友人と昼食をとり、大学内を歩いているとどうも視界がゆらゆらする。足元もふにゃふにゃして、歩いている実感がない。友人が話しかけてくるが、言語が理解できない。あっ、これはもしかして。私は唐突に悟ったのである。これは、夢だ。私は今夢の中にいるのだ。頬に指をやる。感触が無い。境界は消えつつあるのだ。(完)