お久しぶりのちゃんちゃん☆ です。何とかPCの方も、調子戻ったようです。 で、こっちもそろそろ更新しとかないとなあ、と思っていたんですが、フト思い立ち某・大手オークションを覗いてみたら! 以前気になっていた物件の入札締め切りが、ぬわんと今日だって話。 こりゃ書かないとウソだよね、と、思い切って書いてみました。一応このニュースがTVで話題になった当時思い付いた話なんですけど、ネタが今ひとつ練れなくて、ボツくらわしてたんです。ハイ。・・・あ、でもこのニュースって朝流してたけど、夕方って流してたっけ? まいいか。 では、あとがきでまた。 *********** 突然だが。 『無口王』こと勝木景虎が所属するペラグループは、当然のことながら県内にペラ小屋を持っている。 そしてペラ小屋、というからには、ペラ調整のために出入りするのがほとんどではあるが、たまに違う目的の時もある。例えば、何故か自宅に競艇チャンネルを引いていない某・先輩のために、SG決勝戦レースのビデオを見せてあげるため、とか・・・。 ちなみにその某・先輩は、今でも自宅ではあまりテレビを見ない性格らしい。だから、彼がここに滞在している際小屋のテレビで流しているのは、たいてい競艇チャンネルか、もしくはニュース番組に偏っていたり、する。 ・・・後にして考えれば。 今回のちょっとした騒ぎの原因はひょっとしたら、先輩のその偏った視聴傾向だったんじゃなかろうか、と勝木は思うのだ。 その日。 メンバーがあれこれと議論を交わしながら、より良いペラを作っている最中のことである。誰かがスイッチを入れたテレビではちょうど、国営放送のニュースを放映していた。 「では、次のニュースです・・・」 そう言って、まじめな顔のアナウンサーがその日のニュースを読み上げていたのだが、皆の耳に「香川の離島」と言う単語が飛び込んできたのは、何の運命のいたずらか。 「は? 香川??」 慌てて音声のボリュームを上げ、改めてニュースを聞いたところ。 インターネット大手の某・会社が行っているインターネットオークションにて、香川の離島にあるリゾートホテルが競売にかけられた、とのニュースを知らせていたのだ。 「ほお、S島か。地図上でやったら結構近いの。サーフィンする拠点に出来たら、便利やろうなあ」 そう嬉しそうに呟く蒲生の言葉に、後輩たちは苦笑を浮かべるしかない。 「そりゃ、確かに近いですけどー。S島って、フェリーでしか行けないでしょ?」 「何言うとる。高松からやったら、そう遠くないやろが。それも1時間かからんと行けるんやし、1時間おきに船出とる、ちゅうても過言やないし」 ・・・高松はれっきとした、香川県内である。 (※地理オンチのちゃんちゃん☆ は調べてはじめて知った★) 「で、でも、フェリーだってお金かかりますし。船会社の都合で、出航できない日だってある、っていいますよ?」 「お前ら、そこそこ稼いどるやろが。それに、いざとなったら船でも買えばええわけやろ。そもそもワシら、船舶免許持っとるやないか」 ・・・競艇選手はすべからず、船舶免許取得を義務付けられている。 「だ、だからって、最低入札金額見ましたか? 2千万ですよっ!」 「そうそう。それに維持費とか、ホテル経営云々とか考えたら・・・」 「ワシ、SG2つとったし、賞金王決定戦にまで出たから、金ならあるぞ。それに、別に利益なんぞ考えとらんからなあ。知り合い呼んで楽しく遊べたら、それでええし」 ・・・ちなみにSG1つは4000万(賞金王シリーズは除く)。 「そりゃ、蒲生さんならお金ありますでしょうよおおおおっ!!」 「でも俺たちは、そこまで金ないんですからねっ!」 「大体、そんな維持費のかかるペラ小屋なんてえええっ!」 「あのな・・・お前ら何を聞いとったんじゃ。ワシはサーフィンの拠点に欲しい、ちゅうとるやろうが。誰がペラ小屋に、こないな高いもん買うかい」 蒲生が呆れ顔で発した言葉も、だが勝木以外のメンバーには聞こえなかったらしい。 何故なら。 彼らは若気の至りでふと、キラキラとした想像をめぐらしてしまったのである。 青く美しく輝く海のそば。 おしゃれなプール付きホテルが、もし自分たちのペラ小屋(←この辺が職業病☆)になったら。 下げ膳据え膳のリゾート気分で、ペラ作りに励めるではないか。イヤ、そうカロリーのある料理は楽しめないが、GFでも呼んだらきっと、ムード満点だろうなあ・・・。 が、現実は残酷であり、叶わない甘い夢を見ただけ、ダメージは当然デカい。 「おい、今度の休みいっそのこと、海外旅行行こうぜっ!!」 「おうっ! 男同士で潤いないけど、彼女探しのために同行してやるぜい!」 「うう・・・今度奮発して、彼女リゾートホテルに連れて行ってやろうかな」 「お〜いお前ら〜、ペラ作りはどないしたんじゃ〜」 皆して遠くの方へ行ってしまった後輩と、彼らを心配する蒲生をよそに。 勝木はいつものごとく無言のまま、ペラ作りに専念するのであった。 *************** 「・・・・・で? 私にどうしろ、って言うんだい??」 後日。 たまたま蒲生が斡旋されていなかったG1にて、勝木と同じペラグループの1人は、勝木を無理やり同行させた上で榎木の元へはせ参じた。 「だから。もし蒲生さんがまだホテルの落札諦めてなかったら、頼むから止めてくださいっ。たのんます! 榎木さんぐらいしか、蒲生さん窘められる人って、考え付かないもんで!!」 「また、何でそんなことを・・・」 「だって、手の届くところにホテルリゾートがあるって思ったら、つい想像してしまうんですよっ! 海の近くのペラ小屋、ってヤツをっ!!」 「でも、蒲生さんはあくまでもサーフィンの拠点に、って思ってるんだろ? プライベートに関しては、私がとやかく言える立場じゃないよ。仮にも私の方が、後輩なんだし」 「そんなあああっ! 榎木さんだけが頼りなんですぅううう!」 困った顔で榎木が勝木を見れば。 どちらかと言えば、先輩たちの度を過ぎた妄想の方に辟易している、と言った感の勝木が、深々と頭を下げる。 手の届くところに欲するものがある、ということの残酷さを、榎木は他人事ながら苦笑とともに、思いやらずにはいられないのであった。 ちなみに。 「私も実は、あの物件興味あったんだけどね・・・。蒲生さん家に直接訪ねていくより、中間点のあそこの方がお互い移動が楽だから。 ・・・言わぬが花、だな」 《おしまい》 ************* ※最後がちょびっと、や○い風になったかもしれないですが、ご了承ください。 ちなみに、物件落札に反対する後輩の、蒲生さんへのツッコミは、実はニュース見た直後にちゃんちゃん☆ が思ったことそのまんま、だったりします。 ただちに、脳内の蒲生さんに、ツッコみ返されましたけどね★ 「フェリーでしか行けない→船舶免許持ってるんだから何とでもなる」 「お金がかかる→ワシはSG2つとっとるもんv」 ・・・なんちゅーか、ここまで想像力があると、半分病気ですな、こりゃ。
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