見上げた空は雨は降っていない ものの、完全な曇り空。 幼い頃に聞いた物語の大切な一日は、 ほとんどがこんな天気。 まぁ梅雨の時期の関東に住んでいたら 仕方のない事だけど。 久しぶりに思い出した物語。 多分それはまだ幼い彼のせい。小さい彼が 口にした動物のお医者さんになりたいという夢。 あまりに可愛くて大きな笹の葉に願いを託した。 まだ字も知らない子供の素敵な夢。 代わりにペンを取った私はきっとその日一番の 笑顔だったはず。 彼は今どうしているだろう。今日の曇り空を悲しい 思いで見上げているだろうか。 届かない思いに小さな胸を痛めているだろうか。 時に大人の都合で淋しい思いをさせてしまうけど。 でも、大丈夫。たくさんの愛を貴方はこれから もらって生きて行くはずだから。 見上げた空は星が見えない今日だけど、 私が見上げた空と君の空は繋がっている。 一年に一度しか会えないなんて神話だけ。 いつだってすぐにだって、その愛しい瞳に会いに行く。 いつからか雨が気にならなくなった七夕。 今年からは幼い頃と同じ思いで空を見上げる事になりそうです。
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