moonshine  エミ




2002年02月06日(水)  ヒット曲雑感(またか。)

 今日も見ました、歌番組。「歌の大辞テン!」です。
 
 平井堅。この人が世で絶賛されているのを見聞きするにつけ、
「みんな癒されたいのネ・・・」とつくづく思う。
 
 今のシングルはベイビーフェイスのプロデュース。甘く美しく、流れゆく音づくり。これまで以上に切々と歌い上げる平井堅。なんだかなー。予定調和以外のなにものでもないと思うんだけど。
 この人、声はもちろんいいし、「気持ちよく聴かせる」歌い方をちゃあんと心得てるし、でも、それ以上の何も私は感じられない・・・。
 曲にも恵まれてない。ベイビーフェイスの曲も、マイケル・ジャクソンのニューアルバムに提供された「You are my Life」と同様、何の冒険もナッシング。「楽園」がいちばんよかった。あんないいR&Bを歌えるのに、いまやどんどん、“ムードR&B”道を歩いている彼。リズム感も悪くはないと思うのだが、ハイテンポの曲では良さを発揮しきれない。
 甘ったるくて哀しいっぽいラブソング専門の人になっちゃうのかね。

 MISIA。この人も、何かかわいそうなことになってきてる気がする。
 今回の歌、オリンピックのテーマソング? ものっすご、壮大なつくり。
 壮大、いいけどさ。それが似合う声の人だっていうのはわかる。
 でも、「Everything」以来、壮大なのがウリになっちゃってない?
 “本格的R&B女性ボーカリスト”として注目を集めたものの、宇多田ヒカルや倉木麻衣、小柳ゆきなど、次々に後続が登場するに及んで、対抗するために「より本格的な」スタイルになってきちゃったのかなあ。
 
 なんかさ、妙に「大作づくり!」て感じの曲って、たまーにやるのはよくても、それが続くのってどうかな、と思うんだよね。
 彼女みたいに若い人が歌う曲って、もっと等身大で、もっとさりげなくて、で、ところどころに、ちょっとだけピリっとセンスの山椒がきいてる、そういう感じのほうがいいんじゃないかね。
「包み込むように・・・」は、その歌唱力には衝撃を受けたけど、音とか詞とかは、自然体だったと思うんだ。だからこそ、予期せぬ感動があったっていうか。
 
 MISIAにせよ平井堅にせよ、ほかにも、ケミストリーも小柳ゆきも清貴とかもそうですが、
 日本のR&B系アーティストって、ややもすると
「こーんなに一生懸命、心こめて、いい歌をうたってるぞ。
 メッセージも、大きいやつ、発信してるぞ。
 さあ、感動しなさい!!」
 て具合な大仰さが、曲にも詞にも歌い方にも溢れすぎる傾向にあると思うんだけど。
 だいたい、R&Bってジャンル自体、もっとさりげないもののような気がするんだけどなあ。
 
 まあでも、バッチリ、人々の支持を集めてるわけだからね。それでいいのかな。
 
 ここへきて、宇多田ヒカルってやっぱり凄い!と私は思ってるのです。
 日本中がびっくりの大ブレイクのあとでの、彼女の肩の力の入りすぎなさ、なんていうのかね、「チカラ入れすぎてひとりよがりにならないように」って心のどっかで言い聞かせてるんじゃないか、と感じられるような、抑制がきいてるところが、私は大好き。フー、長い一文だ。
 詞もいいよ。大げさじゃないし、背伸びもしてない、でも子供っぽくもないし、詩情があるよね。

 うおー、長い日記になってる。
 あの、お断りしますけど、この日記はほら、もともと「moonshine=たわごと、くだらない考え(英和辞典参照)」ですし、まったく個人的な意見や悪態にあふれてますから。
 謝るのも変だけど、平井堅やMISIAが大好きな人、ゴメンナサイ。あんまり腹を立てすぎなさんな。怒り損ですよ。

 さて、ハモネプでおなじみの、おっくんが入ってる「ラグフェアー」のデビューシングルは、「ラブリー」時代の小沢健二を彷彿とさせるナンバー。メインボーカル、ほんとに、オザケンの声をちょっとどうかしたような感じだ。ちょっと好き。
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