「硝子の月」
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2009年06月30日(火) <夕刻> 瀬生曲

(……な、に?)
 グレンはその言葉の意味が理解できず、思わず一行の顔を見回した。
 カサネとアヤメは平静を装ってはいるがそれでも動揺していることが読み取れた。リディアは素直に目を丸くしている。
 アンジュは口元に手をやって驚いている様子だが、それは質問の内容そのものにというよりは、いまここでその問いが出てきたことに対してではないかと感じられた。根拠はないが、何故かそれは確信に近い。
 ルウファは平然としていた。「運命さだめを知る」という少女はこの問いが出ることも、もしかしたらその答えさえも知っているのではないかと思ってしまう。
 そして、ティオは。


紗月 護 |MAILHomePage

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