| moonshine エミ |
| 2002年10月31日(木) それがスタートでありますように | ||||
| 9時半過ぎまで、会社。 今日はいろいろ仕事が重なるとわかっていたので、まあ、こんなもんかな・・・。 入社して一年半、10人の同期に、初めて退職者が出た。 女の子。今日までだった。 それが、かなり突然の退職で、みんな驚かされて。うーん、なんていって送り出していかわからないような、そういう辞め方で・・・。 「悩んでること、気づいてあげられなくてごめんね」 「相談に乗ってあげられなくてごめんね」 すごくそう言いたい気持ちに駆られたけれど、同時に、なんとなく言いたくなかった。 そういう言葉は、本当に彼女のために言うのならいいけど、 なんていうのかな、 『そうやって謝ることで、自分を納得させる、少しは自分の気がすむ』 という面があるのなら、それはエゴを重ねることだ、という気がしてしまったんだ。 だって本当は、みんな気づいていたはずなんだ。 彼女がだんだん、元気がなくなってきてたこと。 仕事のこと、愚痴さえも話さなくなったこと。 笑顔で挨拶しなくなったこと。 サインはいっぱいあったんだもの。 今まで何にもしてあげられなかった私たちが、ごめんね、なんて言うのは、お門違いだって気がした。 彼女のほうにも、問題はあった・・・とも、正直、思わないこともない。 やっぱり、仕事なんだから。仲良しサークルじゃないんだから。 自分からいい関係をつくろうと心を開いていくことも必要だ。待ってるばかりじゃいけない。みんな、仕事で辛いこともあるし、それを、時には愚痴って、時には発散して、毎日をやっていってるから。 でも、それにしても、彼女と私たちの間にできていた心の隔たりに、今さらながらしゅんとした。 だって、たとえば私たちが「ごめんね」とか、「がんばってね」とか言う言葉に、彼女がどういう気持ちを持つのか、もうそれさえもわからないくらいに、離れていたんだ。 同期から花束を渡したときに、彼女が久しぶりにいい笑顔をしてくれたのが、救いだった。 「この花の色、みんな好き」と彼女が言って、何だか理由のよく分からない涙が出そうになった。でも、それこそ傲慢でしょう、と思って、こらえた。 ただ、会社を辞めるっていうのは、別にそんなに悲しむべきことなんかじゃない。明日からも同じように彼女の人生は続いていく。 私たちは会社勤めで、彼女は辞めたけど、もちろん、どっちの生活がいいかなんて、全然そういう問題じゃないから。 会社の中に生活があるんじゃなくて、ひとりひとりの人生の中に、たまたま今の会社で働く時期っていうのがあるだけだから。 その時間とか、それに置く比重とかは、みんな当然違う。 いちばん大事なのは、その人がその人らしく、なるべく楽しく生活してくことで、今日会社を辞めたことが、何か新しい、もっと楽しい生活の始まりになったんだな、と彼女がいつか思えることを、これだけは本当に心から、願っている。 さて、なんということか、去年の10月31日の日記にも、会社を辞めるということについて、書いている。 「本当は前から決まっていること」 このときの気持ち、今も変わっていない。 |
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