世界は私の知らないところで回ってる。 どこかで命が誕生し、どこかで鼓動が止まって いても、私の毎日に変化はない。 大きな生命体はまるで永遠のように 命を生み出してはさらって行く。 命だけは平等だというけれど、 科学が際限なく発達してしまっている 現在は、命さえも値がつき、張る値がなければ ただ消え行くのを待つだけに。 だとしても、その些細な軋轢は とめどなく命を生み出す母体に何ら 影響を及ぼさない。 いつの日か朽ちる私の命もまた、 累々と続く流れの一つに過ぎず。 ならば生まれて取り上げられる命は 誰のものなんだろう。 そしてどこへ向かって行くのだろう。 私は知らない事だらけのまま、生きている。
|