ほんの些細な事で生じる誤解は、 ほんの一瞬で片がつく。 そんなのは、割と距離のある人との関係だけだ。 近くなればなる程、互いを知ってるからこそ 知恵の輪のようにもがいてもがいて あげく、深みにはまって行く事もある。 言葉で言葉を切りつけるように、ささくれだった 気持ちに歯止めは利かない。 吐き出される言葉の全てが苛立ちに変わる。 例えば身内ならば、言いたい事の全てをさらけ出していいの だろうか。それが相手を傷つけるだけの言葉だとして。 それが自分の本心ならばいいのだろうか。 それが相手と裸になってつき合ってるという 事の証明になるのだろうか。 そしてそれが言いたい事なのだろうか。伝えたい事なのか。 そうじゃないと分かって止められないこの口は、 大切な人を傷つける事を厭わない程愚かで、 言っていい事と悪い事の区別もつかない程子供なのだろうか。 本心ではないと互いに分かっても。どこかでそう思ってるのも きっと確か。だからそんな自分に嫌悪する。 どの口が痛みしか生まない言葉を吐いた後に愛を語れるのか。 一日二日では癒せない程、傷ついた顔は自分を追い詰める。 泣く事だけが浄化する方法なんて何て幼いのだろう。 大切な人がいる事をもっと誇れるようになりたい。 守りたい人がいる事をもっと自分自身で分かりたい。 自分を見失う程に深く思う。それは間違っていないはずだから。
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