2002年07月05日(金) |
新作をちょっとだけ。 |
ども、翔ですっ。 そろそろ新作にもとりかからねばーっ。
……と、いう事でちょっと書いてみました。
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「あ、そこのキミっ。キミね、このままだと七日以内に死ぬよ」
少女は不意に佑(たすく)に告げた。
黒のジャケット。黒のホットパンツ。太いウェストベルトを締めている。 やや黒に偏ったファッションだと言う事を除けばさほど変わった様子はない。 しかし今の台詞の後では、違った目で見ざるを得ないだろう。
「はぁ? あんた何言ってるんだ? だいたい何だよ、あんた」
佑は思わず言葉を返してから、しまったな、と内心思う。 恐らくは新手の宗教勧誘かキャッチセールスか。ろくでもないものにひっかかったに違いない。最近の駅前は、この手の変な奴が多い。
しかし返答しておいて、いきなり無視して立ち去るのも何だとは思う。 まぁ、急ぎの用事がある訳じゃないし、少しくらい話を聞いてやってもいいか。
やや葛藤しながらも、そう結論づけると佑は少女をじっと見つめる。すごく可愛らしい子だとは思う。開いた目がくりくりとしていて、どことなく幼い雰囲気も残っている。 歳の頃は一五、六歳というところだろうか。
「ボク? ボクはこーいうものだよ」
不意に名刺を差し出してくる。 ……ゲームセンターで作ったキャラクターが印刷してある名刺だった事は、とりあえず置いておくとして。
「なんだよっ。この『死神撃退倶楽部』ってのは!?」
名刺には『死神撃退倶楽部 柊 真冬』と書いてあった。ちなみに今時、ポケベルの番号を載せているのも気になると言えば気になるが、これに比べれば些細な事だ。
「よく聞いてくれたねっ。そう、死神撃退倶楽部とは、読んで字のごとく死神を撃退するクラブ活動だよっ。人呼んで死神ハンター! わ、格好いい!」
真冬とか言う名前の少女は、高らかに告げる。
「じゃ、そういう事で」
いかん、やっぱり変なものに引っかかった。可愛い子だと思って付き合ったのが馬鹿だった。佑は内心そう思いながら、片手を上げてきびすを返す。
「ああっ。待ってよっ。ボク、まだ話の途中だよ」
真冬は慌てて佑を追いかけてくる。走れば振り切れない事も無いだろうが、それも疲れる。無視していればそのうちいなくなるだろう。
「キミねっ。今日から七日以内に死神が襲ってくるんだよ。何もしないでいると死ぬよ。マジでマジでっ」
真冬は必死で佑の横でわめいていたが、佑は気にしない事にして、すたすたと先を急ぐ。
「でもそんな時でも、ご安心! このボクっ、柊真冬が襲ってくる死神を撃退します!」
真冬はとても楽しそうにぬけぬけと言い放つ。洋にしてみれば、楽しそうにろくでもない事を言ってるところが、すごく頭にくるのだが。
「うるさい。帰れ!」
佑は顔も合わせようとせずに、すたすたと家路を急ぐ。
「むー。信じてないね? 信じてないね? そんないうんなら証拠みせたげるよ」 「いらん!」
佑は大きく怒鳴ると、これ以上話を聞くのも嫌になって突然、全速力で走り出す。
「ああ! キミっ、危ないよっ。もう死神はキミを狙ってるんだよ。かむばーっく」
後から大声で呼びかける声が聞こえてきたが、完全に無視して家へと急いだ。
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はい。そんな訳で。新作「文化部!? 死神撃退倶楽部(仮)」です。
……え? 方々で予告していた内容と全然違う? いや、まぁ、そういう事もありますがね(笑)
と、いってもこのお話は、次回の電撃Hp短編賞向きの作品です。
あちこちでいっていた「居場所を無くした少女」の話は、また別に書きます。 そちらは次の電撃ゲーム小説大賞用?
某ある人には電撃HPは「魔法の眼鏡を手にいれて」という話もしましたが(笑) それも置いておいてっ(笑) こんなんなりましたっ。
でも、まだこれで決定ではないです。 このお話、読んでみたいかどうか気になるので、読んでみたい方っ。 こちらのボタンを押してください〜。
反応をみて考えます(笑)
ではー
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