| 2003年07月15日(火) |
新作ーっていうか電撃短編ー |
ども、翔です。
なんかネタを変えたら、執筆が進み出しました。 ネタがあってなかったのか、気負いすぎなのか。
あるいは趣味に走り出したのがいいのか(笑)
っても、まだ原稿用紙3枚ですけどね。
先は長いなぁ。 でも枚数足りるかなぁ(笑)
とりあえず、恒例のー、という訳で。しょっぱなだけ公開してみます〜。
気が向いたら読んでみてください。 面白そうだと思ったら、続き読みたい〜、といってくださると嬉しいです。
ではでは〜。
トントン。玄関をノックする音が聞こえた。 ドアベルもあるというのに、なんでノックなんだよと思いつつも英司は玄関に向かう。 トントン。返事をしなかったからか、もういちどドアを叩く音が響く。 「へいへい、います。いますって」 せっかちな奴だと口の中で呟いて英司は玄関のノブを掴んだ。覗き見もあるものの、面倒くさがりの英司は今まで一度たりとも使った事はない。たまにうるさいセールスや宗教の勧誘だったりする事もあるが、そんな時はだいたいややトーンを沈めた声で「るせぇ」と一言告げるとすごすごと立ち去っていく。 不良という訳ではないのだが、どうも英司は目つきが悪いらしい。背も高く、段のある玄関先からは、本当に見下ろしているような情景になるのも一役買っているのだろう。 ガチャと音を立ててドアを開く。しかしそこにたっていたのは郵便局員でも新聞の集金でも、あるいは怪しいセールスマンでもなかった。 左目をガーゼで覆い斜めに巻いた包帯で止めている一人の少女。肩より長い黒髪が、僅かに波打って包帯を隠していた。 歳の頃は英司より一つか二つ下くらい、つまり十四、五歳というところだろう。夏だというのに黒いショールで身体を包んで、その合間から白い腕を覗かせていた。 しかしそれよりも英司の視線を釘付けにしたのは、片側だけ明らかにされている漆黒の瞳。どこか吸い込まれそうになる闇のような色が、喉まででかけていた英司の言葉を失わせていた。 何の違和感もなくそこにいる少女を受け入れて、声にならない台詞を呟かせていた。 綺麗だと。 しかしその美しさは、どこか忌まわしげな空気を同時にまとっていて、知らぬ間に震えていた身体からは熱が一度は下がったような気がする。 「……あんた、誰だよ」 やっとの事で呟いた言葉に、しかし少女は何も答えない。 微笑みもせず、心を感じさせない表情のままで、少女はさっと右手を英司へと差し出していた。 その瞬間、少女の指先から紅い液体が降りかかり、ゆっくりとその小さな唇を震わせていた。 「一週間後に貴方は死にます」 抑揚の無い声で呟くと、少女はそのまま振り返って歩き出す。 全く何事も無かったかのように、過ぎ去っていく少女に英司は一瞬追いかける事すら忘れていた。見も知らぬ麗しい少女から唐突に不吉な事を言われたのだというのに、いやだからこそか、英司はいまこの瞬間に起きた事がまるで夢物語のように感じていた。 そして英司が気を取り戻して辺りを見回したときには、少女の姿は影も形も無く、ただ夕暮れの街角だけが目に焼き付いていた。 服に僅かにかけられた紅色の血と解け合っていくかのように。
と、いう訳で今回はシリアスです。 前回の「文化部!? 死神撃退倶楽部」とはがらりと方向を変えてみました。
……でも冷静に考えると女の子に「もうすぐ君は死ぬよ」と言われるという意味でネタは全く一緒ですねぇ(笑)
引き出しの少ない私。
いや思いついた方向性も話の方向性も全く違うんですけどね。
いや、でも、つーか、さよならはまるいかたちもなんかネタ的には近いんじゃあ。
……気が付かなかった事にしよう。
そういえば、昨日は「私と一緒に死んで」というキーワードで検索されてました。
むぅ(笑) 怖い世の中ですね。
話をすり替えて、ごまかしてます♪
ではー
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