覚えておきたい事は山ほどあるのに、 思い出せない事の方がはるかに多い。 大好きだったフレーズ。好きな小説。 その一文。思い出の手紙。大切な人の言葉。 間違いなく心を支配するものなのに。 思い出せない何かが嵩になって襲って来る。 なぜ記憶はいつでも鮮明ではないのだろう。 薄れる記憶の中にしまってしまった事は いつになったら思い出せるんだろう。 同じ失敗は二度としたくないのに。 幸せはいつまででもかみ締めていたいのに。 でも囚われない心にはきっといい事があるの かもしれない。 何となく覚えてる幸せが心地いいから、 同じ気持ちを求めて進めるのかもしれない。 今年の花が終わったら、来年の為に新しい鉢に 植え替えるように。 気持ちも新しく再生し続ける為に、何度だって 鉢をかえて。その度に大きく大きく育っていく のかもしれない。
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