だだの日記
最近、電車のなかでは音楽を聞く。 本も一応常備してるけど、とても開く気になれない。 何も考えずに音楽を聞く。
同じのばっかり聞いててもあれなので、 思い切って「宇多田ヒカル」借りてきた。 「DEEP RIVER」 思ったよりヒット!でも、僕のテーマソングにするには至らない。
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『熊から王へ』(中沢新一、講談社選書メチエ、★★★★★) はっきりいっておもしろすぎです。感動しました。
人間と動物。「文化」と「自然」。 かつてこれらの対称性が保たれていた時代があった。 今はその関係が崩れてしまった「圧倒的な非対称」の社会。 どうしてこのような社会が生まれてしまったのか。 著者は世界の神話をもとに明らかにしていく。
そのプロセスというか、論理の導き方が圧巻。 僕たちはこの対称性が過去のものであることを知っている。 その事実は変えようがない。 だから読んでて心苦しい。この美しい社会が崩れていくのがわかっている。
まるで「スターウォーズ」でアナキンがダークサイドに転落する様を見ているよう(^^;)
やがて「共同体」から「クニ」が生まれ、「王」が登場する。 「王」が生まれた結果、「文化」は「自然」を支配し始め、「野蛮」が生じる。 この「野蛮」を土台に「国家」は「文明」を築き上げていくわけだが。。。
大学の講義録だから僕らでもわかるような言葉で語られている。 すごくわかりやすいのに書いてある内容は深い。まさに目から鱗。
シリーズ前作『人類最古の哲学』もおもしろかったけど、 今回はそれをさらにいくおもしろさ。 こういうことを研究してる人がいるってのが感動ものです。
それに引き換えこちらは難しすぎた。
『森のゲリラ 宮沢賢治』(西成彦、岩波書店、★★☆☆☆、読了は翌日) 宮沢賢治を軸にコロニアリズムとかクレオール文学とかを論じた論文集。 論文集だけに内容が難しすぎ。一般向けではけっしてない(よね?)。
一応コロニアリズムとかクレオールのことなら多少なら知ってるし ところどころ話がわかって、おもしろいかもとか思うのだけど、 それでも何を論じてるのか??? もっと自分のなかの基本知識の水準を上げていかねば。
てか、宮沢賢治読んだことないし。
でもね、実はこの著者とは一緒にお酒を飲んだこともありまして。
エロチックな文学にはまってフランス文学専攻したとかおっしゃってました。 だからってそれで東大に入っちゃうことはないだろう(笑)
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