moonshine  エミ




2003年03月30日(日)  片道切符で

 今日は8時に起き出し、久しぶりの空港へ。 
 スーツ着用のしん氏、先に着いていた。 
 それを見ても、なんかもう特別な感慨は起こらなかった。 
 実感がないとはこれだろう。 
 それとももう受け入れていたのだろうか?  
 空港内の「BLUE SKY」(ベタベタやな・・・)という喫茶レストランでしん氏はカレーを、私はポテトチップスを食す。 
 座ったカウンター、窓の向こうには大きな飛行機がいる。何台も。いや、何機も、か。 
 飛行機なんてもう5年以上乗っていない。箱崎にいると飛行機はひっきりなしに超低空・大爆音で飛び交っているので身近ではあるものの、あんな堂々と鎮座ましましている姿をお見受けすると、たいそう頼もしく、興奮せずにはいられない。 
 3、40分ほどそこにいる間にも、何回も着陸シーンを見た。 
 あんなもんが飛ぶんだからねぇ・・・。  

 出発口には意外と列ができていた。とりあえずいっしょに並ぶ。 
 きのう書いた手紙を渡した。 
 バッグの中で、ちょっと封筒が折れ曲がっていた。 
 列の少し前に小さい子を連れた家族が並んでいる。 
 ご近所の人なのか、やはり小さい子連れの数家族に見送られて、若いお母さんが笑顔で、でもハンカチで涙を拭きながら別れのあいさつをかわしている。 
 うーむ。
 何も考えないほうがいい、いま。
 ああいう光景見ても、何も感じないお地蔵様のような心を持つのだ・・・ナンマイダ・・・
 ・・・と、そのとき、はっとした。
 私の手荷物が一つ減ってる!
 『BLUE SKY』に、雑誌の入った袋を置き去りではないか。
「いかん。雑誌忘れてきた!」
「あっそういえば・・・」
「じゃあねしんちゃん、気をつけてね」
「うん」 
 そんな別れでした。 
 まーまたすぐに会えるさ。きっとね。

 昨日の夜、4月から仕事をはじめる、大学時代の男友達からメールが入る。 
 彼の職場もしん氏と同じ愛知で、現地から。

『subject:出会いと別れと  
 
 なんかやっぱいいね、新しい生活って。 
 今日は朝から買い物三昧でようやく帰宅。 
 諭吉がどんどん消えていく・・・ 
 あなたのところはもう別れの時は迎えたのかな 
 キミのことだからさんざん涙した(する)ことでしょう。 
 結構変わるからねえ、いろいろと。 
 いろんなこと考えて考えすぎなくらいになるだろうけど、 
 悩めよ乙女、恋せよ私ってところだな』

 環境が変わるということに不安がないなんていうことはないだろうけど、
 新しさというのはワクワクしたりやる気になったりすることでもあるんだ、本来。
 考えすぎるのも悪くない。
 なんか、あるがままを受け入れられるような気持ちになった、このメール。
 ゴメン○○くん、著作権を無視して・・・ 
 と思ったが、名メール文だったのでほぼ全文掲載してみた。
 「恋せよ私」というのは、彼は愛知で彼女を作る!と意気込んでいるようです。
 しかし、この男の子、どっちかというと仲間内では寡黙な雰囲気だと思われているが、メールって人を雄弁にさせるものだな。

 その後、8時間ほどひとりで街をうろつき、8時過ぎに西新JAJAへ。
 サニーサイドを見に行った。対バン、キャンセルズ。
 かしわいさんのギターは七色の音色に迷いがなく、
 田中まさんのベースはよりいっそう情熱的に、
 南くんのドラムは雰囲気を自在に操るように強く小さく跳ねて、
 ほんと、いいライブだった。
 サニーサイドの曲はドラマチックに展開されるなあ。詞が、というより、演奏が。
 あれー、なんでココで? というところでウウッと泣かされそうになる。
 りょうま氏快進撃の話を南くんより聞き、驚く。 
 田中まさんは学祭のしんちゃんを激賞してくれた。「いやー、ギターヒーローやね、彼は!」と。
 かしわいさんは「あいつがいなくなるなんて寂しいなあ・・・」と心にも思ってなさそうに言ってニヤニヤ。





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