だだの日記
2003年01月04日(土) |
僕らはみんな生きている |
『アラスカ 風のような物語』(星野道夫、小学館文庫、★★★★☆) 人からよく海外旅行好きなイメージを持たれるのだが、 自分としてはあまりそういう認識はない。 確かに何回か外国に行ったことがあるし、 異文化とかそういうのに興味が強いほうだとは思う。 外国を旅したいと思うこともあるが、そんなに強くない。 そもそも、もう3年以上も海外には行ってないのである。
その理由を考えるならば、ひとつに外国に行くことが 特別なことだとは思わなくなったからだと思う。 僕がはじめて外国に行ったのは20歳の時で、それまでは外国ってどんなところなのか 全然イメージがつかなかった。アメリカとかヨーロッパはテレビなんかの情報のせいで わかったような気になっていたけど、僕が行ったのはそういうところじゃなかった。 それだけにいっそう好奇心がかきたてられたし、未知の不安もあった。
で、実際僕が外国に行って感じた一番大きなことは、 外国でも普通に人々が生活してるということだった。 人々の営みはどこであろうと基本的に変わらない。 どんなところに行っても、人は働き、食べ、家族との団欒を楽しむ。 そういう点では日本もイラクもアフリカも大差ないなと思った。 そのことを感じてから、外国が特別なものだとは思わなくなった。 だから、あえて行こうともしなくなったのだと思う。 やってくるものを受け入れる気になれば、 日本にいたって楽しいことはいっぱいあると思うし。
今後、僕が世界のどこに行こうとも 大それたことだと気負わず、さらっと行ってきたいと思う。 そこにも人の生活があり、僕らはみんな生きているのだから。
この本を読んで最初に感じたのはこういうことだった。 アラスカに住んでるからといってそれはけっして特別なものではない。 日本と同じようにそこに生活があり、その土地ながらの方法でみんな生きている。 先住民も外からアラスカにたどり着いた人びともみな同じなのである。 人間だけじゃなく、動物も、植物も。
しかし、人々がアラスカで一生懸命に生きようとしている姿は印象に残る。 外国のドキュメンタリーなり話なりで一番印象に残るのは、 どの土地であろうと人がみな一生懸命生きてる姿だと思う。 生活が貧しければ貧しいほどそう思う。
僕も同じように生きている。 だったら僕も彼らと同じく一生懸命生きたいと思うのである。
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