考えてみれば、追いかける恋愛ばかりしていた気がする。
追いかけられるのは、好きじゃなかった。
手に入らないものが大好きで、
自己愛の塊だった私は、いつも悲劇のヒロインごっこに酔いしれていた。



そんなものだから、恋人との関係は、甚だ不本意だったし、
殆ど思い通りになる関係は、面白みがなかった。



つまらないから突き放したり意地悪したり。
どれだけケンのある態度をとっても、
必死に私を追いかける様は、
犬ですよ、犬。



其れがまた面白くなくて、
でも少しずつ少しずつ私の中で、
恋人は確かに「存在」し始めた。




このまま落ち着くわけがない・・・・と、
どこかから声が聞こえてくる気がする。

雉葉 ｜Mail

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