moonshine  エミ




2003年04月22日(火)  続く勝負の日々

 何かイヤなことがあったとかいうわけでもなく、ただ本当に、純粋に疲労を感じた一日。
「疲れ度 折れグラフ」つくったら、かなり高水準で推移しているだろう。
 蓄積してる。

 もう考えごとする余裕なし。
 泡のようにぷくりと浮かんでは次々と消えて、深まっていかない。
 
 今夜も10時の電車に乗り込んで体が重くって、
 それでもバッグから取り出した本は『文体とパスの精度』(集英社文庫)
 中田英寿と村上龍の、4年以上にわたるプライベート・メールのやりとりと、対談を収めた一冊。
 昔でいうところの往復書簡集ってとこ。
 日韓ワールドカップの直前くらいに単行本が出版されたから、文庫化は早いんじゃなかろうか。
 文庫になったら買おうと決めていた一冊だったので、げに嬉しきかな。

 サッカーの技術のことは全然わからないけど、
 中田の言葉、考え方、「一流になるべくしてなった人」だ。
 言葉のプロである村上龍とのやりとりのメール文だって、
 全然見劣りしていない。
 自分の言葉、しかも難しくない言葉で、言いたいことをしっかり言えるということ。
 自分というものをしっかり持ってないとできないよな。
 そういう精神性と、サッカーで世界を渡り合う選手になったということ、 それは卵が先かニワトリが先かで、
 切っても切り離せない関係だよな。
 
 このメール集といい、中田の公式サイトでの文章といい、
 それから武豊が週刊誌でやってる連載といい、
 一流の人の連続した生のレポート読むの、大好きだ。
 
 サッカー選手もジョッキーも、シーズンは長い。
 たとえば柔道だったら数年に一度の世界選手権やオリンピックと、それに至るまでの選考試合との重みは全然違うけど、
 サッカーは競馬は、一年にたくさんの試合をやって、その一試合一試合の重みは同じで、それの積み重ねで順位が決まっていく。
(もちろん、サッカーや競馬にも『特別な試合・大レース』というものはあるけど)

 野球の首位打者だって打率は4割にも満たないように、
 一流といわれる人だって勝つときもあれば負けるときもある。
 活躍したりできなかったり、
 面白い試合だったりそうじゃなかったり、
 プライベートで奥さんや友達とケンカしたり、
 さまざまな波を描きながらシーズンは続く。 

 彼らの文章を追っていくと、
「今日のプレイはここがダメだった」
「今日は○○選手のここがすごかった」
「これは会心の出来だった」
 すごく明確に冷静に結果をとらえて、落ち込んだりしながらも、すぐに次の試合に臨んでいくことがわかる。
 やっぱり、基本的に「気を取りなおす」のが早いの。
 そして、自分の分野を本当に愛してるし、それに対する考えがすごくしっかりしてるし、
 それがベースになってるからか、ほかの分野に対しても考え方が柔軟。
 そんな彼らだから、シーズンが終わったときには一流の結果を残している。
 なんか、すごく示唆にみちてる。
 続いていくことへの処し方。

 一ヶ月に何度かライブをやってるインディーズのバンドも、そういう感じなのかなーと思う。
 お客さんが多いライブ、少なかったライブ、イベント、
 もちろん、練習や曲作り、打ち上げといった日々もあって、
 浮き沈みを繰り返しながらも、好きで続いていく。
 だから、好きなバンドのHPで、メンバーの書き込みとか見るのも、当然好き。
 ライブ前の書き込み、ライブ後の書き込み、ライブとライブの合間での書き込み、
 それらが全てタイムリーに見られるネットってほんとに素晴らしい!
 
 んで、続いていくのは私の生活だって同じことで。
 調子のいい日悪い日、単発じゃなくて全部つながってる。
 失敗した日だって明日につながってる。
 冴えない日だって記憶から消去することない。
 一日一日を過ごす目線、自分で作っていこう。

 と思ったので、
 疲れて日記なんかもう・・・とも思ったけど、
 こんな日の記録を残すことにも何かしらの意味があるんじゃないかと書き始めたら、
 こんなに長くなった始末でございます。





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