だだ争論

だだの日記

2002年09月08日(日) やっぱり夏樹

大阪行った話にしようか、大相撲見てた話にしようか迷ったけど、
書くことに困った日には池澤夏樹の話をするのに限る(^^;)


『楽しい終末』(文春文庫)読んだ。
「おもしろいけど難しかった」と「難しいけどおもしろかった」は
似ているけれどもニュアンスは異なる。
でも、この本ではどちらも真なり。

終末論にまつわる現象を池澤夏樹が考察した評論集。
核、エイズ、環境破壊など、我々が持つ終末のイメージに
冷静な筆致で説得力を持って語りかけてくる。
その論理的思考をそのまま受け取ってると、頭が良くなった気がして
とても小気味よい。
ただし、文章としては読んだけど内容を吟味したうえで理解できたわけではない。
好きな作家の書くものだからといって無批判に受け入れるのはどうかと思う。
だから、これ以上のコメントは特になし。
表面的にしか理解できていないのが悔しい。
きっと何度でも繰り返し読んだほうがいいだろう。
一読の価値ある一冊です。
(★みっつ)


池澤夏樹の書いたもので一番好きな作品を問われたら、
迷わず「帰ってきた男」という短編を挙げる。とにかく、おもしろい。
先日なんとなく『文学界』のバックナンバーを見ていたら
雑誌掲載時の「帰ってきた男」を見つけてしまった。
おおっ!と思いながらパラパラめくっていたら、
僕の知ってるそれとはだいぶ違うことに気がついた。
だいぶ手が加えられている。。。
特に結末に関してはまったく正反対。
こういうこともあるんだとちょっとびっくりしたが、
書き換えられたほう(本になったほう)がよいと思った。
あれじゃちょっとだめだろう。


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