moonshine  エミ




2004年01月21日(水)  エミどん、雪の日の事件簿 / 尾崎

 一日じゅう降ったりやんだり。
 雨ではないですよ。雪なのです。
 福岡では一年に何度かのことですから、大わらわです。
 
 しかも予報によると、明日もこんな調子らしい。
 夜の間に、積もったり道路が凍結してしまう恐れ、大。
「雪になったら、薬院からはバスに乗れないよ」
 先輩が脅すので、それなら明朝の予行演習を、と、
 なぜか張り切って徒歩で家まで帰る午後7時。

 ふきすさぶ風の中、帽子と手袋、マフラーもぐるぐる巻きの完全防備、
 ほとほと歩いてスーパーにも寄って、さあ家に着いたぞと
 ポケットを探って青ざめた。
 鍵がない。ない。ない。ない。
 会社に電話する。
「ロッカーにさしたままになってるわよ」
 そう、私は鍵類をいっしょくたに(これ、方言?)まとめてホルダーにつけているのだ。

 すごすごと会社に戻る。
 バスに乗ろうとしたが、道路が渋滞していて、なかなか来ない。
 じっと待っていると氷の彫像になりそうだ。
「毒食わば皿まで」ということわざが頭をよぎり、
 また歩いていった。往復4キロなり。
 もう、体が冷え切ってんだかあったまってんだか、わかんないってなもんだ。

 とんぼがえりするのがあまりに虚しかったので、
 残業してた上司ふたりを問答無用でお縄にかけて、
 ちゃんぽんをおごってもらって(おごらせて・・・?)帰ってきました。
「わーい、これって『けがの功名』ですかね」
 という私に、
「『義を見てせざるは勇なきなり』だ」
「『旅は道づれ、世は情け』よ」
 嗚呼、慈悲深き上役の方々。
 生ビールまでつけてくれた☆ ありがとうござります。
 五臓六腑にしみわたりました。


 さて、十三回忌(!)を前に、尾崎豊のトリビュート盤が出るらしい。
 宇多田ヒカルの『I LOVE YOU』、ミスチルの『僕が僕であるために』、
 どちらも想像に難くない、ぴったりの選曲。
 ヒッキーの湿度をたっぷり含んだビブラートでの『I LOVE YOU』はしっとり、
 ミスチルの『僕は僕であるために』は、
 桜井さんがよくも悪くも、相変わらずの青くささで歌い上げるんだろう。
 槇原敬之は何だろう。『存在』とか『OH MY LITTLE GIRL』あたりかな。
 2枚組ということで、定番ではない曲もいろいろ収録されるらしい。
 何だか楽しみだなあ。

 数ある尾崎の曲の中でいちばん好きなのは『路上のルール』、次点『シェリー』。
 ついでに三番手は『forget-me-not』かな。
 イメージを壊してほしくないなんて思わない、
 ぜひ、誰かに、歌って欲しいな。彼が遺した歌をね。

 歌は世につれ世は歌につれ、という。
 人の心を打つ作品を作っても、それが人口に膾炙する期間は短い。
 芥川だって三島だって、名作と言われるものをたくさん書いたけど、
 今でも人々に多く読まれているかといえば疑問符だろう。
 人の命も作品の命も、五十歩百歩だ。悲しいことに。
 
 たとえ商業面が大きいものだとしても、私は今回の発売、嬉しく思ってる。





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