500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2002年09月20日(金) これが当たったら死ぬべ

 15・16の2日間、私は大学時代在籍した硬式野球チームの後輩たちの夏合宿を手伝いに行った。卒業以来10年間、私は野球らしい野球はして来なかった。しかし、去年からは草野球チームで軟式野球を楽しんでいる。でも、硬いボールを握るのは去年の夏合宿以来1年ぶり。久々の硬球は重く、そして当たり前だがとても硬く感じられた。
 少し前に、ドジャースの石井一久がピッチャーライナーを頭部に受けるという衝撃的な出来事があったばかり。「この石みたいな球が170キロで頭に当たったら普通死ぬべ」・・・私は改めて事の重大さを思い知った。あの瞬間頭にかかった衝撃は何トンとか言われるより、怖さを実感した。
 思えば田淵は現役時代、デッドボールを頭に受け、生死の境をさまよった。元広島の水谷も頭部死球の後遺症の目まいが引退を早めた。昔はヘルメットなどなく、ボールが当たって亡くなる選手が現実にいたのだ。
 「ボールが怖いなら野球選手なんかやめちまえ」とヤジを飛ばす人がいる。でも忘れてはならない。彼らは一歩間違えれば命を失いかねない空間に、身を置いている。頭の近くを通る投球に気色ばむのも当然なのだ。


腕の素振り(9/20)

 私は浪人時代、久しぶりにやった野球で右肩を痛めた。一時は電車の網棚に荷物を上げられないほどだった。大学に入っても痛みは治まらなかったが、腕を下げたフォームでだましだまし投げていた。その後肩の痛みは大分和らいだが、間違った投げ方は直らなかった。
 今、草野球をする際、肘の位置が低く腕が横振りになるためにシュート回転して送球が安定せず、悩みの種になっている。しかし、先日久しぶりに硬球を投げた際、肩を壊すのが怖くてバックスイングで力を抜いて投げたところ、スッと腕が振れてきれいな回転のボールが相手の胸元に吸い込まれた。長い間忘れていた感覚だった。
 今、私はこの感覚を体に覚えこませるべく、ボールを持たずに「腕の素振り」を繰り返している。鏡の前で時に100回以上に及ぶ時もある。この形でしっかりボールが投げられたら、また楽しい野球ができそうだ。まだ私には「伸びしろ」があると信じてみよう。


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