気まぐれ日記
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ので、さっさと行きますか。
「のう、バルク。お気をつけてとはどうゆう意味だ?」 「そのまんまの意味だ」 アニムの問いにバルクは簡単に答えた。 「そうか……」 わけのわからないドアの数字を眺めながらアニムの不安は募っていった。 「ねえ、バルク。このドア……」 「ああ、客間だ。ドアの数字は気にすんな。なにしろ大昔の城だからな、よくわからん」 「そう……」 バルクは大きなドアの前で立ち止まった。 「ここから兄貴の部屋だ。国王だからって遠慮するこたあない」 しかし、とバルクは続ける。 「手加減はすんな」 ドアノブに手をかける。 「誰だ? ノックもなしに」 「おう、兄貴、久しぶり」 「……」 兄貴と呼ばれたバルクの兄は、剣を抜いた。バルクがすかさず剣を抜き、その剣で国王の剣を受け止めた。 「よう、ヒーガル。久しいな。子供に女の子連れでさらに獣人まで連れて、一体なんだ?」 「早とちりだよな、兄貴は。里帰りした弟を剣で迎えるとはな」 国王の剣が離れた。 「では、聞こうではないか。ここに来た理由を」 国王が言った。ルイがうれしそうに答える。 「おいしいチョコレートがあるってきいたから」 「兄貴、紹介するぜ。俺の今の旅仲間さ」 ややあっけにとられた国王だったが、少し考えて首を振った。 「どうやら誤解があったようだ。後でお前の仲間のことを紹介してくれ。今、少しばかり大変なことがあってな……」 国王は少し歩いて、隣の部屋に案内した。そこは、彼の妻、つまり王妃の部屋だと言うことをバルクは知っていた。 「ポーレンになにかあったのか?」 「ああ、あった。しかしな……」 ドアを開けると、少し体調の悪そうな王妃がベッドに横たわっていた。しかし、元気そうだ。 「あら、ヒーガル。何年ぶりかしら?」 「久しぶりだな、ポーレン。ちょっとやつれてるようだが……」 「わたしったら、丸二日寝ていたみたいなの」 「丸二日? その身体でか?」 部屋の入り口付近にいたルイがアニムをつついた。 「もしかして、あの王妃様のおなか、赤ちゃんがいる?」 「ああ、いるのう」 「んなの、珍しくないだろ」 と、レト。だいぶ元気になったらしい。 「人間のは珍しいわよ。すごいよね、おなかで育てちゃうんだから」 「……悪魔はどうやって生まれるのだ?」 「みんな、ばらばらだよ。木の股から生まれた悪魔もいるし」 「……それなら、人間のは珍しいだろうなあ」 アニムが納得したように言う。 「で、どこが問題なんだ?」 丸二日眠っていたことは異常だが、目覚めたのだし、どうやら命には問題ないようだ。しかし、問題があると国王は最初に言っている。 「それがな、今度はポーレンを眠りから覚ました魔法使いとやらが、眠ってしまったんだ」
ポケモン見るために。(爆)
ビアソーイダ城。その大きな城はもう、何千年も前に作られた、という。あちこち修正され、さらに一回部分は民間に開放され、図書館と博物館、大浴場がある。つまりは観光名所ともなっている。王族が住むのは二階からになっていた。 「ほおう」 アニムはため息のような、感嘆の声をあげた。 「ここがバルクのおうち……」 ルイも見上げている。 「入るぞ」 ぽかんとしている二人を連れて、民間人が通る大きな玄関から入る。バルクは見回した。 「おい、レト!」 レトはまだ入り口できょろきょろしている。 「人間がいっぱいいると疲れる」 「何言ってやがる。船よりはましだろ」 「確かに」 図書館の入り口の脇にある小さなドアを開けようとする。鍵が閉まっていた。バルクは首に提げているものを襟から引っ張り出す。鍵、何の変哲もない鍵である。 かちり、と音を立て、そのドアは開いた。 「ここから王族の領域だ。静かになるぜ、レト」 レトを含め、三人はぽかんとしている。 「なんだ、どうした?」 「いや、なんか、つっこみどころが多くてのう」 「いいから入れ」 一人のメイドがドアの前で待っていた。 「おかえりなさいませ、ヒーガル様」 「おう、ラナか。相変わらずだな」 「国王にお会いになりますか?」 「ああ。案内はいいぜ。覚えているからな」 「わかりました。お気を付けて」 「おう」 ラナと呼ばれたメイドの言葉に、アニムは首をかしげた。背中に変な寒気が一瞬走った。
FF8を再プレイ。そしたら最初のダンジョンでタイムオーバーでゲームオーバー……。
「レトが落ち着いたら何か食べさせよう」 アニムはそう思って、久しぶりの肉料理を食べた。船上では魚料理ばかりだったからだ。まるで、それがしきたりのように船の中では魚介類が主流なのだった。 「でもよ、ここは夜中は閉まるんだろ?」 バルクがワインをちびりとやってから言った。 「なにか、作ってもらっておこう」 「あとは情報収集だな。まあこれは兄貴に聞きゃわかるだろ」 食事をしながら次の行動のことを相談する二人をそばで見ながらルイはつまらなそうにカルミアを見た。 「何?」 「あたしたちと一緒にいかない?」 「ごめんなさい。帰らないとならないから」 「そう、そうよね。ごめん」 「でも、フォーランズに来た時は寄ってね」 「うん、そうする」 食事が終わるとそれぞれ部屋に戻って眠った。結局レトはその日は休んでいて朝まで起きなかった。 「馬車はやめとくか」 「そうだな。レトの奴、乗り物弱そうだしな」 朝、先に食堂に下りたバルクとアニムがそう話していた。 「なんの話?」 ルイが起きてきた。格好は寝巻きだったが寝ぼけてはいないようだ。 「ああ、馬車で行かず、歩いていこうってな」 「そっかー、レト船酔いしたもんね。歩いてどのくらい?」 「半日もかからんはずだが、どうだバルク」 「3時間ってとこだな。街道を歩けば。奴らはでるだろうけど大丈夫だな」 「やつらって?」 「いわゆる、ゴロツキか?」 「ああ、窃盗団がいてよ、旅行者やら荷馬車やらを襲うんだ」 「ずいぶん危険なんですね」 と、カルミア。いつの間にか起きてきた。 「まあ、俺の弟や甥っ子が蹴散らしてるからな、大丈夫だろ」 「でも、襲われないということはないんだよな」 レトが、だいぶすっきりとした顔で降りてくる。 「まあな。どうだ、調子は?」 「だいぶいい。腹減った」 レトは情けない声で言った。
を作る時のカラメルソースって危険ですよね、高温にもかかわらずなめたくてしょうがない。でも、私の作るのは苦いよ。今日は固まらないなと思っていたら、天板が二枚重なっていた……。たまに作るとこれだ。
獣人レトには辛かった船旅も、その日が最後だった。彼はいくばくかよくなっていたが、顔色はまだよくない。彼は思った。 帰りのことは考えたくない、と。 ビアソーイダについた一行は港町で宿をとった。今から城下町に向かっても真夜中になるからだ。久しぶりの陸地の食堂にて、全員そろって食事を取る。 「この地は初めてだ」 アニムが言った。 「あたしもー。バルクが嫌がっていかなかったのよねー」 「バルクさん、この島の出身だったんですか?」 「ああ、まあな」 「これで、現国王の弟なんだからのう」 「え、じゃあ……」 「王子ってことはねえぞ。今の兄貴が王だからな」 「いいえ、ビアソーイダ王族にとても一致していると思いました」 カルミアが納得した顔で言う。 「どんなふうに?」 と、アニム。 「剣術に長けていて、粗野で放浪癖があるって聞いています」 「まあ、そのとおりだのう」 「うるせー」 「ねえ、バルク」 ルイが甘えたような声でたずねる。 「名産のチョコレートってどこで売ってるの?」 「ああ、城下町だよ。ビールもな、そこに行かないと売ってない」 「なーんだ」 「ともかく、兄貴に頼めば空き部屋くらい貸してくれるだろうしよ」 アニムは宿代がういたことににやりとし、ルイはお城に泊まれることにわくわくとした笑みを浮かべる。 「私は、ここでお別れね」 「カルミア?」 「帰らなければならないから、ね」 「そんじゃあ、今日が最後の晩餐か。何食う?」 ちょうど店員が注文をとりに来た。それぞれが注文をする。一人足りない。 「レト? レト!」 「うぇえ……。まだゆれるー」 今までずうっと黙っていた彼はまだ船酔いが続いていた。 「気持ち悪い……」 「重症だのう……」 「寝ていたほうがよさそうね」 バルクは彼に肩を貸して先に部屋へ連れて行った。
すっごー! ちなみに1千件目にあたった方、ご連絡ください。粗品代わりにリクエストで書きますよ。(笑)
「呪い解き、か」 彼は応接間のソファーに戻って首をかしげた。 はっきりというと自分の専門外だった。 「それが本当に呪いだっていう証拠はあるか?」 「いいえ。でも、お医者様に見せても首を振るばかりで……」 「そうか。力になれるかどうかはわかんねーけど、一応、君のお母さんに合わせてくれ」 「はい、お願いします」 彼はフエクアに案内されて、彼女の母、つまり王妃に会いに向かった。 「あ、さきに父様に会ってください。父様の部屋を通らなければ母様の部屋には入れないですから」 「おう」 歩きながら彼は、ややこしいなと思う。この城は少し入り組んでいた。さらに客室だろうか、ドアに番号がふってあるが、その番号はどれも1,2,3と並んでなく、2,3、5、7、11……という様な振り方をしていた。 「……素数か」 「何か?」 「いや、このドアの数字……」 「ええ、どうしてかよくわからないのですが……そすうってなんですか?」 彼は、はっとして、なんでもないと言った。多分、彼女が知らないだけだろうと思う。どっちにしろ説明が面倒だったので適当にあしらった。 「ここが、父様の部屋です」 大きなドアのまで二人はとまった。 「気をつけてください。父様って殺気を感じただけで切りかかりますから」
CMにて。「ずっと気になることがあるんですよ」「じゃあ、ずっと気にしていてください」言ってみたいー。
彼はぼんやりと座っていた。しばらくじっとしていた。 「なんだって今更魔法使いなんだ?」 この国のことはよく知らないが、王家のものは剣術に長けて、王族で城を守っているくらいだ、と聞いたことがある。 またぼんやりとしている。ふいに廊下が騒がしいことに気づいた。 「ばかばかばか、お兄様の馬鹿!」 「な、フレクア落ち着け。応接間の前だ」 「どうして、魔法使いを連れてきちゃだめなのよ。父様だって……」 がきん! 金属がぶつかり合う音がした。 「落ち着けって、だいたい魔法使いは人間ではいないだろ! でなきゃお前が連れてきたのは魔族かなんかだろ。剣抜くな」 「そんなの、構わないわ。魔族だろうとなんだろうと」 「だから。剣収めろってのに!」 彼は、なんだか背筋が寒くなった。一瞬のことだが。つい聞き耳を立ててドアのそばにいたが、そこから離れた。その瞬間、廊下側から剣が刺さり、刃が深々と突き出た。 「あっぶねー!」 彼はドアを主っきり開けて講義した。しかし、フレクアの兄は、 「フレクア。剣収めろよ。客人に怪我がなくてよかったな」 と、言った。 「間違ってたら、死んでるわい」 「ごめんなさい、魔法使いさん」 「妹の剣をはじくくらいしかできないか。まだまだ俺も修行が足りん」 フレクアの兄はふらりとその場を離れた。 「お兄様、また旅に出る気ですね」 「はあ?」 「私とトルフレお兄様は双子なんです」 「そいいやそっくりだな」 「はい。自分を磨くんだっていっては修行の旅に出ます」 「まあ、いいや。それで、王様は?」 「お父様を呼んでこようとしたんですが、途中でお兄様に見つかりまして、胡散臭い魔法使いは連れてくるなって」 「ほお……」 「で、でも、今の私たちは魔法使いにすがりたい気持ちなんです」 「なんで?」 「私たちの母様が、妊娠してまだ、目覚めないんです」 彼は、彼女の言葉を理解しようとした。並べ替えて付け足して、ようやく口を開いた。 「君のお母さんは妊娠中で、何らかの形で眠り続けているってことか?」 「はい、そうです。そう、言いたかったんです」 「かなり言葉を付け足したぞ」 「どうか、母様の呪いを解いてください」 それが、彼に課せられた問題らしい。
の、初回限定についてくる「焔の錬金術師」。ロイさんがいっぱいです。ブラックハヤテ号と戯れようとするロイさんがりりしいです。(笑) 仮眠の時、枕を抱いて寝るようです。(爆笑)
彼は彼女に連れられて城にやってきた。歴史ある城なのか、あちらこちら修復している。やたらに大きく、一階のほとんどは図書館と博物館と大浴場で占められている。無料なので彼は一度ここで風呂に入ったことがあった。 「改めて、馬鹿でかい城だな」 「そーね。こればかりはしょーもないわ」 フレクアは図書館の入り口の近くにある小さなドアを開けた。彼を入れると自分も入り、ドアを閉め鍵をかけた。 「まさか、ここからが王家の領分……」 「そうよ。他の国のどんなお偉い様もここを通らなければ王には会えないの。さ、ようこそ。わが城へ」 彼女は一礼をする。 「で、王様とやらはどこにいる? 俺はさっさと用済ませて帰らんとな」 「ああ、ごめんなさい」 フレクアは彼を応接間に案内する。 広いがソファーとテーブルのみの部屋だった。彼女は腰掛けるように言った。彼は遠慮なく座った。 「いらっしゃいませ、お飲み物はいかがですか?」 メイドが聞いた。 「……ラナ? なんてこった」 「まあ、ブロード様。何年ぶりでしょうか」 「相変わらずだな。とりあえず、紅茶をもらおうか」 「かしこまりました」 ラナと呼ばれたメイドは部屋を出る。 「なんであなたがラナのことを知っているの?」 「あ、なんでって……」 彼は口元に出かけたが、ひっこめた。 「昔からの知り合いだからさ」 「本当ー?」 疑い深く見たが彼女は諦めて、父様をよんできます、と部屋を出る。 応接間に一人、彼は残された。
えーと、今日買ったのは鋼の錬金術師6巻なんですが、昨日買った落乱34巻から話をしましょ。えーと、学園VS暗殺忍者たち。です。内容的には。最近の落乱は上級生たちが活躍してますよね。中在家(一発で出た!)長次がよかったです。(ただたんにおもしろかっただけ)それにしても時代のせいか、5、6年の忍たまの扱いが大人扱いなんですよね。15歳なのか、長次……。
話はまたビアソーイダにもどる。彼が城下町に住んで、数日目のことだった。 「あいつ、アパートいっても家具とかなんもないであんの」 どうりで、必要経費をやたら多くくれたと思ったら、部屋にはベッドの骨しかなかった。おかげで、必要経費のほとんどをマットレスからシーツ、毛布などを買い揃えるのに費やした。 「仕事サボって、バイトでもすっか」 とは言っても、彼のバイト暦はレストランのウェイターと皿洗いしかない。しかもどちらも向いていないものだった。 「なんか、手ごろで、槍のいい仕事はあんかなー」 とりあえず、店先のポスターなどを注意深く見る。特にバイト募集の張り紙はなかった。 「うーん、ないな」 彼はとろとろと歩いて、いつの0間にか裏路地にいることに気づいた。やばいな、と思った。こういうところでは……。 「おい、兄ちゃん」 「ほらきた」 ガラの悪い男たちが彼を囲った。彼はうんざりした。この手のことはもう、何度も何度も経験済みである。いまだこれから抜け出せないのは、ひとえに彼に学習能力がないからである。 「あんだよ」 「ツラかせや」 「俺のツラになんかようか?」 「金を出せってことさ」 「俺は、今金欠なの。おめえらを養う金があったら俺が使う」 金は自分も養うことができないほどない、と続ける。しかし、そんなことが通用する奴らでもないと彼は知っている。これは学習済みだ。 「んじゃあ、金なし! 一発殴らせろ。それで勘弁してやる」 「まさか、一人一発づつ殴らせろってことじゃないだろうな」 「お前、頭いいな」 「それほどでもっ」 彼は、にんまりと笑った。少し、集中する。が、それは霧散した。 「その勝負、私が預かります」 栗色の髪を三つ編みした少女が剣を抜いて現れた。 「相手が男の方とはいえ、多勢過ぎませんか?」 「ちっ、お前ビアソーイダの……」 男たちがいっせいに逃げ出し、最初に声を掛けてきた男もその場から立ち去った。 「ここはちんぴらが多いんです。気をつけてください」 「あ、ありがと。で、あんたは?」 「わたしはフレクアです」 「あ、そ。助かったよ。ホントに。ああいう奴の相手も面倒だしさ」 「でも、あなたは恐れてもなかった。違う?」 「あんた、まさかビアソーイダのヘネシー王女……」 「わたしはフレクア。ヘネシー王女は一番上の姉さまのことです」 「ああ、そうか」 「話を逸らさないでください。武器も持たず、腕力もなさそうなあなたが、チンピラたちの相手をしようとしました。魔法使いですね」 「だとしたら?」 「我が城にお招きします。父上が探しておられるのです」 フレクアは半ば強引に彼の腕を引っ張った。
やっとビデオ見終わりました。長かった。家族三人で、こんなにつっこみを入れて見れるアニメでした(笑) 結論、おじいさんは三人いる。一人はハイジとともに過ごし、一人は留守の山小屋に、もう一人は夏の間、村にある家の手入れをしている、らしい。気にしないでください。妹の妄想です。
「ただ今、フォーランズ方面は時化のため、この船はビアソーイダに航路を変更します」 「そうか、それは好都合だ。小生らはビアソーイダに向かうつもりだったのだ」 「そうですか」 「連絡ありがとう」 「いえ、これも仕事です」 船員が一礼すると、隣の部屋のドアをノックした。 船は順調だったが、昨日から天気が崩れたためほとんどの乗客は部屋に引っ込んでいた。アニムたちもそんな客だった。 「うぐっ」 「うわっ! レトまたか!」 バルクが洗面器を抱えて差し出した。獣人レトにはつらいつらい船旅だった。 「やっぱり、おいていったほうがよかったかのう」 普段でもゆれるのに、波が少し高いためか、船はたまに大きく揺れる。そのたびにレトは悲鳴を上げていた。 「ルイは大丈夫かのう」 ルイもまた、船には弱い。一年前、彼女が最初に乗ったときは起き上がることすらできなかったが、慣れると食事も取れるようになった。しかし、レトはルイよりも、かなり重症だった。 「あ、アニムさん。聞きました?」 カルミアだった。彼女は船に強いらしく酔った風もなかった。 「ああ、ビアソーイダに変更だ」 「ちょうどよかったですね。私は少し困りますが」 「ああ、お主は帰らぬとならんだろう」 「ええ、寄り道はできませんからね。でも仕方がないですね。時化では」 「ところでルイは?」 「具合悪そうにしてますが、あれほどじゃないですよ」 レトのほうを見る。バルクが背中をさすってやっていた。レトは青い顔をしているが、吐くものはもうないらしく空吐きをしている。 「アニム、なんか薬ないか?」 「そうだのう。薬草から作ったのがまだ残っておる。それをやろう」 多分、獣人には人間の薬はきつすぎるだろう。同じくエルフである彼にも人間の薬品は強すぎた。だから、バルクはあえて酔い止めに頼らずにいたが、レトのつらそうな姿に耐えがたくなったようだった。 アニムも同じ気持ちだった。荷物を探り薬入れを取り出した。粉にした薬をバルクに渡す。 「水は少し飲ませるといい」 「わかった」 「アニムさん、ルイさんにも分けてもらえますか?」 「酷くなければ飲まぬほうがよいのだが……。薬草と入っても、この薬は強いからのう」 「そうですか」 「ルイはなんとかゼリー位は口にして折るのだろう? ならば大丈夫だろう」 「わかりました。じゃあ、できるだけルイさんのそばにいますね」 「ああ、頼む」 船は航路を変えて、ビアソーイダに向かう。アニムたちの最初の目的地へ。
NHKの番組です。なんの変哲のないタイトルですが、その異様な空間と言ったら……。何がって小学校にもあがってない子供が古文の名句ををすらすらと朗読する姿が別世界です。(いや、それだけじゃない!)でも、古文や現代文で悩んでる学生さんはこれを見るべきかも?
「やっと、待機終了か」 彼は寝床から身を起こした。寝床と言っても葉っぱをかき集めた野宿よりも酷い寝床だったが。頭には葉っぱが何枚か引っ付いてきている。さらに虫に刺されたのか痒かった。 「ともかく、あの村にはもう用はない、と」 昨日、少女の母親から子供と遊んだお礼と言ってもらったパンを彼はちぎった。そして口に入れる。 「あ、うまい」 黙々と食べて喉に詰まらせる。何とか飲み込んで、さらにもう一個をほうばった。 「おはようございます」 「もご」 彼はまだ口の中にパンが入っていた。突然現れた少年に、ようと言っているようだった。 「長い間ご苦労様でした」 何か言いたげだが、飲み込めないでいる。 「飲み込んで殻でいいですよ。喉詰まらせないでくださいね」 それで、彼は噛んで飲み込んで、一息ついた。 「久しぶりだな」 「ええ、お元気そうで」 「で、どうなんだ」 「この村ではないですね。つまり無駄ってことです。次よろしくお願いします」 「またかよ」 彼はやや憤慨して少年をにらんだ。しばらくあの村にいたのは、少年の探し物のためだった。 「お前の言う、探しもんはどこにあるんだよ。つーか、探しもんすらよくわかんねえし」 「物とかじゃないんですよ。ともかく、あなたではないと探せないものらしくて……特殊な魔力には特殊な魔力を持つあなたではないと見つからないんですよ」 「ふーん。俺が反応したらわかるってか?」 「そんな感じです。さあ、次は城下町です。アパートとって置きますから、そこに住んでください」 「お、待遇いいじゃん」 「城下町はさすがに広いですからね。かなり長期になると思います」 では、よろしくお願いします、と少年は文字通り消えようとした。 「ちょっと待てよ、魔王」 「なんですか? 僕だって忙しいんですが」 「バイト料と必要経費くれ。あとなんか財布代わりになるやつ」 「……さすが、そういうことは忘れないんですね」 「ったりめーだ」 魔王と呼ばれた少年は渋々と金と巾着袋を渡して今度こそ消えた。
| 2003年10月21日(火) |
唯乃さんにバナーをいただいた |
バナーを作っていただきました。ありがとう、唯乃さん。 昨日、パソがなんだか途中で変になってしまったのですが、ちゃんとのってましたね。よかったよかった。
「じゃあ、ヨイおにいちゃんとアサおにいちゃんは子供の役、大きいお兄ちゃんはお父さん。わたしがお母さんね」 少女の言うとおりに鍋やテーブルのおもちゃを並べて、おままごとが開始される。いい年した大人が小さな子供に囲まれてままごとも恥ずかしかったが、どうせ暇だしとも思い、彼は少女のいうとおりお父さん役を演じた。 だが、数分もしないうちに上の二人は飽きてしまい逃げ出してしまった。 「あー、おにいちゃんどこ行くのー!」 「子供は遊びに行くんだよ」 「お母さんはお留守番」 そう叫んで走って行ってしまった。 「おにいちゃんのばかあー!」 少女は泣き出す。やばい、と彼は思った。彼は泣く子供が一番苦手だった。 「あー、もー、泣かない泣かない。よし、お兄ちゃんと一緒に遊ぼう。えーとだな、あそこの森を探検だ」 「森? 森に行ったら怒られるよ」 「お兄ちゃんからはぐれなけりゃ大丈夫」 「じゃあ、わたし、いいところ知ってる。とってもおいしい実がなってるとこ」 「じゃあ、そこに決定だな」 森と言っても、抜けるとすぐビアソーイダの城下町が見える。迷子にはならない。彼は少女を肩車して森に入った。 「あれ、あの木だよ」 「あの木か……」 背の低いたくさんの赤い実がついた木を少女が指差す。 「なるほどな、こりゃうまいよな」 彼も知っっている実だった。よく昔食べたよな、と思う。少女が手一杯に木の実を取る。それを見て、彼はズボンのポケットに手を突っ込んだ。皮袋に小銭が3,4枚。ため息をつき、小銭をポケットに戻し、皮袋だけを少女にやった。少女はうれしそうに受け取ると、それに木の実を入れた。 「ありがとう、お兄ちゃん」 「さて、戻ろうか」 「うん」 ともかく、この日も一日、彼はぼんやりとすごした。
誤字が多い理由。それはこの書くスペースが小さいから。漢字変換してもわかりにくいんだもん。(たいがいコンタクトレンズとったあとなんで余計見えにくい)
一行が船に乗っているころ、彼らの目的地であるビアソーイダの小さな村にて、一人の男がぼんやりと居座っていた。 宿に泊まるわけではなく、働くということもしない。ただ昼間はぼんやりと外で過ごし、夜は食堂で食事と酒を少し楽しんだ後はふらりと消えて、翌日昼ごろにはまた外でぼんやりと過ごす。この村に宿がないので、何人かの村人が「うちに泊まらないか?」と声を掛けたが、男はやんわりと断った。それが何日も続き、村人はもう気に留めなくなった。今度はその男がいないと変な感じになるらしく、少し時間が遅れて現れると、「あ、今日は遅いね」といわれた。 「待機ってなもんも、やりにくいな」 その男は川岸で大きな石に腰掛けてつぶやいた。金髪で、少しやせた二十代半ばの男である。 「あら、お兄さん。今日はそこにいるの?」 中年の女が声を掛けた。 「まあ、ね」 あくび交じりで返した。 「お兄さんはどこから来たんだい?」 「遠くから」 女は笑って返して、言った。 「甘いものは好きかい? ビスケットを焼いたんだよ」 「いいの?」 「いいともよ、さ、おいで」 中年女性にナンパされる、と心で思いつつ、彼はご馳走になりに行った。しかし、只ではない。子供を三人押し付けられた。 「……ちっ」 腰あたりに群がる子供をにらんで、自分の軽さをうらんだ。 「おじちゃん、おにごっこしよー」 「ちがうよーかくれんぼ!」 「あの、わたし、おままごと……」 二人の兄と妹らしき子が一人。彼は、自分は女の味方だと心に決めているので、すかさず、 「よし、おままごとだな」 と言う。 「えー!」 「つまんねー!」 二人の男の子から文句を言われるがかまわずに、女の子の言うとおり準備を始めた。
ワインでゼリーを作り、そこに巨砲を入れて固める。おいしいデザート。ちょいはまり。 昨日、鋼の錬金術師を時間帯間違えて取り損ねた。妹が気づいてくれて半分入れてくれた。 その妹(受験生)が何故か再度FF7をやり始めている。あな懐かしい。とp、思いつつ、過去の記憶がよみがえる。いろいろ、こんなことがあったねと。たとえば、クラウドが女装するとか、レッド�将靴�態度変わるとか、ユフィとヴィンセントは隠れキャラとか、PHSがあるとか……。FF�擦鰐昇遒任垢諭�
なんだかげんまの人たちも見つかり、キャラバンハートはかきょうに入ってます。それ以上がすすめられません。(笑)
「そのわりに、のんきですね」 カルミアが冷静を装って言った。ちょっと怒りたかったが、それには理由があると思い、露わにはしない。 「いやあ、妹は強いからな。でも、きっと不慣れな人間の街で路頭に迷っているじゃないかと思って……」 レトは言葉を濁した。言いにくいことをバルクが続ける。 「その妹を見つけて欲しいのか?」 「そう、実はおれも迷っていて……」 路頭に迷い、路銀を失い、この街についたと言った。 四人が同時にため息をついた。だけど見捨てるのもかわいそうに思った。 「しゃーねーな」 「そうだのう。一肌脱ごう」 「アニムが、そういうならあたしもお手伝いしなきゃね」 「人助けもとい、獣人助けですが、それも私の仕事ですから」 「皆、ありがとう!」 レトは両手を挙げて喜んだ。 「ところでよ、その妹はどこにいるのか目処はついているのか?」 と、バルク。レトは首を振った。 「さあ、でも大きな街に連れて行くって言ったなあ。それで、そこで売るとかって。オークショーって言ってたかな……」 「オークションだな。で、その人間どもの名前を知っていたら教えて欲しい」 アニムが聞いた。 「うーん、たしか、ザックルバン様が喜ぶとかって言っていたな」 「ザックルバン? 聞いたことねえな」 「ザックルバン? ザック・ルハン? ザック=ルハーンだな」 「やっぱり聞いたことねえな」 しかし、アニムはにやりと笑った。 「奴は最近のし上がってきた宝石商だ。なるほどのう、やはり裏家業もやっていたのか。よし、目的地は変わらずビアソーイダでよい」 「と、いうことは、そこがそのザック=ルハーンの」 「本拠地なのね」 「そうだ、獣人という商品を大々的に売ろうとなれば、そこだ」 「妹は、そのビアヌードルとかという国にいるのか。どうやって行くんだ?」 「ビアソーイダだ。船に乗っていくんだ」 「ええー! やめてくれ、おれは船なんか嫌いだ! つーか、海なんか怖い、嫌だ、泳げないし、水苦手だし」 「じゃあ、お主は帰れ」 「ううっ」 「妹がどうなってもいいの?」 「船賃くらい出してやる。アニムが」 「バルクは黙っておれ」 「わかったよ、いけばいいんだろ、行けば」 レトはなかばやけくそで、四人に同行した。
久々に新井理恵さんの漫画読みました。懐かしいなと思うのと相変わらずだなと思うのと。それはおいといて、何故、ハイジの最終巻(ビデオ)がない? 誰か延滞しているのか?
「さてと……」 中に入ろうとしたバルクは立ち止まった。 「どうした? バルク?」 「いんや、あながちルイの言うことももっともだと思ってな」 「ほう、では」 「ああ、正真正銘の……」 バルクは拳骨作って茂みに振り下ろした。 ごつっ! 「いでっ」 一人の男が出てきた。 「あああ!」 「アニム、これは間違いなく」 「覗きだのう」 無事、覗き男を役所に突き出して、アニムとバルクは宿屋に戻った。 「あ、お帰り」 ルイが笑顔で迎える。あの後風呂に入りなおして、機嫌がよい。 「ご苦労様。おばさんがね、ホットワインご馳走してくれるんだって」 何か視線が感じると前々から言われていたが覗きを見つけることができなかった。 「ありがとね。助かったよ。今までどうしても見つけることができなくてね」 宿屋のおかみがお盆にカップをのせてきた。 「おーこりゃいいな」 「ありがたく頂戴する」 カルミアが一階に降りてきた。 「あら、お帰りなさい」 「カルミアも一杯どうだ?」 「ありがとう、おかみさん、すいませんが」 「はいはい。ちょっと待っててね。お嬢ちゃんは?」 強いワインの香りと蜂蜜の甘み、そして熱い。四人は体を温めてから眠ることにした。 「……困ったわね」 カルミアがベッドに入ったとたん言った。 「どうしたの?」 「昼間寝すぎちゃったの」 「……おやすみ」 「おやすみなさい」 ルイはそのままぱたんと寝てしまった。悪魔とはいえ、疲れているのだろう。カルミアはできるだけ努力して眠ることにした。 翌朝、港に着いた四人は、昨日の獣人に出会った。 「やあ」 「お主は」 「うさぎさんね」 「うさぎさんとはなんだ。おれはロップイアー種だ」 「何でお前さんがここにいるんだ? 船にでも乗るつもりか?」 「いいや、違うけど。しかしあんんたたちに手を貸してもらいたくて」 「手を貸して欲しいですって?」 ウサギ型獣人はレトと名乗った。獣人には姓がない。同じく人間以外の者は、姓がないという。アニムは姓をマスディスと名乗っているが、それは彼を育てた人間のものである。人間でも三つ以上の性を持つのは王族くらいで、地方によればその姓も一般と同じく二つのところもある。 「実は、妹が人間に捕まっちゃったんです」 レトはさほど困ってなさそうに言った。逆に、四人は 『ええーっ!!』 と、驚いた。
アニムって、いろいろ意味があったんだなあ、と思わざるを得ないです。フランス語で、「にぎわう」などの意味を持っているそうです。さらに、インドネシアだかの民族にアニム族というのがあるそうです。その他もろもろ、インターネットで検索すると出てきます。ただたんに、語感がよいからつけた名前なんですがねえ。まったく知らなかったです。
「誰も、いないのう」 夜と言うこともあり、ランプのみの光では見つけることが不可能であった。アニムは諦めかけていた。 「そうだな。これじゃあな」 バルクがランプをアニムのほうに照らす。そして、すぐに自分の足元へ光を戻すつもりだった。その時、何かが動いた。 「そこだ!」 バルクが小石を拾って数個投げた。 「ぎゃっ」 悲鳴が聞こえてから、 「なにすんだよ!」 と、それは出てきた。それは、ウサギのような耳を持つ、獣人だった。 「ななっ!」 「獣人かあ?」 「いってーな。石を投げるのが人間の挨拶なんてきいたことねえぞ」 ほとんど人間の青年の姿をしているが、いざとなれば姿は獣と変わるという獣人である。その存在は、エルフ以上に滅多に人間の前では姿を現さないとされる。例外はあるが。 「お前か? のぞき見してたのは?」 「ああ? 人間風呂に入ってのはあの窓から見たけど。でもおれは風呂なんかあるの知らないし、第一人間の女には興味がないからね」 「それは、もっともだ」 「ちょっと待って、じゃあ、なんで悲鳴上げたの?」 ルイも外に出てきて、その獣人の姿を認めるとすぐ聞いた。 「ああ、足踏み外したんだ」 木を指差し、その指を地面に向けた。 「木の上で何やってたの?」 「寝ていた」 「なんで?」 「金はないし、木の上はまだ安全な場所だから」 そこまで聞くとアニムとバルクは、首を振った。 「では、覗きではないんだな。ならよい。お主は木の上でもどこでも寝るがよい」 「あーあ、寝るかー」 「だめなのー?」 「本人は覗く気がない。さらに獣人のばあいはそれで立証されてしまうのだ。だから捕まえたところで、こっちが罰せられる率が高い」 「そんなー」 「ルイ、相手にその気がないのだ。安心して入るがよい」 「いやよ、たとえその気がないとはいえ……」 「わかったよ。わるかったな。場所かえるからさ、ゆっくり寝かせてくれ」 青年の獣人は木のありそうな公園などを探すことにして、宿屋の風呂場付近を去った。
そういえば、ももたんについて何も話していないですね。ももたんは、剣神ドラゴンクエストにて、序盤でついてくるモモンジャのことです。仲間にする前、魔法で攻撃しておきながら「戦いは苦手」と言って敵が出てくるとひっこむ矛盾した奴です。さらに、キメラにつかまってしまう足手まといな奴です。(ももたんにノーダメージでキメラをやっつけると、ももたんがお礼にいのちのきのみをくれます)そんな奴ですが、ポーズ中(あるかないでいる時)は体を左右に動かしてかわいいです。
ばだん! 急に部屋のドアが開き、アニムとバルクが驚いてドアのほうを見た。そこにはバスタオル巻いたルイが息を切らせていた。 「る、ルイ、どうした?」 「そんな格好で……」 「の、のののの、のぞきよ!」 「のぞき?」 その後でとたとたとカルミアがバスローブを着て現れた。 「ほんとみたいなの」 「いっちょ、調べってみっか」 「のぞき、痴漢行為は現行犯で金貨三枚以上は確実だ」 アニムとバルクがにやりとして外に向かった。 「なんで、そんなにうれしそうなのよー」 ルイはとりあえず何か着てから動くことにした。
峠に雪が……。いやな季節になったなあ。
夕食がすんで、食後の紅茶を飲んでいるとき、やけにさっぱりしているアニムをうらやましそうに見た。 「なんだ? ルイ?」 「だって、アニム、もうお風呂入ってきたんでしょ」 「そうだが……」 「早くあたしも入りたい。そんで髪洗いたい」 「まあまあ、小さいながらも温泉だ。気持ちがよかったぞ」 バルクがあきれたようにそれを眺めていた。が、 「俺も入ってくるか」 残っていた酒を飲み干して、浴場に向かった。 「バルクもずるいー」 さて、やっと女湯になり、彼女はいそいそと準備する。 「まって」 カルミアがとめた。夕食時にはさすがに起きていて、今まで黙っていたのだが、彼女も行きたいらしい。 二人は風呂場に向かった。 「あ、思ったより広い」 他の客もいないので、ルイは文字通り羽を広げて入った。 「ちょっと狭いわね」 カルミアが言った時、悲鳴が上がった。 「誰っ!」 「男の方のようね」 窓の外に影のようなものが見えた。 「の、のぞき?」 「そのようね」 「き、きゃあああー!」 ルイが叫んで湯船から出た。 「ちょっと」 カルミアは呆然としたまま、ゆっくりと後を追った。
風呂からあがったら、モンブラン食います。
「わーい、久しぶりのベッド」 野宿続きで疲れた一行は、宿に着いたその日どこにも行かず部屋で休むことにした。とくにカルミアは連日の寝不足のため、部屋に着くなり眠ってしまっている。 「おっふろーおっふろー」 その宿に狭いながらも浴場があると言うのでルイは勇んでそこに向かった。やはり、連日の野宿が彼女をそうさせた。 タオルに石鹸、シャンプーと風呂の準備は万端である。が、 『男湯』 と、入り口に札が下がっていた。そと隣に時間が書いてあって、女湯になるのは、夜八時からとなっていた。 「じゃあ、今入れないってことお……」 ルイはすごすごとその場を離れた。部屋に戻るとカルミアはまだ寝ている。仕方がなく、彼女も少し昼寝をすることにした。あまり性分ではないが、疲れてもいたので自然と眠れた。 そのころ、隣の部屋でアニムとバルクはこれからの話をしていた。 「バルク、ビアソーイダに行った後はどうする?」 「そうだなあ。なんだよいきなり」 そんなこと、今まで考えたことない。まだ、目的地についていないのに次のことを聞かれて、彼は答えられなかった。 「いや、いいんだ。ただのう。ルイを連れて今回はどこまでいけるのだろうかって思ったのだ」 「はあ?」 「小生の懸念だが、ルイが逃げてきたのであれば、遅くとも追っ手が来る。悪魔族だ。魔族よりはなんとかなる相手だが、相手はルイを連れ戻すために来るのであって、小生らの敵ではない。傷つける敵ではないのだ。そのときは、ルイを助けてやりたいがのう」 「バカか、そんときはそんときだろ」 「……馬鹿はお主だ。もういい、小生風呂に入ってくる」 「のぼせんなよ」 バルクの言葉を無視し、アニムはさっさと部屋を出た。
普段使わない腕を振るったためか、筋肉痛。痛いっすよ。
裏話を一つ。 今回の幽霊騒動の話、カルミアを犯人にしようとしてました。 でも、いろいろ思うところがあって、彼女をまだ使いたかったので、犯人にしないでおきました。実は、最後の最後まで悩んだんですが。
話をゲームに戻します。 剣神ドラゴンクエスト。実はドラクエの世界てんこ盛りです。ちゃんとレベル上げしないと次の敵に勝てないことがあります。(簡単にレベルを上げてくれないのがドラクエです。覚悟してください)剣ならではのミニゲームもなかなか熱くさせます。結構あるみたいです。 ともかく腕が痛いのでしばらくできないと思ふ。
やっと、剣神ドラゴンクエストをやりました。かなりいい運動になります。腕、痛いです。それでも妹と楽しくやりました。ちなみに、勇者の名前は「オムスビ」です。本当にこれでいいですかと念を押されました。
村を出て、町に戻り、そして港町へ。その間特に何も起きなかった。カルミアは相変わらず野宿では眠れなかった。それをルイが心配した。 「どうしても眠れないのなら、あたしがおまじないしようか?」 おまじないというが、悪魔族ルイの強力な魔法である。表現を和らげるために彼女は「おまじない」と言った。 「ありがとう。でも、いいわ」 それだけ言って断る。ルイも強制せずに、そう、と言った。 その港町から少し北の港町へ連絡船でいけることがわかった。北の港町には半日ほどかかるので、真昼についた彼らは、ここで一泊することにした。 「どこか、安い宿はないかの?」 「そーね、この通りをまっすぐ行ったところにたしかあるわ」 アニムが道行く人に尋ね、教えられたところへ行った。安く多少のことを我慢すればいい宿だった。
結構キャラバンハートにはまってますね。ところで、すごい個人的な疑問なのですが、私の「イルの冒険」はいずこ…。
フォーランズで生まれてすぐ、両親を亡くし彼女は教会に預けられた。彼女は物心つく前だったので何も覚えてなかった。だが、預けられた自分と同じような子達の仲には、家族が向かえに来ることがあった。それを見て、自分にももしかしたら、と何度も思った。 「誰も、来なかった……」 目をつぶって何度も寝ようとした。昔のことが自然と頭に浮かんでは消していった。眠れなかった。 白々と夜が明けたころ、彼女は眠れた。そして、彼女が目覚めたのは、少し太陽が昇っていた。はっとして飛び起きた。 「ご、ごめんなさい。私……」 「おはよう、カルミア。よく眠れた?」 ルイが、今顔を洗ってきたのよ、と言って鞄にタオルをつっこんでいた。バルクは今起きたばかりのような顔をして、ぼうっとしている。それに比べ、アニムはもう何時間も前から起きているようで、受け答えもしっかりしている。 「今朝は乾パンだ。よいか?」 「はい、食べられないよりはずっといいえす」 ルイが水を汲んで、例のあのお茶を入れていた。 「ほんと、いい香りね。このお茶」 「ほんとね、何のお茶?」 「ウルの葉だって」 「……そう、ウルの葉だったのね」 「ほう、ウルはうまいお茶だぞ、ルイ。それに、よく昔を思い出させるっていうらしい。もっとも迷信だがのう」 「へえ、そうなんだ。バルク、いつまでぼうっとしてんの?」 「ああ? ああ。ふーん。思い出させるお茶か」 「何か思い出したの?」 「ああ、ガキのころに聞いた話をな。おい、アニム、乾パンもらうぜ。うわっ、お前、それにジャムのせるのか」 「悪いか?」 「わるかねえが……」 ルイに手渡されたお茶のカップをカルミアは長い間眺めていた。
いや、特に明記することがないので。
申し訳ない気持ちでカルミアは食事をもらった。 「夜が明けたら町に戻って、準備を整えて近くの港町に行こう」 「そうだな。ここからだと……」 地図を広げてアニムが今いる辺りを指差す。それをすすっと移動させて一つの都市にとまった。 「ここからならよいだろ」 「あの、どこへいかれるんですか?」 と、カルミア。 「ビアソーイダだ」 「ならもう少し北にあるこの港から出たら、フォーランズまでまっすぐ行く船がありますよ」 フォーランズまでついたら、そこから定期船に乗ってまっすぐいける。 「ほう、ならばそうしよう」 「ねえ、もしかしてカルミアはフォーランズに帰るの? ならそこまで一緒だね」 「もし、皆さんがよろしければご一緒に」 「もっちろん。ね、バルク、アニム」 「ああ、俺はかまわねえ」 「小生も」 「ありがとう。本当は一人で心細かったのよ」 それは、カルミアの本心だった。 食事が済むともうすぐに四人は寝ることにする。 「皆で寝ちゃって大丈夫なの?」 「大丈夫よ、バルクなら」 「彼だって寝るでしょ?」 「ああ、俺なら気配があったら目が覚めるからな」 「へ?」 「奴と旅をする点で有益なのは野宿でもぐっすり眠れることだ」 三人は眠ってしまったが、カルミアは眠れなかった。この奇妙な三人組について行っても大丈夫だろう、と思っても不安は付きまとっていた。 仰向けになると、星空が見える。周りに明るさがないので。より細かな星が見えた。吸い込まれそうな空を見てカルミアは旅に出る前を思い出した。
| 2003年10月08日(水) |
ゆーがったくりんてっど |
昨日の間違ってました。多分正しくは↑だと思います。キャラバンハート、うわべ上クリアしました。スライムランドも徐々にクリアしていきたいと思います。
「こんなところで?」 カルミアは驚いた。 「夜中歩くよりはずっと安全だ。ここは開けているから誰か来てもわかりやすい」 アニムが言いながらマッチをすり、丸めた新聞紙に移す。バルクが作った薪に火をつけた。適当なところに毛布を引いてそこに座らせる。 「水汲んでこようか」 「頼む」 アニムが水筒をルイに渡す。しばらくしてルイが水を汲んできた。 「ありがと。それでそれでお茶を入れてくれ」 「うん。昨日買ったおちゃがあるんだ」 バルクが缶詰を四つあけ、アニムが持っていた鍋にあける。それを交代で温めた。 「それはなに?」 カルミアが聞いた。いいにおいがして、すきっ腹にこたえた。 「シチューの缶詰だ」 紙袋をだしてパンを出した。 「今回は町が近いからのう、すぐ食料が入るから豪華だ」 ルイは別に作った小さなかまどで水を温めていた。昨日買ったお茶っ葉を適当に放り込んでカップに注いだ。 「いい香りね。何のハーブだろう」 温まったシチューをバルクが空き缶に入れる。 「ほい、口切るなよ。やけどするなよ」 バルクはタオルを巻いて持っている。アニムがスプーンを差し込んだ。 「カルミア、はい」 「ありがとう……」 結局彼女は何もせずにいた。慣れていない彼女は、何をしてよいかわからなかった。
| 2003年10月07日(火) |
ゆーはばっくりんてっど |
タイトル気にしないでください。なんのことかは夕方5時くらいに教育見ればわかりますよ。多分。昨日の続き。鋼ね。作画などは丁寧なんでよろしいですよお。スタッフも「親父とマッチョしかかかない」と申しているし。
夕方、その村に着いた。そう、この村が起き始める時間だった。 村の人々がふらふらと出てきた。 「これが、幻覚……?」 「風は吹いてるよな」 「うん」 ほんの微風だが、ルイたちの周りには風があった。 「違う。幻覚を見ていたのは彼らのほうだったのよ。思い出した。クレンムチューリの幻覚作用は、常用しないと……長く吸い続けないと効かないのよ」 カルミアが突然叫んだ。 「そして、彼らをこうしてしまったのは……」 カルミアがそこに向かった。今夜、宿と決めていた場所。あの馬小屋に。 「あなたが、そうしたんですね」 その初老の女性は、四人を家に入れた。 「何故、わかったのかしら?」 老女の問いにそれぞれが答えた。 「クレンムチューリがここに咲いていないからです」 「あんただけがこの村の異変に気づいている。最初からわかっていたさ」 「真夜中に家をでて、町に行くのね。昼間は町で過ごして、またここに帰ってくる」 「無論、旅人がここにいるときだけのことだがのう」 すべて、答えだった。 「そうね、それで、わかったのね」 「なぜ、こんなことを?」 「寂しかった。それだけだよ」 「たまに、クレンムチューリを育てに町へ行っていたのですね」 「ええ、私の一番好きな花ですからね」 「しかしよ、その幻覚は幽霊にも効くのか?」 「私も、驚きました。まさか今日までこうして保つことができたなんて……」 「長すぎたのですわ。もう、おやすみなさい」 カルミアが静かに老女の頬に触れた。冷たくも暖かくもないその手を老女は触れる。 老女が、すうっと消えた。 「あのおばさんも、幽霊?」 「ええ、この方の魂がここに縛られているゆえに、この村の人々もどこにも行けなかった、ってことね」 家の中が急に暗くなる。アニムが慣れていて、手探りでマッチをすりランプに移す。周りはほこりのたまった長く使われていない家に変わった。外に出ると崩れ倒れた家々があった。 「それでも、私たちは幻覚を見ていたのね」 「都合のよい、幻覚を、か」 「ところでさ、何で昼は誰もいなかったの?」 「何を言っているの? 幽霊は夜出るものよ」 「えー、でも。そんなのうそよ。昼でも朝でも夜でも幽霊は出るのよ」 それがだんだん口論になってきた。口げんかになる前に、アニムが言った。 「この国では、幽霊は夜出る。そういった常識に囚われているからのだ、ルイ。その辺にしよう。今日は」 「野宿だ」 バルクが火をおこすためにその辺の材木をすでに集めていた。
何故、ラダトーム城はあの曲でないのだ。うるせー、と突っ込んでください。今日、休みを生かしビデオにとった鋼をみました。なんて、原作に忠実なんだ。いえ、下手にいじられるよりはなんぼもましです。ストーリーからして、どこかで体よく終わらせてしまうんでしょうがね、きっと。
カルミアが部屋に戻ったら、もうルイは寝息を立てていた。起こさないように静かに着替えると彼女もベッドにもぐりこんだ。 翌朝、カルミアは一人だった。下に降りると三人はすでにテーブルに朝食を囲っていた。 「おはようございます、皆さん、早起きなんですね」 「まあな」 「私は今日、目が覚めるの早かったの」 「いつもってわけじゃねえがな。一応、待っていたんだぜ」 見ると、まだ朝食には手をつけてないようだった。カルミアもあいている席に座った。 「さて、ルイ。準備はいいか」 「いつでもオッケーよ。女神様も快く引き受けてくれたしね」 「お友達でよかったな」 「うん、小さいころはよく遊んだし」 食事をしながらそんな会話をしている。カルミアは、ぼうっとそれを眺めた。 「いいわね、あなたがたは」 「巫女だって、お前さん一人じゃねえだろ?」 「そうだけど、日々、修行よ。誰も一緒に楽しい話してくれる人なんていないわ」 「そいつは悪かったな」 「でも、昨日ルイさんと町を歩いて楽しかったわ」 「そうよ、たまに町を回ったってバチあたらないわ」 「そうかもね」 カルミアは笑った。どこか、悲しそうな顔だとアニムは思った。
| 2003年10月05日(日) |
ただ今、架橋に入ってます |
ええ、ええ。キャラバンハートです。やっとこさ、あのアレフガルドに入りました。やっと。さすが、アレフガルドはアノ名曲なんですよ。あそこだけは、あの曲なのですね。そんで……。
バルクが剣をまっすぐ突き出して、そのままの体制でいた。微動だにしないその姿に、カルミアが声も掛けられなかった。突然、剣を収めると、バルクは振り向いた。 「なんだ、カルミアか」 「お邪魔して、ごめんなさい。バルクさん」 「ああ、別にかまわないけど。なんだよ、こんな夜に」 「聞きたいことがあるの。もし、相手が魔族なら、逃げるなんてしない?」 「……さあな。命がけでやるなんて馬鹿くさいからな。逃げるときゃ逃げるぞ」 「そう……アニムさんと同じことを言うのね」 「多分、ほとんどのウォンテッダーはそういうぜ。なにしろ、目的を達成することだからな。死ぬことじゃない」 「……おやすみなさい」 「ああ、お休み」 カルミアが何を言おうとしているのか、バルクにもわからなかった。 部屋に戻ると、アニムはまだ起きていた。寝るという用意はしていて、バルクが帰ってくるのを待っていたようだった。 「カルミアに会ったか?」 「ああ、言わんとしていることがよくわからねが……」 「まあ、彼女にもいろいろあるのだろう。さ、寝るぞ」 「先に寝てろよ。俺は顔洗ってくる」
| 2003年10月04日(土) |
今週もお疲れ様でした。 |
では、はじめます。
食事が終わるとバルクはアニムと同じ部屋、ルイはカルミアと同じ部屋で自動的に割り当てられそこに向かう。当然と言えば当然だった。 田舎町にしてはきちんとした部屋でベッドのシーツものりが利いていた。ルイがその一つに転がって、気持ちよさそうにしている。 「いい部屋ね」 カルミアは言うが、ルイは返事をしない。代わりに気の抜けた声が帰ってくる。 「お疲れのようね、ゆっくり休んで」 「うん、ありがと」 そう言ってルイはそのまますやすやと眠った。それを見届けるとカルミアはゆっくり部屋を出た。 ノックの音にアニムが気づいた。どうぞと言って、ドアを開けさせる。 「ごめんなさい、話があるの」 カルミアが入ってきた。部屋にはアニムだけだった。 「あら、バルクさんは?」 「ああ、バルクなら庭だ」 「庭? こんな時間に?」 「奴は夜に稽古するんだそうだ。見に行ってもよいぞ」 「ええ、そうしてみるわ。その前に、あなたに聞きたい。もし相手が魔族だとしても、あなたは逃げ出すことしない?」 カルミアの問いにアニムはすっぱりと答えた。 「さてな。自分の命はおしいから、かなわぬ相手なら逃げるだろう」 「そう……」 そういうと彼女は部屋を出た。アニムはよくわけがわからない。
| 2003年10月03日(金) |
ついに買ってしまった |
真剣ドラゴンクエスト。いい年した女がおもちゃの剣ふるって喜んでいるのを想像してください。買う時、お店(ダイエー)の人が、男の子はこういうの好きかな、とプーさんのファイルをおまけにくれたんですが……すいません、私が遊ぶんですとは言えなかった。(笑)
やっと、食事が運ばれてくる。ビーフシチューと温野菜サラダ、パンにバターが添えられている。本日のディナーメニューだった。 「バルクさんの情報は……」 「同じウォンテッダーだよ。酒場はその集まりだからな」 「いつも、一杯の水割りウィスキーでがんばるのだよ」 「うるせー」 ともかく、同業者でもあの村には誰も行かないようだった。 「しかしよ、カルミアは……」 注文したエールが来て、バルクはそれを一口飲んだ。ワインよりずっといい。 「私は命を受けてきたのです」 「わざわざフォーランズからか?」 「ええ。イーリス様はどこからかそういった情報をかき集めてくるので」 「ふーん。で、あんたはどんな能力があるんだ?」 「私は一応魔術で魂を沈めることができます。それくらいです」 「そうか……」 どうやら、最初に言ったそれしかないようだとバルクは思った。 「正直言って、あなたたちと会えてよかったわ。一人旅は慣れているけれど今回は結構つらかったの」 彼女は初めてこの地に訪れたと言う。今まではフォーランズから比較的近いところを旅していたと言った。 「だから、あの村でルイさんに会ったときはびっくりしたけど、後でほっとしたわ」 カルミアはそう言って、パンをちぎった。 「それより、アニムさん。ノムの実は幻覚作用に有効なのですか?」 パンにたっぷりとバターをのせていたアニムは突然声を掛けられバターナイフを落としそうになった。 「な、いや。あれはただすっぱいからだ。別に幻覚作用を直すとか解毒作用があるからとかではないのう。あれは疲れたときにもよいから持ち歩いている」 「……そうですか」 「しかし、そうなると小生らは、いつクレンムチューリの幻覚作用にやあれたのだ?」 「多分、球根を粉末にしたものがあの村を取り巻いているんだと思います。球根にしか、幻覚作用はありませんからね」 「うむう……と、なると。次に村に入るときはどうすればよいかのう」 「何か、こう、粉を吹き飛ばすような風があれば……」 「はいはい。あたしできるよ」 「ルイ、すまぬが頼む」 「うん。風の起こし方なら知っている。女神様に頼むんだよ」 「そうと決まれば、出発は明日でよいな」 「かまわねえぜ。さっさとこの用事を片付けて、ビアソーイダに行くぞ」 「お主、故郷には行きたくないのではなかったのか?」 「それよりも、ビールが飲みたくなった」
今日は寒いです。めっちゃ風が冷たい。よく行くお店(おにぎり屋)の常連の兄ちゃんが半そでで寒いと。そんなの当たり前だよ。大阪は10月でもあったかいだろうけど、ここは北海道だよ。
宿に戻ると、ぐったりとしたアニムとバルクがいた。 「食事……もうそんな時間か?」 アニムがのろのろとベッドから起き上がる。バルクと言えば眠い目を開けて伸びをしていた。 「どうしたの? やけにぐったりしているじゃない?」 「うーん、なんか疲れ気味なんだよ」 バルクはふらふらと立ち上がる。 「どうやら、クレンムチューリのせいみたいね」 カルミアが言った。その言葉にアニムが振り向く。 「そう、か。クレンムチューリか」 「あなたは知っているようね」 「ならば、バルク、これを飲むといい。効くぞ」 荷物から薬入れを取り出し、自分とバルクの分を取り出した。 「なんだ、これ?」 「まあ、口の中で噛み砕くとわかる」 バルクはとりあえず言われたとおりにした。 「!!!」 酷い酸味にバルクが顔をゆがめる。アニムも顔をゆがめてる。 「なんだ、これ」 「ノムの実を乾燥されたものだ。かなり酸味があるから頭をすっきりさせるのによい」 ああ、なるほどとカルミアは思った。カルミアは薬になる植物や木の実などに詳しかったが、ノムの実についてはすっぱいとしかなかった。アニムはエルフなので自分の何倍もの知識を持つ親からでも教わったのだろう、エルフは人間の何倍ものそういった知識に長けているだろうと思った。 「おかげで目が覚めたぜ。で、そのクレンムチューリってなんなんだ」 「それは、お食事しながら話しましょ」 「そうだ、今日一日。なにかと収入があっただろう。どうやらルイたちもな」 宿の一階にある食堂は混み始めていた。おかげで席には座れたが、注文のをとってもなかなか来ない。飲み物だけで、四人は話し始めた。 「ほう、そのクレンムチューリが自生していると」 アイスティーを飲みながらアニムはうなずいた。 「ああ、その話は俺も聞いたが……それより、あの村には今は誰一人行っていないそうだ。昨日、誰かが一人行ったと言うが……」 バルクがちらっとカルミアを見る。カルミアがうなずいて、それは私ですね、と言った。 「女の子たちの話を聞くと、口をそろえて、幽霊の仕業という。そう幽霊の正体を聞くと、誰も言わん。言うと呪われるなどという噂だそうだ」 「それも聞いた。何も子供だけでなく、大の大人もそれを信じ込んでいるってよ」 バルクはワインを一口飲んだ。南クレンムでよく飲まれているワインで、赤というより、桃色をしている。あまりの甘さに、知らずに飲んだバルクはアニムに渡した。 「小生は酒はやらんというのに」 「俺のおごりだ」 「……飲む前によこせ」 「のまねえと味がわからんだろう」 アニムがそれを一口のみ、どうやら気に入ったらしく、もう一杯おごれと言った。
クレンムチューリ。チューリップのようなクレンムにしかない花です。名前はそのまんまです。以上。
店の人の話によると、クレンムチューリは二年ほど前から急に自生をはじめた。人の手を借りず雑草のように増えていった。最初は気味悪がっていた町の人々も、春になると愛らしく咲くその花に、今では気に止めなかった。だから店先においても売れなくなり店の奥に引っ込めていると言う。 「ありがとうございます」 カルミアが例を言って立ち上がった。 「そうかい」 「あ、お茶が売ってる」 「ああ、ハーブティーだよ」 「あの、これください。おいしいのを」 「じゃあ、これにしましょうね」 ハーブティーを一つ取って袋に入れ渡した。ルイはお金を払うとカルミアとともに店を出る。 「お金、持ってたのね」 「うん、少しね」 カルミアはそれ以上は何も言わなかった。代わりに、 「多分、この町の人は知らないでしょうね」 と、いう。 「何を?」 「クレンムチューリはね、幻覚作用を持つ花なのよ。特に球根を食べると一生ものの幻覚に陥るの」 「? 幻覚?」 「私が思うには、このクレンムチューリを使ってあの村を幻覚状態にしてしまったのじゃないかって」 「それじゃあ、あたしたちが見たのは?」 「クレンムチューリによる幻覚ってことも考えられるわね」 ルイには信じられなかった。悪魔は薬物に惑わされることはあまりないはずなのに。 「あたしにも、幻覚が見れるんだ」 「でもね、どうしてそうなっちゃったのかまだわからないわ。まだ、調べる必要がありそうね」 「そうね」 少し、上の空でルイが答える。それを知らない振りしてカルミアは言った。 「そろそろ戻りましょ」 二人は宿に戻った。
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