★ 夏海の日記 ★
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2002年01月17日(木) |
月経前不快気分障害(PMDD) |
こんな記事を見付けました。 女性なら、程度の差こそあれ、誰でもある月経前の不快な症状。それが酷いと、『月経前症候群(PMS)』と言うそうです。聞いたことありますか?お腹が痛い、便秘になる、イライラする、肌が荒れる etc... さて、今日の表題は、この『月経前症候群』ではなく、『月経前不快気分障害(PMDD)』です。
********** 以下文章 ********** 普段は元気なのに、生理前になると突然、イライラや不安感が募り、甘いものが急に食べたくなったり、眠くてしょうがない...。こんな症状に悩まされる若い女性がけっこう多い。『月経前不快気分障害(PMDD)』と呼ばれ、非定型うつ病の一つとされる。一般に知られる『月経前症候群(PMS)』と症状が似ているが、PMDDは放置すると本格的なうつ病に進むこともあるので、注意が必要だ。(記者 : 藤 英樹)
茨城県に住む主婦、A子さん(28)は流産を経験した1年半ほど前から、生理が近づくと突然、強い倦怠感やイライラ、頭痛に悩まされるようになった。 「生理前になると、何もやる気が起こらなくなるんです。新聞を読むのもおっくうに。訳もなく夫や友達に当たり散らしたり、家事ができず、不安が募って外出もままなりません」 生理が始まると症状は消える。治ったと思い、A子さんはパートの仕事を始めたが、生理前になると再び同じ様な症状が襲った。結局、仕事は辞めてしまった。今はクリニックに通い、抗うつ薬を飲んでいる。 「自分で自分の体をコントロールできないのが辛い。目に見える病気でもないので、余計にイライラしてきます」と訴える。 A子さんほどではないが、生理前になると軽いイライラや不安を感じるPMSは、女性の20〜50%が経験するといわれている。PMSの重症化したケースがPMDDともみられるが、PMSとは区別されている。欧米では、20〜40代女性の3〜8%がPMDDという調査報告もある。 1994年に初めて米国で認知され、同国精神医学会による研究用基準案は「黄体期(次の月経までの期間)の最終の週の大半に。著しい抑うつ気分や不安、緊張、怒り、倦怠感などがみられ、卵胞期の開始後2、3日以内に消失し始め、月経後1週間はみられない」と定めている。 PMDDに詳しい慶応大学病院漢方クリニックの山田和男医師によると「仕事や人間関係に使用が出たりする中等度のうつ病。ただ一般のうつ病と違うのは、過眠や過食の症状が目立つ点。ふくらはぎが太くなったり指輪が入らなくなったなどむくみの感覚が顕著なことも。PMSとの線引きは難しい。産婦人科で『我慢して』『皆さん同じ事で悩んでいますよ』と言われ、未治療ですまされるケースも多い」という。 しかし、放置していると、「本格的なうつ病やパニック障害に進むこともある」と注意を呼びかける。 それにしてもなぜ、PMDDを発症するのか? 山田医師の調査では、無理なダイエットや就職など周囲の環境変化が誘因と見られるケースがある一方、はっきりしたきっかけがないケースも多い。「プロゲステロン(黄体ホルモン)欠乏説やエストロゲン(卵胞ホルモン)過剰説、ビタミンB6低下説などさまざまな仮説がありますが、まだよく分かっていません」 気分のアップダウンがあると言う点では、一見、躁鬱病のようでもあるが、「生理が始まれば、社交上問題はほとんどなく、ごく普通に社会生活を送れるので、躁鬱病とは全く異なります。ただ治療に同病治療薬の炭酸リチウムが使われることはある」と山田医師は説明する。 生理は正常、ほんの一時期気分が落ち込んでも自殺を考えるほどの重症うつ病ではない...から、結局、うつ病と思わず、我慢してしまう潜在患者が多いのがPMDDの実態のようだ。 山田医師は「PMDDの治療には、SSRIなどの抗うつ薬が有効ですが、『加味逍遙散』『抑肝散』など漢方薬を勧めることもあります。長期予後がよくないホルモン治療や、抗うつ薬でもスルピリド(ドグマチール)などは生理を止めることもあるので避けた方がいいでしょう。いつ、どの程度の量の薬を飲むか個人差も大きく、PMDDの治療経験が豊富な専門医を選んで」と忠告する。
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