★ 夏海の日記 ★
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2007年09月19日(水) |
letさんの『仕事』として... |
昨日、「かぁちゃんに話をしてもわからんっ!!(話したところで、かぁちゃんは理解できない)」と言って、ちっとも説明をしてくれないteaに頼るのを止めて、 letさんに直接説明をしました。 とても丁寧に。
「これから、今までも説明をするね。 とても大切な話だから、聞こえない時は聞こえない、意味が解らない時には意味が解らないと、そう言ってね。 解らないまま返事をしないでね。そうじゃないと話をする意味がないから」と前置きをし、説明を始めました。
その前に 軽く letさんがデイケアを毛嫌いしている理由をば。
letさんが嫌いな 老婆が階下に住んでおり、 彼女は 過去に『モーニング』に一緒に行っていた仲間の一人で、 (『モーニング』って、全国的に知られるようになったのかしらん? 愛知県の喫茶店には、『モーニングサービス』と言うものがあり、 注文した飲み物に ショボイお店でも 無料でトーストとゆで卵が断らない限り必ず付きます。 コーヒーを注文すると、コーヒーに お味噌汁とおにぎりや茶碗蒸しが付いて来たり、 トーストの代わりにサンドイッチだったり、パンが食べ放題だったり、 ホテルの朝食のように、バイキング方式だったり、それぞれのお店で特徴を出して競争し、 主婦や老人がお昼まで お喋りをしたり、 休日に家族みんなで出掛けて 喫茶店で朝ごはんを食べたりする風習があります。)
その彼女に「私はよぉ、おみゃーさんより歳いっとるけど、おみゃーさんより シャンとしとるでよぉ」 (訳 : 私はね、あなたより歳を取ってるけれど、あなたより シャンとしてるからね) と言われたことに腹を立てていて、 (そりゃー仕方がないですよね。だって、くも膜下出血で四肢が不自由になったのですから。 そんな人に対して自分の方が優位だと言う人の方が 人間として どうかと思います。) また、そんな彼女ですから、家庭で厄介者扱いされていて、家の不満をletさんに愚痴っていたらしく、 その彼女の口から聞いたデイの『良いところ』が、 ・ 老人を大切にして貰える。 ・ 楽しくお喋りして一日楽しく過ごす。 ・ お風呂も入れる。 ・ 美味しいお昼ご飯や おやつを食べられる。 でした。
letさんには どのどれも魅力的ではない。 だって、家にいても ないがしろにされず大切に扱われているし、 散々聞いた家族の愚痴など聞きたくはないし、 お風呂は 気兼ねなく家で入れるし、 おやつも 食事も 自分の好きなもの(微妙ですが ^^;)を食べることができる。 階下の老婆のような人たちが通っている『姥捨て山』に、自分が行かされることに納得できない。 そりゃー当たり前ですよね。
で、話を始めました。
まず、teaは職業訓練校への入校を「学校に行く」とletさん説明したので、 「学校に行く = 遊び」の為に自分は預けられる の誤解を解く為の説明をしました。
teaは『学校』って言ったけど、『学校』じゃなくて、職安から紹介されて 次の就職の為に資格を取る勉強に通うのね。 『学校』は お金を払って行く場所だけど、私が行く場所は お金を貰って 就職する為の勉強をしに行くところだから、『仕事』と同じなの。 私は 歳を取ってるから、資格を持ってないと 良い給料を貰えるところに就職できないから、その為に資格を取る勉強をしに行くんだよ。
まずは 私が遊びに行くのではないということを 説明しました。
そして、デイサービスに対する心構えの話に移りました。
階下の茶色さんは、家にいると邪魔者扱いされるので、デイにいる方が楽しい。 家にいても楽しくないので、デイに『遊びに行っている』んだけど、 letさんの場合は、デイに行く理由が 茶色さんとは違うのね。
私もteaも居ない家で、一日ずっと家にいると、ほとんど寝ているでしょ? 一人で足やら手やらの運動をしても、限界があるし、その日の気分によって、やったりやらなかったりする。 そうなると、足腰が弱って今より歩けなくなるのね。 だから、一週間に2日『運動しなきゃいけない日』を作って、どうしても歩かないといけない日を作って運動した方が良いと思うの。 ピンポンってされて出掛けると、デイまでは 必ず歩かないといけないでしょ? デイの中は広いから、トイレに行くにも歩かないといけないよね? 私たちがいない間に 歩く練習をして、今よりもっと歩けるようになって欲しいなって思ってるの。
それと、お昼に一人でご飯を食べると、栄養的に不足するから、お昼を栄養士さんが考えてくれた料理を食べて、体重を増やして元気になってくれたら、 今年の風邪のように こじらせないで 早く治せるから、『元気になる為』に デイへ行ってくれたら有難いなって思う。 毎日の嫌なお薬も飲まなくても良いし、注射も打たなくても良いように、『元気になる』ことが、letさんさんの『仕事』なんだよ。
デイに行って、足も丈夫になって、風邪を引かない健康な体になることが目的だから、茶色さんとは行く目的が全然違うんだよ。
でも、練習とか訓練とかだけじゃ楽しくないし、 どうせなら、letさんにも「楽しいな」って思って欲しいから、一日体験して どんなところか自分の目で確認して来て欲しかったのね。 私もteaも、ここは嫌いとか 嫌だなって思う場所には行かせたくないと思っているから、 だから体験で どんなところかを見てきて欲しいなって思ったの。
病院へ行ったり、人が来たりしたの覚えてる?あれで、『介護認定』というものを申請したのね。 letさんの場合は、『要支援2』って言うのになったの。 この人は、自分で自分のことができる人だから、『介護』しなきゃいけない人じゃないって、 だから、デイサービスも 週に2回しか来ちゃいけませんって言われたくらい letさんさんは元気なのね。 だから、今より もっと元気になるように、一週間に2回運動しに行って欲しいなって思う。
letさんは 弱くうなずいただけで、不安そうな顔をしていましたが、 とにかく言うべきことは 全部伝えたし、これ以上くどく言っても逆効果なので、 「と、言うことで、テトのお散歩に行ってきまーす」って明るく言って家を出ました。
私の話がどれだけ心に届いたか?は不安で、 (人は情報を『脳』で処理しますから、聞きたいことしか 耳に届いていない可能性があるので) 家に帰ったら letさんがいなかったらどうしよう?とか、 自分がやっかい者だとの認識度が増したらどうしよう?とか、 また 「死にてゃー」って言われたらどうしよう?とか、本当に不安でした。 (ベランダから飛び降りてたらどうしよう まで考えました。)
テトとの散歩から帰ったら 手押し車があり、letさんがテト用に牛乳を用意しているのにホッとし、 少し機嫌が良くなっていたletさんと一緒に待っていたら、 ケアマネさんがケアプラン(これから 何を目標に規則正しい生活をするか?を文章化したもの)を持って来てくれる時間が来ました。 電話が鳴り、「いつも駐車している場所が工事中で止められないので、どうしましょう?」とケアマネさんから言われたので、案内の為に階下に降り、 お陰で打ち合わせをする時間が持てたのはラッキーでした。 私が言った letさんが健康になる為に を全面的に押し出して説明をしてくれ、 やっと、「自分は邪魔だから預けられるのではないんだ」と認識してくれたらしく、デイに行く気になってくれたようです。 ケアマネさんが帰った後、「じゃぁ、私は10月から デイに行くんだね」と言うので、 「いやいや 何も決まってないよ? だって、そこが気に入るかどうか 体験もしてないのに、letさんに何も言わないで勝手に契約なんてしてないよ」と言うと、 もっと機嫌が良くなりました。
くっそー teaがもっと早く説明してくれてたら、もっと楽だったのにーーー!と思いました。
と、teaが家に帰って来て、「今日ちゃんと説明したら機嫌が治った。行く気になったみたい。」と伝えたら、 「今日はね。」と軽く言われました。 「今日は 行くって言ってるけど、明日はどうかは判らない。」 「オイラも 昨日ちゃんと 同じように説明したよ。」だってさ。 心に届くように説明しないと それは 説明したとは言わない。 teaの説明の仕方が letさんが理解できるような説明の仕方をしたとは思えないんだけどな。 だから、自分は見捨てられたと不安になるのも無理はないと思うんだが。
どっちにしても、次回の一日体験は 今度の土曜日。 teaが休みの日に 二人で玄関でお見送りして お帰りなさいをする予定です。 さて、どうなりますことやら。
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