竜の爺の戯言日記
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2005年01月20日(木) |
大寒の庭を清めて勤め出る あべなか川に雪は降りつつ |
お互いのバトルが激しい割には、さっぱり要領が飲み込めない両陣営の言い分。 もともとは、番組「問われる戦時性暴力」は、4夜連続のETVシリーズ「戦争をどう裁くか」の2回目で、 NHK教育テレビで2001年1月30日午後10時から放送された内容をめぐっての言い争いで、 放送内容が政府の圧力で曲げられた、と主張する NHKの現場制作の鬱憤が火種なんだねぇ。 竜の爺は見たかどうか記憶に無いが、何しろ同じような内容は見聞きしていて特に目新しいものでもないし、 それにこうした内容に政府が目くじら立てて製作者にイチャモン付けるのは当然の政権党なのだから、 なんで? って竜の爺は思ってしまう。 当時、放送総局長だった松尾武・NHK出版社長が1月19日会見し18日付の朝日新聞朝刊に掲載された 「NHK番組改変 本社の取材・報道」に、“NHK幹部の一人”として言葉が引用された部分について、 「なぜ逆の記事になるのか全く理解できない。『誰からも干渉されずに自主的、自立的に編集した』と いう発言は、全く無視された。と抗議しているが、告訴でなく、抗議などと言う手法の会見なんて 言い訳をしなければならないと攻められて会見した言い訳男のそれだけのこと。何だよなあ。(笑) 誰に攻められたかって? 勿論その手の、近くの人だろうが。男が立たぬ、とでもいわれたのか。 問題の放送番組は、民間団体「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(バウネット)が2000年12月、 東京で開いた模擬裁判「女性国際戦犯法廷」を軸に、従軍慰安婦など戦時性暴力の責任問題を取り上げた。 これを取材したNHKによると、番組はNHKが関連会社「NHKエンタープライズ21」に委託、 同社が制作会社「ドキュメンタリー・ジャパン(DJ)」に再委託した。つまり下請け孫受けの仕事契約で まぁ、珍しいことでもなんでもなく、日常行われている業務の形態だが、例の紅白歌合戦の裏金の問題が絡んで この辺にも何かありそうだけれど、うるさい雀口は閉ざして今回は別口、「放送法」の問題。 (放送番組編成の自由) 第3条 放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。 (国内放送の放送番組の編集等) 第3条の2 放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、 次の各号の定めるところによらなければならない。 1.公安及び善良な風俗を害しないこと。 2.政治的に公平であること。 3.報道は事実をまげないですること。 4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。 (放送法-第1章の2 放送番組の編集等に関する通則 から抜粋) http://www.houko.com/00/01/S25/132.HTM 放送内容の2000年12月、東京で開いた模擬裁判「女性国際戦犯法廷」はどんなものだったか。 「すでに亡くなっている昭和天皇や旧日本軍の軍人らを被告とした上、弁護人もつかず、被告に反論の 機会さえ与えなかったため、「裁判としての形をなしていない」などと批判を受けていた。このため、 何回かの編集作業が加えられ、最終的に放送された番組では、日本国と昭和天皇に責任があるとした “判決”の場面や、元従軍慰安婦の証言がカットされ、逆に模擬裁判に反対の立場を取る 秦郁彦・元日大教授のインタビュー部分が増え、放送時間も44分から40分に短縮された。(読売新聞より) つまり、民間団体「戦争と女性への暴力」日本ネットワークの主張した内容を、この放送によって 日本国と昭和天皇に責任があるとした模擬裁判をすべての国民はこれからもすべきでないと意図的に改変した。 庇を貸して母屋を取られたバウネットは当然怒りまくり 「事前の説明とは異なる番組を放送され、信頼を裏切られた」として、 NHKと制作2社に損害賠償を求めて提訴したが、 この決着として東京地裁は2004年3月、DJに100万円の賠償を命じている、しかしだ、肝心の NHKについては「編集の自由の範囲内」として責任を認めなかった。しかしこの編集の自由の範囲内というのは 放送団体業務のNHKに政府が介入したからなのではないか、と言うのが「火種」なんだねぇ。 続く
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