moonshine  エミ




2002年05月08日(水)  血と水

 昼休み、同期と話してたらなぜだか宗教のことが話題に出た。

 私は「吉本ばななの短編に、宗教の村で育った主人公の話があるよー」
 と紹介すると、同期たちも結構、興味を持った様子。
「なんてタイトル?」
 と言われて、考え込む。

「えーっと・・・短編集で、本の名前は『とかげ』って言うんだけど・・・」
 その短編のタイトルが思い出せない。
「らせん」「キムチの夢」「大川端奇譚」など、他の短編のタイトルはどんどん、頭に思い浮かぶのだが。

 家に帰って、本を開いて確かめると、
『血と水』
 というタイトルだった。
 短編集「とかげ」を私は本当に好きで、もう何度も何度も読み返したし、その中でも、この『血と水』が一番、好きで読むたびに泣きたくなるような気持ちになるのに、すっかり、タイトルを忘れていた。
 
 それで気がついたのだが、本でも歌でも、タイトルの吟味が好きな私が、大好きなこの話に限って「なんで、血と水?」と考えたことがないのだった。思えばじゅうぶん不思議なタイトルだ。短い話なのでぱらぱらと読み返し、また、あたたかくも寂しい気持ちになりながら、考えてみた。なんとなく・・・わかった気がする。少し。

注)別に言わずもがなのことだけど
  私は今のところ、特定の宗教を信仰してませんし、
  今後もそのような予定はありませんので。
  でも、吉本ばななのテーマの一つに「宗教」があると思うんだよね。きっと。
  彼女の宗教の書き方は、とても好きだ。
  好きっていうか・・・うーん・・・なんて言ったらいいのかな・・・
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