2001年12月25日(火) |
セ・パ交流試合の「先」 |
このオフ、セ・パ交流試合についてプロ野球実行委員会で討議された。米大リーグでは既に両リーグにまたがる対戦が実施されて人気を博し、観客増にも貢献している。日本でも、パ・リーグ各球団から交流戦実現の要求が度々出されていたが、目的は特定球団に著しく偏っている利益のおこぼれに預かる他力本願的発想が強く、G球団のWオーナーを先頭に既得権益を守りたいセ各球団はこれに強硬に反対してきた。しかし今年、巨人戦視聴率が過去最低になるなどプロ野球人気低迷にうろたえたWオーナーは突然「やってもいいよ」と態度を翻した。 W氏の厚顔無恥ぶりはさておき、ファンからも待望論のあった交流試合が現実味を帯びてきた意味は大きい。ただ、例えば松坂VS松井といった目玉があるカードやG戦絡みはともかく、その他大勢同士の組み合わせが観客動員に劇的な変化をもたらすとは考えにくく、「富の分配」の実効性も怪しい。 大切なのは、単に形の変化から来る一過性の人気に浮かれる事ではない。そこでより一層の企業努力を積み重ね、人気を不動のものにすること。それが出来なければ依然としてプロ野球の未来は暗いと言わざるを得ない。
シャッフルはいかが?(12/25)
セ・パ交流戦の先に1リーグ制を見る人もいるかも知れない。しかし、例えばシーズン前半で大差がつけば早々にファンの興味が離れていく。2リーグなら、そうしたリスクをある程度分散させられる。また、日本シリーズがなくなればポストシーズンの楽しみが減り、一層のプロ野球離れを招きかねない。 私はむしろ、数年スパンで両リーグの球団をシャッフルした方が面白いと思う。セ・パの人気の差はひとえにメディア、とりわけテレビ露出度の差が生み出すものである。その差は、年間数試合の交流戦で埋められるものではない。1シーズン同じ土俵で順位を競ってこそ、本当の意味の興味も持ってもらえる。また、抽選で巨人のいないリーグに振り分けられた球団は、真剣に利潤を上げる方策を探るだろう。それは結果的に、プロ野球全体の人気の底上げに繋がるはずだと私は思う。
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