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「時間と自己」木村敏 2005年11月23日(水) 時間という概念と、自己という概念。時間というものの根本的な考え方を問い直すものでした。序盤は「もの」と「こと」という概念の違いで始まり、哲学的な内容なんですが、後半は分裂病と鬱病における時間に対しての考え方というか…むにゃむにゃ…理解してないので説明できないです(笑) 抽象的な内容を延々説明されて、ほとんど理解できず…。難しいですね。 |
「よろしく・マスター」筑波さくら 2005年11月21日(月) サンタにつかえるのが宿命のトナカイの家系に生まれた少年カイトと、寂しい少女くるみ(=サンタさん)の主従関係のような恋愛関係のような…お話。トナカイにとってはサンタさんというのはいわゆる運命の人なわけでして、運命っていうのはなんなのかなと思いますよね。 サンタだから愛情向けてくれるけど、私だからじゃないでしょ、っていう疑問。 そこらへんもうちょっとつっこんでほしいなー。 |
「密やかな結晶」小川洋子 2005年11月19日(土) 内容(「BOOK」データベースより)記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。何かをなくした小説ばかり書いているわたしも、言葉を、自分自身を確実に失っていった。有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、現代の消滅、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。 -------------------------------------- タイトル通り、静謐で硬質で端正で綺麗な原石を見ているような物語でした。 いろいろなものが消えていく島。物質が消えていくのと共に、人々の中からもその物が消えていく。その不思議な感覚は、一人の人間に起きるのではなく、島全体の人に起きるというのがおもしろいことです。もしこれが一人の人間に起きる現象だったら、まったく違う話になっていたんでしょう。 そしてまた、その現象が起きない人間もいるということ。 小説家である主人公の「わたし」の担当編集者もその記憶をなくさない人間だったために、隠れ家に匿うことになります。ここらへんがなかなかドキドキします。 そして、母の残してくれた、消えてしまったものたち。ここらへんはクラフトエヴィング商會を思い出しますね。 記憶をなくさないことから、記憶狩りから逃れるために隠れなければならない人たちと、いろんなものをなくしていってそれを悲しむことすらできない人たち。 これは、どちらがしあわせなんだと思います? 私は、いっそなくしてしまいたい。なくしていく人を見ているのはつらい。 悲しむこともできないくらいに消えてしまうなら、羨ましいとすら思う。 記憶というのは悲しいものです。 |
「小説の自由」保坂和志 2005年11月13日(日) 私にとって小説とは「読む」もの「書く」ものであると同時に「考える」ものだ。私は読んだり書いたりする以上に、小説について考えることに時間を使っている。というまえがきに惹かれて読んでみたんですが、思ってたのとちょっと違いました。 あまりぴんとこなかった。ぴんとこなさすぎて、後半ほとんど斜め読みでした…。 前半はところどころ、なるほどと思う部分もあったんですけどね。 たとえば、理解できない本を嫌々読み続ける方が失礼だとかいうことが書いてあった…気がします。私は、一応読まなきゃと思って、斜め読みして読んだことにしちゃうんですけどね。 |
「蒲公英草紙 常野物語」恩田陸 2005年11月12日(土) 舞台は20世紀初頭の東北の農村。旧家のお嬢様の話し相手を務める少女・峰子の視点から語られる、不思議な一族の運命。時を超えて人々はめぐり合い、約束は果たされる。切なさと懐かしさが交錯する感動長編。--------------------------------- お嬢様とお話し相手の少女…という設定、私などはどろどろした世界を想像してしまうんですが、このお話はとても温かく気持ちのよい時間を過ごせました。 だから、余計にぼろぼろと泣いてしまったんですが。 少女の靭さと、春田家の少年の「僕たちは引き受けることができるんだから、そうしなくちゃいけないんだよ」という言葉に胸を打たれます。 力のある人間は、そうすることが使命だから、というメッセージが考えさせられました。 …しかし、読んでる間はほんとに至福なんですが、読み終えるとどうも釈然としない…読み返すとまた至福…時間が経つとなにか足りない…という感じです。 なぜなんでしょうね。峰子がそういう状態なのだから、これは正しい読後感なのでしょうか?(恩田作品はほとんどそうですが…) とは言っても大好きなシリーズなので、今後も楽しみにしております。 ★★★☆ |
「ヴェロニカの嵐 クラッシュ・ブレイズ」茅田砂湖 2005年11月08日(火) ストーリーは十二少年漂流記と申しましょうか。それはいい。私はそういう冒険ものは好き。…あまりそういう雰囲気にはならなかったけど。しかし、ワトソン役は一般よりちょっと劣るくらいがいいと申しますが、なんだってこう、周りの人間を愚かな風に描くのか…。それを見下したように描くのか。いつも以上に辟易。 それに、勧善懲悪もいいけど、やりすぎるのもどうかとも思います。 |
「魔女のひきだし」角野栄子 2005年11月06日(日) MOEに連載された、魔女に関するエッセイをまとめた一冊。著者の角野栄子さんは「魔女の宅急便」の作者。 端正な文章で、神秘的な魔女についての伝承やご自身の思い出話について語られてます。イラストも秀麗。 小さい頃よく読んでいた童話の世界を思い出し、懐かしい気分になります。 童話も、今読むともっと違う読み方ができるのかも? |
「青色図書館」林みかせ 2005年11月05日(土) 私設の図書館の若い館長さんと、そこでバイトを始めた女子高生のお話。なかなかかわいいです。 こんな図書館が実際にあったらすごく素敵だけど。実際難しいでしょ…。本を大切にしてくれる人なんて少ないと思うね。 |
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