、ブロード」 「うん? ああ。ほんと、樹理ちゃんは難しいよ。でもな、オフィーリス姉さんの子だし、俺は女の子大好きだから」 「相変わらずだのう」 出されたデザートはオレンジだった。船上では日持ちするものばかり出てくるので、船旅をする人々にとっては常識だった。 「まあね。アニムは今一人なのか?」 「うん。ロセウはスタウト……バルクの孫の一人だが、そやつと一緒に行動しておる」 「へー」 「スタウトは任せても安心できる……というか、あやつらは恐るべきウォンテッダーとして名を馳せ始めておるのだ」 アニムがうれしそうに言う。ロセウもスタウトもウォンテッダーの教えを仕込んだのはアニムである。ロセウは融合した魔族の影響で強力な魔力を持ち、スタウトは代々受け継がれた剣術に長けている。そんな二人が最強でないはずがない。 「お前、そんな危険人物を世に送り出してるのか?」 「まあ、悪いことはせんと思うからのう」 「じゃあ、なんだよ、その恐るべきってのは?」 「さあてのう? 巷ではそう呼ばれておるだけだから」 「責任重大だぜ」 「小生の責任ではない。もう、一人前のウォンテッダーなら自分らの責任だ」 「そのうち出会ったら聞いてみるよ。誰の影響を受けたんだって」 もちろん、アニムの影響がないはずがない。
自転車に乗ってると、雪虫がぶつかってきます。やつらは非常に貧弱で指で触るだけで動けなくなります。もう文字通り虫の息です。で、鼻に止まってしまった雪虫は払われて地面に落ち……。今年、札幌では大発生していたとか? 昔はそりゃあ風情があったんですよ。この虫が出てくると二週間くらいで雪が降るとかって。 ドコモダケ、ついにぬいぐるみを手に入れました。ガチャポンのやつなんですけど、これが母なのか父なのかわからない。(一個なので対照になるものがない)
「ついに現れたな。いいか、死ぬ気でやれ」 樹理が銃を向ける。アニムもカードを向けた。 「十三『死神』か……厄介だのう」 「占いなんかやってる場合じゃねーだろ」 しかし、リースリーズは動かない。にっこりと笑っているかのようだった。 「えーと、久しぶりね。エルフの坊や。もう、坊やってほどじゃないか」 アニムに向かって言った。 「あんまり久しぶりだからいいもの見せてあげる。そして、そこの魔族さんにも」 アニムとブロードがそのまま立ちすくんで動かない。リースリーズはそれから樹理に向かって言った。 「私は十分食事を取ったの。だから、今は帰るわ。二人のことよろしくね、生まれたばかりの魔族ちゃん」 「ま、待て……」 「せっかく見逃してあげるのだから、素直に受け取りなさい」 彼女は無表情に樹理に伝えた。樹理は動けなかった。今の彼女は、蛇ににらまれた蛙だった。リースリーズが消える。 「ちっ」 彼女は舌打ちする。まだ立ちすくんでいるアニムとブロードを蹴り倒した。 どたっ!
二人が甲板の床に倒れる。同時に身体を打った痛みからうめき声を上げた。 「いたた……」 「何すんの? 樹理ちゃん」 「リースリーズが逃げた」 「見逃してくれたのだな」 アニムが訂正する。 「……」 樹理は、何も言わずうなずいた。 「どうゆうことだ?」 「知らん。あやつの気まぐれか、小生らを相手するにつまらぬと考えたのか……。どちらにせよ運がよかった」 「何も、できなかった」 樹理がつぶやく。 「気にすんなよ、樹理ちゃん」 しかし、樹理はブロードの言葉を払って部屋に戻って行った。ブロードがアニムの顔を見る。その眼は、どうしたらいいんだと言うような複雑な思いが込められていることをアニムは悟った。 「しばらく放って置いてやれ。女の子なら甘い物に喜ぶだろうが……あの子は難しいのう」
あなたの知らない簿記の世界。それまで事務に無縁だったので、簿記というものがどういうものか知らなかった。 今のとこ、数学的なものじゃなくて、専門用語にやられそうだわ……。
「アニム、おめえは引っ込んでな。魔族同士なら何とかなるだろう?」 ブロードはそう言って樹理を見る。彼女は、ふんっと鼻で笑った。それが何を意味するかわからない。 「多分、無理だろうな」 樹理はきっぱりと言い放った。 「なんでだよ」 「どちらにしても、魔族としては私たちは半人前なのだ。かなうはずはない」 「それなら、リースリーズもそうだろう?」 「やつは、とっくに魔族になっていいはずの人間だったんだ。お前のように寝腐っていたというわけでもなかったし」 「じゃあ……」 「喰われるのはこちらの方だ……でも、喰われたくはないだろう? お前も、エルフも」 樹理が懐に手を入れる。アニムも例のカードを取り出した。 「へえ、精神の物質化ができるのか?」 「それが、取り柄でもあるのだ」 「ドラゴンみたいなことをするのだな」 「もともと、やつらとは近い存在らしいからのう」 「さてと、奴をどう扱う? ブロード」 「やるしかねーだろ。こっちが死なないためには」 「消滅させても良いぞ。こっちの身のほうが大事だからのう」 三人が同時に席を立った。デザートは支給人に後で食べると伝える。 そして、三人そろって甲板へ出た。暗い、誰もいない夜の甲板。すでに寒くなってきている。三人は黙る。 「あらあら、静かになってしまって……。ごきげんよう、皆さん」 リースリーズは現れた。アニムが知る姿で。その姿は、小柄な少女で黒のぴったりとした服。盗賊のような姿である。 「ああ、思い出してきた。お主は盗族だったな」 盗族はその字通り、盗みを生業にする一族。リースリーズが古いものを盗んでいたのもその影響があるらしい。 「ええ、でも今は古いものはいらないの。エルフの脳はおいしいかしら?」 「さあ?」 「そして、魔族の脳っておいしいかしら?」 リースリーズは感情のないように言う。アニムが知る彼女はまだ、感情はあった。まだ、人間に戻れるくらいに。
今日はほとんどの映画が千円で見られるので、チャーリーとチョコレート工場を見てきました。子供向け(?)のわりに見る大人が多かったのかも。(夜ということもあり子供いなかった) ウォンカさんがキモかわいかったです。原作を読んでないので、なぜ歯科院があんなところにあるのかわからなかったのですが……。まあ、そのうち読んでみようと思う。
メモには、『リースリーズ』と書かれていた。 「……無理だろ」 「無理だのう」 リースリーズは原則的には魔族ではない。しかし、ここに名が載っているということは、とうとう魔族として受け入れたらしい。ブロードが最初に魔族となった人間としたら、彼女は二番目だ。 「これまた、懐かしい名前が出てきたな」 アニムの顔は引きつっている。 「……俺はあんま知らねえけど、なんか精神的ダメージを受けるとかって聞いたことがある」 「奴は、人の記憶を読んでその記憶の人物に化ける。そいつが自分より強いということを見越してのう。昔、まだ奴が人間だった頃一度だけ会った。あの時はまだよかったのだ思い出を喰っていた頃だったからのう」 「思い出を糧にするのか?」 「だから、古いものを盗んでいた。人が思い出をこめたものを……しかし、レイム=トグスマンというウォンテッダーがそのリースリーズから盗んだものを取り返した。それからはしばらく大人しくしておったというのだが……」 「いつしか、脳を喰うようになった魔族だ」 と、樹理は静かに言う。 「そして能力は数段上がって、こちらの忘れていることすら思い出させる」 「なんで、リースリーズはそうなっちゃんだ?」 「さて?」 アニムはため息をついた。相手が悪すぎた。
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