つたないことば past|will
悲鳴、 轟音、 大気の振動。 それは幽かな記憶。 聞いたわけでも、 感じていたわけでもなく、 身体に刻み込まれたもの。 それは時々からだの中で叫んだり、 暴れたりしてる。 「その晩」見えたという紅い月の日は よけいそれは起きた。 きっといつかそれに負けてしまうのかもしれない。 背負うには大きすぎるのかもしれない。 もしその時がきたら、 オレがオレでいるうちに、 殺して。 だって大切な人を傷つけるのは死ぬほどつらいから。 だから、 大丈夫。 オレは大丈夫。 まだ笑ってられるから。 いつの日かその時がきても、 きっと笑っていけるから。 だから、 大丈夫。
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