何かに打ち込むというのはとても 素晴らしい事であり大切な事であり、 また便利な事でもあるなと思う。 没頭していると余計な事を考えずにすむとか そういう便利さがある。 とはいえ、24時間中それに携わっている 時間はほんの一時で。 少々鬱陶しい気分が続く日々。 自分以外の誰かの苦痛も受け持って しまったりする。 でも、と思う。 冗談半分に不満を吐き出している自分を 救うかのように、同じ思いを抱えてくれる 人が近くにいたりする。 驚くほど近い意識と感覚を持って 自分の思いを代弁してくれる人がいる。 不満や痛みや怒りは、代弁してくれる 人間によって半減される。浄化される。 口走ってしまった八つ当たりまで飲み込むように。 一人で生きているわけではないのだと、改めて思わされる。 でも、と思う瞬間。私は吐き出すように深く 息をつき、少し笑った。
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