だだの日記
「峠の上りも下りもみんな ほんたうの幸福に近づく一あしづつですから」 宮澤賢治「銀河鉄道の夜」
今年は積極的にフィールドに出ると宣言しておきながら、 いろいろと立て込んで未だに出かけていない。
今月もまだ折り返したところだが、 どうやら来月になるまで休みがなさそうだ。 てか、GWもどこまで削られるのか、今から気が気でない。
今日も予定が入るかもしれなかったので昼まで自宅待機していたが、 先方となかなか連絡が取れず、 このまま無為な一日にしたくないと思い、 思い切って出かけることに。
とは言いつつも、これから山に行くような時間でもない。 なので、ある峠道を歩くことにした。
ふもとにバイクを止めてスタート。 超が付くような激坂だったが、一歩ずつ歩みを進める。 思ったより人も車もなく、静かな上り。 後ろを振り返れば展望が広がり、しばし立ち止まる。 脇には石碑や案内書きがあり、その都度読みながら 歴史に思いをはせる。湧き水もおいしかった。
そうこうしているうちに、峠に到着。 茶屋があったので、そこの庭先で遅い昼食を取る。 (そういえば、食べ物も水も何も持ってなかった) 数少ないメニューの中からわかめうどんを注文。 たいして期待せず、出てきたのも普通のわかめうどんだったが、 空腹や疲労、野外での気持ちよさからか、 とてもおいしく感じられ、食べながらびっくりしていた。
峠を下り始めると、今度は田畑が広がっていた。 田んぼにはこの時期なので何もなかったが、 畑では農家の方が一生懸命耕していた。 その様子を立ち止まって眺めていたが、 鍬を動かしながらだいぶ大変そう。 この瞬間まで、一つの野菜が こうした農家の苦労の末に作られてることを忘れていた。 いやはや、恥ずかしい。 足元に咲くシロツメクサも、 こんな花だっけとまじまじと見つめていた。
自転車に乗ってる時は、 「車やバイクよりも遅い分景色が楽しめる」と思っていたが、 久しぶりに歩いてみると 「自転車よりも景色が楽しめる」ことに気付いた。
いろいろ新発見。 わずか6kmの歩行で疲労も適度。 2時間半という短い時間ながらも 充実した時を過ごせた。
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