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2004年07月18日(日)

この日の日記 に書いた、わずか10日間ほどでいなくなってしまった
新人パートさんのことなんだけれども、
「その後が知りたい」という友人からのリクエストまであったにもかかわらず
日記を書く暇があってもなかなか私が書けなかったのは
書こう書こうと思っているうちに時間がたってしまって
日記のネタとしては古くなってしまったことも、もちろんあるけれど、

彼女が、精神的な病で薬を服用していたというのが
どうにも私を遅筆にさせていた大きな要因の第一なのであります。

あまりの話の噛み合わなさに、最初から少し首をかしげたくなることが多くて
なんとなくそうじゃないかと思ったりはしていたのですが・・・



とても些細なこと、たとえば通勤にバス使うか電車を利用するかなんてことを
彼女、Yさんはとても真剣に力説する。
こちらが軽い気持ちで「いやぁ、それは違うよー」と言うと
まるで全人格を否定されたかのように、不愉快を顕に表情に出す。

でもなにより不思議だったのは、
すばらしい経歴を見込まれて即採用された人なのに驚くほど覚えが悪かった。
仕事に対してとても意欲的で、真面目に取り組もうとしているのにもかかわらず。

いや、単純に覚えが悪いというような感じではなくて、
受注票の書き方を教えたのだけれど、商品のコードを間違えている。
「ここはメーカーコードじゃなくて、6桁のうちの商品コードをいれるのよ」
と言うと、修正テープをペタペタ貼ってYさんはせっせと書き直したのだ。
ところが翌日、再びまったく同じ間違いをする。
まるで昨日の記憶が一切とんでしまったかのように。
しかも前日と同じ取引先のところをやってもらったのに、である。

そのうちにみな忙しくなる。
電話は鳴り響き、みんな自分の作業で手一杯になる。
誰もYさんにかまってあげられない。
すると彼女はそわそわと落ち着かなくなる。
トイレへ行く。30分くらい戻ってこない。
外へ出て誰かに電話をかけている。
席に戻っても仕事に集中できないようで
そのうちに机にうっ伏したり、マウスを握ったままうたた寝をしたり・・・

「大丈夫?」と誰かが訊ねると「大丈夫です」とにっこり笑って答えるが
状態は変わらず、一向に仕事にならない。
そうこうしているうちに「ちょっと調子悪いので帰らせて下さい」
と言い出すのだ。

社員の人たちもみな、Yさんには何と言っていいか困惑していた。
私のいる部署は女性ばかりで、しかも上司が常駐していない。
上司は本社から出向してくる女性マネージャーで
4月からしばらくは毎日のように顔を見せていたが
6月頃にはたまにしか来なくなっていた。
責任の所在が明確でないから、Yさんに注意する権限を誰も持たなかった。


そんなことが2、3日続いた後の金曜日。

Yさんに仕事の補助をしてもらっている社員のSさんが
「今日は彼女にしてもらうことがあまりないから、○さん(私)、受注票やらせてくれない?」
と私に言った。

私はYさんがちょっと怖かった。
彼女は、時には生真面目で丁寧で小心だが、時として投げやりでふてぶてしく
私は彼女の態度の豹変ぶりが脅威であり驚異であり、心配だった。



(長くなったので続きます。)
                 


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