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借りた漫画一気読み 2008年01月27日(日) 「エンジェル・ハート 24」北条司ダンスチームに入れてもらい、生き生きと踊るシャンイン。しかし、チームの一人のカナに昔のバンド仲間からの妨害が入る…。という話。 なんか、いろんな意味であり得ないドリーマーな話。 ------- 「聖なる花嫁の反乱 1」紫堂恭子 11年に一度神に捧げられる花嫁に、エリセが選ばれた。2年間は男性と話すことは禁止。幼馴染のリオンと会えなくなってしまう。しかし、それだけではなく今年の花嫁はなにかがおかしかった。9番目の花嫁の役割とは…。 紫堂恭子らしい、ファンタジー。ちょっとシリアスよりですね。 ------- 「オオシマさんちのもうひとつの猫日記」大島弓子 「グーグーだって猫である」でおなじみのグーグーやビー、クロたちの写真に、セリフを書き加えたり、日記を挟んだり、という一冊。 これは、あれです、ほんとの猫好きのための本です(笑) ------ 「続・柴犬さんのツボ」影山直美 柴犬との暮らしを川柳と4コマ漫画でつづったもの。 …あ、これ川柳だったのか(笑) んー、あまりにも平凡すぎてちょっと退屈でした。柴犬好きな方だと楽しいのかもしれませんが…。 ------ 「だって愛してる 1・2」むんこ 売れない駆け出し作家の雄二と、彼を養う街子夫婦の日常を4コマでつづったもの。 いやあ、最初は奥さん八百屋で働いてるのに、雄二が酒ばっかり飲むはパチンコするわのダメ男っぷり全開で、なにこれ…と思いながら読み始めたんですが、読み進めるうちに意外に彼らに愛着がわいてきます。 絵もかわいいわけじゃないし、すっごくいい話が載ってるというわけでもないんだけど…、たぶん二人が愛し合ってる感じがなんとなしに伝わってくるからでしょうね。 |
「マンゴーの涙」小玉ユキ 2008年01月25日(金) 小玉ユキの短編集。単行本「光の海」以前に発表された短編を集めたものです。 ベトナムを舞台にしたせつないロマンス「マンゴーの涙」「白い花の刺繍」。 チーとマンの兄妹がかわいいです。 「ROVER」は、高校時代に憧れていた女友達が、ホームレスになっていた話。自由奔放な顕(あき)が魅力的に描かれてます。が、ホームレスはよくないと思うぞ。 「玉子王子」と「憂鬱ヤマラージ」は転生もの!?(笑) なんか変な話でした(笑) 「kakigori」は、好きな先輩のとある場面を目撃してしまう女の子の話。タイトルのカキ氷の意味を思うと、なんかすごくシュール(笑) なぜだか宇仁田ゆみを思い出しました。 「光の海」「羽衣ミシン」がすごくよくてもっと読みたいと思っていたので、それ以前の短編をまとめた本書の発売はとても嬉しいです。第二弾も春に刊行予定だそう。 まあ、やっぱりだんだんうまくなってるんだなーとは思いますね。最初に読むなら、「光の海」か「羽衣ミシン」をお奨めします。 |
「ブラッドハーレーの馬車」沙村広明 2008年01月21日(月) 年に一度、孤児院から一人の少女を乗せて馬車が行く。貴族院議員・ブラッドハーレー家の養女になるために。 ブラッドハーレー聖公女歌劇団で毎年紹介される新人たちは、全員孤児院出身のブラッドハーレー家の養女であると言われていた。その馬車に乗ることは、孤児院の少女たちの憧れの的であったのだ。 しかし、舞台に上がることのできる新人は毎年4~5人程度。国中の孤児院から集められていると言われる他の少女たちはどこへ…? ----------------------- 初めて読む方なんですが、真名さんのレビューを見て読んでみたいと思ったので、買ってみました。 http://ameblo.jp/deepsea/entry-10066208649.html 絵もなんとなく怖ろしげですが、話はもっと凄惨でした…。なんと残酷な。 連作短編というカタチで少女たちの運命を様々な切り口で描いているのですが、特に二話目がその残酷な運命そのものを見せ付ける話で、印象的ですね。隣の部屋にいる少女と励ましあって生き続ける少女の話なんですが。 ひとつの話としても切れ味がいいし、この話があまりにも悲惨なので、他の話も活きてくるんでしょうね。 というわけで、強烈でした。おもしろかったです。 |
「ボクを包む月の光 5」日渡早紀 2008年01月19日(土) カチコと喧嘩になった蓮は、輪が子どもの頃かぶっていた帽子をかぶってから何かがおかしい。カチコの家出の手紙を見て、京都へ飛んでしまったり…。一方、輪のクラスに双子の転校生がやってきた。ダークな妹に、輪は「ほんとのあなたはもっとダークなはず」と言われ……。 ---------------------------- 輪くんの父親っぷりが楽しい一冊ではないかと。 しかし、またあの頃の話が続いているのか…?と思わないでもないですね…。 |
「The Book」乙一 2008年01月14日(月) 女子高生の千帆は、昔不良に絡まれた時に助けてくれた少年と似ている先輩と、つきあうようになっていた。先輩は、記憶力がものすごくいい。一度見ただけでも、すべて記憶しているのだ。一方、康一と露伴は、一人暮らしの女性の死体を見つける。女性は密室で失血死していた。室内から動かされた形跡もないにもかかわらず、車にはねられた傷を負って。 事件を調べ始めた仗助たちだったが、仗助の元に届いた手紙に寄って、母親が重傷を負ってしまった。 敵は、記憶を他者に植え付けることができるらしいのだ。 ------------------------------- 「ジョジョの奇妙な冒険 第四部」をオリジナルストーリーでノベライズしたもの。 ジョジョも私は5部までは読んでるので、この企画は楽しみにしてました。 ジョジョのなんたるかを語れるほど、私はジョジョに詳しいわけではないので、こんなことをいうのはなんですが、世界観を壊さずにうまいこと書いたもんだなあと思いました。 その上で、ビルの隙間で1年も生きていた女性、という設定が、乙一らしいと思いました。 琢馬のスタンド「The Book」はおもしろいですね。装丁もそのスタンドにあわせた凝り様で。 忘れられないことは、つらいことだよね。 終わり方は、私もよくわからなかったんですけどねー。 これは、読者の想像にまかせるということなのかな。 これはこれで、ありかと。 でもやっぱりジョジョよりオリジナルが読みたいかなーっと(笑) ★★★ |
「時砂の王」小川一水 2008年01月10日(木) 邪馬台国の女王・彌与(卑弥呼)の前に現れた、不気味な物の怪を助けた不思議な男・オーヴィル。彼は2300年後の未来から来たのだという。その未来では、ET(謎の増殖型戦闘機械群)により、地球は壊滅、他の惑星にいる人類も全滅の危機に瀕していた。人類は、人型人工知性体を作り出し、時間遡行戦を開始した。オーヴィルは、時間遡行を繰り返し、そのたびに敗退を続け、そして邪馬台国まで何万年もかけてたどり着いたのだ…。 -------------------------------- 時間SFの書き下ろし長編です。 時間SFは好きです。梶尾真治を読んでから、好きになりました。本作は、読んでいてなんだか「ネジの回転」を思い出しましたが。(似てないけど、設定がちょっと似ている部分があって) オーヴィルが旅する途方もない時間の長さ…。読んでいるだけで、もういい、もう疲れた…と言いたくなりました(笑) その、時間の重さにくらべて、オーヴィルが胸に抱き続けることになる女性との出会いは、イマイチぴんときませんでした。こんなに長い時間を過ごせるほどの力ってあるかな~という気がしてしまって。 終わりの鮮やかさは、なかなかよかったです。 これぞ、時間SF! ★★★ |
「死刑囚・秋好英明との書簡集」島田荘司 2008年01月09日(水) 昭和五十一年福岡で起きた、家族四人の殺害事件。その犯人とされ、死刑判決を受けて控訴中である秋好英明。彼は当初四人殺害の犯行を認めていたが、公判中に突如自供をひるがえし、四人中三人を殺害したのは、その被害家族の一人であり、秋好にとっては内妻にあたる女性であったと告白した。 死刑廃止を訴える秋好英明と、作家・島田荘司との書簡集である。 ---------------------------------- 去年から読み続けてましたが、やっと読み終わりました! 長かったです…。 著者として島田荘司と書かれていますが、本書の2/3くらいは、秋好氏だった気がします(笑) 前半は死刑廃止論について、後半は小説「秋好事件」の打ち合わせ的な内容になっています。 今まで深く考えたことなかったですが、死刑制度については考えさせられますね…。遺族の立場になった場合のことを考えると、私はこの前半に書かれているようなことは、ちょっと納得いかない気がするのですよね。 島田氏の「日本人論」も、なぜか熱く語られすぎていて、なにかトラウマでもあるんか…?と思ってしまったり。 ただ、最初の方に書かれている以下の内容。 「古代の中国には五刑というものがあり、それは入墨・鼻切り・足切り・宮刑・死刑である。これらのうち死刑以外は残酷だからということでもう行われていない。それを考えると、未来には死刑も廃止されるであろう。」 これが、私にはすごく説得力があったのです。 長い目で見たら、死刑は廃止すべき制度なのかもしれない、と。 目には目を、歯には歯を。それはとても気持ちを慰めてくれる考え方だけど、それでいいのか?と、今の私は考えることもできる。どんな理由があれど同じことをしたら、同じ穴の狢になってしまうのかなと。 たとえば、万が一私が遺族の立場になったり、もしくは加害者の家族になったりということが、起こらないとも限らない。そんな時でも、それはしてはいけないことだと、思う人間でありたいものです。 死刑廃止についてのアンケートを取ると、まだまだ賛成派は少ないのだとか。 私も賛成派かと言われると、うーんと思いますけどね。 それから、現在も秋好氏は控訴中なのだとか。 裁判の長さというものも、問題ですよねぇ……。これはほんとにどうにかならないものか。 |
「導きの星Ⅳ 出会いの銀河」小川一水 2008年01月03日(木) 司の支援により、オセアノ文明は宇宙へと飛び出した。一方、目的人格(パーパソイド)たちによって育てられた地球外知性体であるセントールもまた宇宙へと勢力を伸ばしつつあった。そして、ここにいたり地球人類は思わぬ反乱を目にすることになるのだった。 ------------------------------------ 昨年から読み進めてきた「導きの星」も、この巻で終わり。4巻は司たちの活躍が少なかったのが寂しかったかなー。最後の方はいろんな勢力入り乱れてちょっとわかりにくい場面もありつつ…。 大きなカタルシスはなかったですが、うまくまとまってると思います。 目的人格(パーパソイド)たちの成長、疑問なんかの話が、すごくおもしろかったですね。知性体とはなにか、なにを目的とし、誰に仕えるかという…。アンドロイドではなく、それより人間に近い存在としてのパーパソイドという設定はおもしろかったです。 まったくの異世界である惑星の文明の描き方もおもしろかった。名前なんかがあちらの言葉になるとちょっと音が変わるんですが、きっと門歯があるから発音できない音があるということなんですよね。森に暮らす生き物らしい慣用句があったりだとか、芸が細かいです。 個人的には3巻がいちばんおもしろかったけど、全体としても読んでよかった、と思えました。 ★★★★ |
「導きの星Ⅲ 災いの空」小川一水 2008年01月02日(水) 惑星オセアノでは、本能である広所恐怖症をものともせず、飛行器を開発しようとするヒキュリジがいた。司たちは彼らに力を貸すようになるが、スワリスとヒキュリジの間の争いは相変わらず続いていた。地球人類の歴史を短縮したかのようなオセアノ文明は航空時代の幕開けを迎え、そしてついには原子力を手にすることになる…。 ------------------------------------- スワリスのお姫様と、飛行器を開発する発明家の弟子の恋がメインになった3巻。いいですねぇー。すごくよかったです。バーニーじゃないけど、ツボにはいっちゃいました(笑) これはもう、3巻はジブリでアニメ化して欲しい感じですねー(笑) それから、最初からちらりと名前は登場していた、キーパーソンである美娟のエピソードもいくつか挿入されてますが、これもすごくいいですね。ほんの短いシーンなのに、美娟がとても魅力的に描かれてる。 だからこそ、その後の悲劇も活きてくるわけで。 わあ~~…というところで、次巻へ。 いやあ、3巻はかなりおもしろかった! |
2007年総括 2008年01月01日(火) 読書編。2007年読んだ冊数は、以下のとおりとなりました。 小説:52冊 小説以外の書籍:29冊 漫画:121冊 昨年とくらべると小説よりもそれ以外の割合が増えてきたなー。冊数自体はあまり変わってないようですが。今年はもう少し増やしたいですねー。 その中でも特におもしろかった本。 ■小説とその他書籍 「マルドゥック・ヴェロシティ」冲方丁 「秋好英明事件」島田荘司 「黒いヴェール」「運命の猫」アニー・デュプレー(アニー・デュペレ) ■漫画 「LIAR GAME」甲斐谷忍 「君に届け」椎名軽穂 「羽衣ミシン」「光の海」小玉ユキ 「マルドゥック」の新作が読めて嬉しかった! しかもヴェロシティを読むことで、前作のスクランブルがさらに輝くという、素晴らしい出来でした。ほんとによかった。また数年後でもいいから、新作楽しみにしてます! 「秋好英明事件」は、かなり昔のものなんですが、今更ながらに読んで衝撃を受けました。 「黒いヴェール」「運命の猫」も、新しいものではないんですが、出会えてよかったと思った本。 漫画の方は、「LIAR GAME」がおもしろかった。ドラマで知ったんですが、漫画の方はまだ続いていて、読むたびにほ~と感心してしまう(笑) 「君に届け」は昨年よりさらによくなってる気がします。自分の周りでこれだけ評判がいい漫画というのも珍しいです。 でも今年いちばんよかったのは小玉ユキの2冊。「少女マンガ」の素晴らしさを再認識。 それでは、2008年もよろしくお願いいたします! 素敵な本との出会いがありますように☆ |
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