| moonshine エミ |
| 2002年11月29日(金) みんなひとり | ||||
| 咳をしてもひとり。 という詩があるよね。句? 尾崎放哉か。 今日のライブ@デジャヴ出演者は、みんな、ひとり。弾き語りだった。 私もひとりで行った。 7時15分の時点では、「うーんどう急いでもあと2時間はかかるな。」とあきらめながら仕事をしてたのに、7時40分に突然、隣の先輩が片付けに入り始めた。 「えっ帰るんですか〜〜〜?!」と聞くと「うん」だって。(そういえば小さい娘さんの誕生日だったのだ)。 すかさず、 「えーっじゃあ私も帰りた〜い。仕事終わってないけど・・・。でも明日は、会社来たくな〜い」 と、ゴネてみる。ほんと、こうやって書くと、ゴネてるとしか言いようがないな。 言ってみるもので、「わかった、じゃあ残りはやっとくよ」と言ってくれる。わーい!! いや、もともと私が全部やるべき仕事じゃなかったのよね。 そんな『神様がアタシを見てるのね』的タイミングで奇跡の脱出に成功。8時やや過ぎにデジャヴに着いたのでした。 マーブルがいたテーブルに一緒に座る。初めて会うかわいい女の子がふたり。二人でデザインチームをやってるんだって。ステッカーとか、見せてもらった。すごい! センスある〜〜〜。みんな、いろんなことやってるんだなあ。 フランスパンのトーストを頼んで、4人とも貪るように一瞬で食べる。 今日はほんと、心をつかまれたな。 初めて見た丸さん、声がすごくかっこよくて。見た目もすごくかっこよくて。曲も良くて。うわー、と見入った。途中で「IN MY LIFE」を日本語でやった。私が持ってるのはベット・ミドラーがやってるバージョンだけど、元々は誰の歌なのかな。弾き語りはフォークロック調、ともいえる感じだったので、いきなり「IN MY LIFE」はじまってちょっと驚いた。 こないだ見たぱるこがやったシンディー・ローパーといい、みんな心の中の宝物に、いろんな音楽あるんだな。 フラッシュバック9のフラッシュさんの弾き語りも初めて見た。「フラッシュ・ザ・徒歩5分」なんだって。チョコラBBの瓶をマラカスがわりに振ったり。ギターを置いて、カセットでフラッシュバック9のオケを流しながら「カラオケ風です」なんてマイク1本もって歌ったり。ほんと、おもしろいなあ。『ブランコ』が好き。あの雰囲気いいなあ。こないだJAJAでもやったインスト、『赤茶けた・・・(首のうら、だったっけ?)』もいいなあ。哀しい感じなのに熱い、そんなギター。 そして今日は最後に『いい夢をみたいなら』が聞けた。 魚座のふじいさんの弾き語りは、ぜひ見たかったもののひとつで。 初めて見た。かなり内省的でびっくりした。文学肌。言葉の選び方、曲への乗せ方が独特で、のめりこんじゃった。もちろん声がいいしギターもすごくいい音を鳴らす。ものすごく“伝わる”歌を歌うひと。あんな歌をどうやって作るんだろう? 本当に、かなしく、やるせなく、ねじれて、はっとする気持ちにさせる歌だった。自分では決してあんなこと思いつかないけど、聞いたら、わかる気がする歌。想像とは違ったけれど、想像以上だった。私、暗い感じのものも好き。というか、どこかに負の部分が感じられないものに、芯から感動できるだろうか? 本人も(これは、100%いい意味で)とても羞恥心を感じさせる人だった。でもライブが終わったらみんなに弄られてて、よく笑ってて、それがまたいい感じ。 ライブの後は、しばらくおしゃべりタイム。 じゃあね、と別れてしんちゃんとちょっと電話で話して、博多駅までてくてく歩く。もう12時近い。 でも、あんまり寒くない。 いい音楽を聴いたあとだし、明日はお休みだし、ひとりでも平気。 遠くに「博多駅」って赤く光る文字が見えてきた。 私はこの街でずっと暮らしてきた。見慣れた道々、店々、人々。 でも、いつか、この街を離れる日が来るかもしれないな。それもまた、いいかもしれないな。 そんなことを考えてちょっとおセンチ☆な気持ちになってたら、あれれ? 眼前にギターを背負った男の子と、自転車を引いて歩く女の子。 マーブルとひろのぶくんやん!(彼は今日、デジャヴの前座をつとめた。なつかしく大好きな歌を2曲。) さっきバイバイしたばっかりなのに。結局、おんなじ電車で帰った。 バンドの音はもちろんいいけど、弾き語りもいいな、と思った晩秋の夜だった。 みんな、ひとりひとり、世界をもってる。それがさらけ出される場。音と心、歌い手と聞き手が、とても近く、向かい合う場。 |
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