moonshine  エミ




2002年01月21日(月)  新・直木賞作家 唯川恵

 ほうぼうで紹介されているのでご存知の方も多いかとは思うが、
 先日直木賞を受賞した唯川恵さんは、集英社コバルト文庫で少女小説家としてデビューした。
 
 今回の受賞にたいして、唯川さんのコメントが新聞に載っていたのだが、

「少女小説でデビューした頃、私の読者は15歳前後。
 いま、その読者は30歳前後の女性になっている。
 『一生楽しませてあげるからね』と、心の中で読者に誓っていたので、
 この受賞がとても嬉しい」

 ウロ覚えで恐縮だけれど、こういう感じの言葉だった。

 私も、コバルト時代の唯川さんの小説を読んだことがあるはずなのだが、
 実はあまりはっきりと記憶に残っていない。
 当時は、藤本ひとみや氷室冴子、新井素子、久美沙織といった作家がコバルト文庫の看板で、唯川さんはどちらかといえば、やや地味な存在だったように思う。
 でも、その頃から約15年。
 こつこつと、読者と共に成長しながら書きつづけての、今回の受賞。
 本当におめでとうございます、と言いたい。

 昨年の直木賞作家、山本文緒さんもコバルト文庫デビューです。
 山本さんは、唯川さんより3〜5年くらいあとのデビューじゃなかったかな。
 彼女も、コバルト時代は、ぱっと目立つというような印象の作家ではなかったはず。
 作家の、書き続け、成長していく意欲もさることながら、作家と一緒になって作品を作りつづけた編集の方々の素晴らしい仕事にも敬意を表したい。
 
 蛇足。
 私自身はコバルト文庫を卒業して久しいが、最近はどうも、コバルトさんは易きに流れていっているような気がする。私が中高生のころより、今の少女たちのほうがさらに、活字離れが進んでいるというのもあるだろうけど。
 大人になってからの読み返しにも足るような、少女たちの愛読書をつくってほしいもんです。

 ・・・ちょっと、今日は、かなり「読み日記」らしい話題だったね。エヘン。
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