moonshine エミ |
2002年09月07日(土) 泣く | ||||
会社が休みの日、目が覚めて最初にするのは、「本を読む」こと。ベッドの中での行為です。 鷺沢萠の「駆ける少年」を手に取った。久しぶりだ。 これには三つの短中編が入ってて、どれも、ベースが暗い。 こんな暗い話、20歳そこそこで書くこの人が私は好きでしょうがない。 読み終わって、かなり自分も暗い気持ちになって、ベッドに転がったまま、ウダウダいろんなこと考えた。 私はこの本が好きで、この「好き」って気持ちは、共感にすごく近い。登場人物たちの哀しみが、たぶん本当に、痛いくらいに分かる。分かる、と断言できる。 だけど、分かってしまう自分を、弱い気持ちの日には悲しく思う。これは・・・多分、分からない人も大勢いるんだと思う。傲慢になってるわけでも被害妄想でもなくて、それが現実だなあってわかってる。 この哀しみを自分のものとして分かる人と、分からない人。そこに横たわる埋められない溝、そこに立ちはだかる越えられない壁。仕方がないことだ。人生、いろんなことを自分で選べるけど、選べないことだってあるんだから。この本の哀しみは実感として理解できても、私に理解できない哀しみだってある。ということも、だいぶ大人になった私にはわかってる。 でもそれで何か、すごく泣いてしまったんだよねぇ・・・。 こんな激情、時々やってくる。もてあますよ、まったく。 欠落感。孤独感。不安感。 あーあ。 でも、泣くのって、人間にとってすごく必要な行為だと思う。そう考えると、男の人って泣きにくいから、かわいそうかも。 ひとしきり泣いたあとって、けっこう気分が変わる。しゃんとするか、てへへって自分に照れるか、疲れて寝ちゃうか。 今日は照れつつ、しゃんとした。 この哀しみが満たされる日なんて来ないと思ったほうがいい。本当につらくなるのはこれからだ。 でも、生きてく。なるべく楽しいふうに。汗して働いて。 楽しい土曜日の後半は、また明日書きましょう。 |
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