重 い 月

も く じま えあ と

2003年12月27日(土)  『太閤記』…ドラマの感想

あ〜、終わってしまった〜!
ずっと楽しみにしてたから、何だか淋しい気がします。

歴史物好きの私としては、物語的には突っ込み所満載!なんですが…。
二時間半で、何十年分の物語をやるのですから、前半、松下嘉兵衛に語らせて、どんどん飛ばして行くのも仕方ないでしょう。
ただ、時間経過とか、登場人物の年令的なバランスとか、どうなの?と思ってしまう所もたくさん有りました。
ずっと気にしていた、北大路欣也さん演じる浅井長政は、秀吉とも信長とも一緒のシーンがないので、長政の年令を知らずに見ているなら、違和感はないかも知れませんね。

あと気になったのは、お市が、出て来た時から“大人”だった事。
兄である信長や、秀吉より、十才以上も年下なのに、まるで年上のような落ち着きぶり。信長様の奥方のよう…。
これも、時間がないので、二人分の役目をお市一人に背負わせてしまったかな、という気がしました。

それと、ぶっつり切って、CMに行く感じが嫌だった。映画なら…、DVDなら…。


今回、素晴らしいと思ったのは、秀吉が竹中半兵衛に会いに行く所から。
志乃、半兵衛とのエピソードから、秀吉の人柄、人に好かれて押し上げられて行く、という感じが良く出ていたと思いました。

ただ、半兵衛が秀吉に仕えた後、志乃はどうなっちゃったんでしょう?
身寄りもなく、盲目の志乃のその後について、一言も触れられていないのが、気になって仕方ありませんでした。

秀吉が殿(しんがり)を言い付けられた後も、素晴らしかったと思います。
「みんな、生きて帰ろう」という秀吉の立派な事。
“嵐の前の静けさ”とも言うべきシーンは、涙が出そうになりました。
そして、弟を助ける為、初めて人を斬ってしまった秀吉を見る、小一郎、小六、官兵衛、半兵衛の顔…。
その後、狂ったように、人が違ったように、人を殺していく秀吉…。
このシーンの映し方も素晴らしかったし、戦をする人間の悲しみ、人を狂わせてしまう戦の恐ろしさが、胸に迫って来ました。
生きて帰って来た秀吉の顔…。(剛くん、何であんな顔が出来るんでしょう…)

お市の方を助けて、自分を取り戻して以後の秀吉は、とても立派です。声の出し方も話し方も。
半兵衛が亡くなる所は、『僕の生きる道』と逆の立場ですが、泣けました。
小日向さんも、素晴らしかったです。

この物語は、剛くんが秀吉でなければ成立しなかったでしょう。
時代劇らしからぬ映し方も、人間ドラマになっていて、良かったと思いました。


も く じま えあ と

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